核家族・四茅野家
あ、ヒロイン登場はもっとも~っと後の予定だったけど、そろそろ出しちゃいますかね。
ああ、そうだ。忘れていたが、家族に今日中には帰れそうだと連絡しておこう。
『すまない。やはり、9時頃にはなるが今日中につきそうだ』
送信する。ふう、少し急ぐか。いくら夜とはいえ、1か月前では
考えられないような静かな街を抜ける。
建物がまばらになり、少しずつ雰囲気が移り変わっていく。
徐々に人工的な灰色から、自然的な緑色へと超獣が少ないとされる領域へと
足を踏み入れる。
それなりの時間移動しただろうか。現在時刻は…8時20分か。
中途半端に舗装されている道を抜け、懐かしい街に戻ってきた。
少しバイクを止め、道の端に寄せる。
『そろそろ到着する。問題ないだろうか?』
すぐに返信が返ってくる。
『もちろん、いいわよ。いつでも来なさい』
何故か、戦いの前の口上のようなことになっているが、まあいいだろう。
では、行くか。
5分ほどで懐かしの我が家に到着する。インターフォンを鳴らす。
「はいは~い!超獣ですか~?」
そんな声と同時に玄関が開き、結実が出てくる。
「久しぶりだな。結実。ただいま」
フリーズした。カチコチに硬直している。
『超獣ですか~?』の『~?』の口で停止している。
「…大丈夫か?」
『俺』の口調で冗談でも言ってみるか。
「お~い、返事しないと帰っちゃうぞ~!」
「それは駄目」
謎の冷気を放ちながら、結実は即答した。
「お、おう。そうか。じゃ、口調を戻そうか」
「え~?もったいないよ~。お母さんたちにも聞かせてあげなよ!
絶対喜ぶから!ね!」
「残念ながら、私は俺と折り合いをつけただけで嫌悪感は
なにも変わっていないからな。このままでいかせてもらう」
「…そっか。あはは!ごめんね!ちょっと早とちりしちゃったね。
ご飯ってもう食べたの?私たちはもう食べちゃったけど、一応残ってるよ?」
「いや、まだだな。食べようと思う。知らせてくれてありがとう」
「えへへ~。妹として当然のことなのです!それじゃ!
お風呂にする?ご飯にする?それともわ・た・し?」
「帰省すると、必ずそれをするが、もしも『わたし』を選んだ場合については
なにも考えていないだろう?とりあえず、ご飯で頼む」
「ありゃ~、ばれちってたか~。オッケーご飯ね!
少し待っててね用意しちゃうから!」
「別に自分で用意するのだが…」
「なんか言った~?」
「いや、何でもない」
こういったことが楽しいお年頃と言うものなのだろう。
リビングに入る。
「ただいま。久しぶりだな。母、父」
「おかえり~なさい~。うふふ~、頑張ってるみたいね~。
活躍が~テレビで~放送されてるわよ~」
「おう!おかえり!それで?どうなんだ?有名人になった感想を聞かせてくれ!」
「ん?そうか?だが、結実にも後から事細かに聞かれるだろうからな。
結実が戻ってからにしないか?」
「ま、それもそうか」
「はやく~結実ちゃん~戻って~来ないかしら~」
「明日からだが、何か予定はないか?」
「ないわね~」「ないなー」
「遊園地と化した水族館とやらに行ってみたいのだが、いいか?」
「いいわよ~」
「あ、それ俺も行きたかった奴だ!」
「そうなのか?」
「そうなんだよ!夢乃も結実も俺がいないタイミングで行っちゃったんだぜ!
そのせいで俺はいけなかったんだ!」
「そうか。…母よ」
「な、なにかしら~」
「少し酷くないか?」
「これはね~?私たちは~悪くないと~思うのよ~。
だって~、憧叶さんね~?あの~会社が大変な時期に~
『行くなら、有給とって一日中楽しんでやる!』って~言うのよ~?
会社に~申し訳なくてね~?そして~、開園から~一週間は~
入園料無料だったのよ~?行かざる~を得ない~じゃない~?」
「なるほどな。どっちが悪いという訳ではないな。
しっかりと二人で話し合うべきだった、それに尽きるだろうな」
「ま、それもそうだな。そこまで根に持ってるわけでもないし、
ごめんな。夢乃」
「いえ~、こちらも~よく考えずに~行っちゃって~ごめんなさい~」
「いや~、私もなんかごめんね。お父さん」
「ん?結実か。夕食、ありがとうな」
「あ!今の凄い良い!わんもあぷりーず!」
「それで?憧成。有名人になった感想とあっちで何があったかを話してくれ」
「ああ、そうか。それではご清聴願おう。世界革命と同時に
巨大なウシガエルが現れて、その時に状況判断をせずに、
携帯で写真を撮っていた若者がいたんだ................という訳だ」
「ほへ~。凄いじゃん!どこがテレビでは5割増しなの!むしろ、5割減だよ!」
「はあ~、すげぇなぁ!よし、今度はこれを後輩に話してやろう」
「凄いわねぇ~!だけど~、無理しちゃ~ダメよ~?」
話しながらだが、少しずつ夕食を食べていたので、
話し終わる頃には食べきっていた。
「それで?そちらの近況を教えてくれないか?」
「う~ん、こっちは大したことないよ?珍しい田舎の超人になっただけだし」
「ん?超人なのか?」
「うん!我が家はこの辺ではね。守り神三人衆とか呼ばれちゃってるんだよね!
いや~恥ずかしいね!」
「どんな能力なんだ?可能な範囲で構わないが教えてくれるか?」
ちなみに、結実は軽めのブラコンを患っています。まあ、義理の兄妹なので、合法ですが。




