チート能力者・麦茶
奴の事忘れていないですよね?
能力の検証が終わり、全員が集合する。
それぞれに能力の変化や新たな力について、
箇条書きにして、まとめていく。
その結果がこれである。
四茅野憧成
・クールタイム1分→50秒
・緊急発動の条件の危険=骨折や失神程度の危険
・前回発動してから10秒以内に限り、2回発動可能
・連続発動後、頭痛と隙が発生
もふもふ
・剣が半ばから折れた場合の再生時間2分→1分30秒
・プラズマ、光子、電子は振動の対象外
・押し引きのみ、スピードが↑、対象は剣のみ
・感覚交換の対象は生物のみ
麦茶
・口頭でいくっす!
…そうか。残念な感じが復活してきているな。
安堵とも、落胆ともとれる複雑な感情になる。
「さぁ!俺の能力の説明をするっすよ!
まず、圧力強化と生成効率向上を
2段階したっす!それで、自分の身体を楽々で
持ち上げる事ができるようになったっす!
見てて下さいっすよ!」
麦茶が麦茶を麦茶の手から高圧で噴射し、
自身を持ち上げる。そのまま空中で
アクロバティックに飛び回る。
そして、ドヤ顔で地に降り立った。
「見たっすか!大体5分が無理しない範囲での
限界っすね。無理すれば、もっといけるっすけど、
短期決戦とか、最後のひと押しみたいな使い方に
なりそうっす」
「なる程な。では、他の取得した能力は何だ?」
「ふふふ、聞いて驚かないで欲しいっすよ?
身体金属化っす!」
…なる程。恐らく、後から取得できる能力と
言うのは少々扱い難いものが多いようだ。
「後、身体金属化は強化して、金属化した部分が
破損しても、元に戻せば元の状態に戻るように
したっす!それで、解除して再生した部分は
再度、その時の再生した物の量に応じて、
クールタイムがあるっす。
そして、金属化した部分の感覚は無くなるっす!」
しかし、扱い難いポイントは後から、
能力強化で補える様になっているという形のようだ。
「そして、こんな事もできるっす!あ、憧さん!
ちょっと手、出してくださいっす!」
出すと、麦茶が握手をする。何だ?
手が麻痺していく。手を見ると、金属化していた。
「な!相手も金属化できるのか!」
「そうっす!触れている相手の部位に金属化を
施せるっす!解除も触れていないとできないっす!
そして、金属化させたまま触れ続けると、
少しずつその部位から、全身に金属化が
侵食するっす!これ、2000ポイントかかったっす!」
高いな…。非常に。だが、強い。
戦力差を無視して、一方的に自身の能力を
押し付けるのだから、弱い訳がない。
心臓を金属化させたら?脳は?肺は?大動脈でもいい。
人体の弱点を恐ろしく突きやすい力だ。
何だったら、皮膚が金属化するだけでも、
重量が増し、動き難くなるだろう。
「麦茶、解除してくれ」
「はいはーいっす!…あれ?」
「ん?どうした?早く解除してくれ」
「ちょっ、ちょ〜っと待ってくださいっすよ〜。
え〜っと。ぐぬ〜!」
「…おい、まさか解除できないのか?」
「あ、良かった〜。な〜んだ、解除の速度も遅い
だけか〜!びっくりした〜」
「ふぅ、良かった。解除できないのかと思った」
「あ、あはは。そんな訳ないじゃないっすか!
もっと信じてくれてもいいんすよ!」
「ああ、そうだな。もう少ししっかりしてくれたら
考えて見るとしよう」
「じゃあ、説明に戻るっすよ!金属化の対象は
生物のみっす!麦茶も憧さんを安定して
持ち上げられるようになったっす!」
それだけでも、戦略の幅が広がるな。
十ニ分に強い。少し過剰戦力かも知れない。
「以上か?」
「以上っす!」
「では、動く樹木討伐に戻ろうか」
「そうっすね」
「ああ、もふもふにはまだ話していなかったな。
実は私達は動く樹木との戦いの途中
だったのだ。それでもまだ着いてきてくれるか?」
「とーぜん!着いて来るなと言われても
着いて行くよ!」
少々気持ちが重すぎるな。
だが、それくらいでないと、担いでいる事を
忘れてしまうかも知れない。
「…そうか。では、宜しく頼む」
そう言い、手を差し伸べる。
「うん!」
もふもふは手に肉球を乗せる。
…意図せず、お手の様な構成になってしまった。
麦茶が笑いを堪えている。
「さて、移動を開始しようか」
「そうっすね!」
「うん!」
そう言い、麦茶が路地に入っていく。
麦茶が分解したバイクのスパークプラグを
持って来る。少し恥ずかしい。
が、全力でポーカーフェイスを貫く。
「んじゃ、行きましょうっす!」
「うん!」
「…そうだな」
動く樹木の元まで、約4km。
その距離を作戦の確認や改良をしつつ、進む。
麦茶がスパークプラグを持っている為、遅いので、
そのスピードに合わせて歩く。
しかし、それくらいのスピードの方が
熟考する余裕があり、丁度いいだろう。
能力の強化や取得に伴い、大幅な作戦の効率化が
行われた。途中で、する事が無くなり、現在の
日本や世界、会社の状況を見たところ、
日本政府が今は生存を優先し、多少の違法行為は
目を瞑るという事を長い長い文面で恐ろしく迂遠に
書かれていた。これでこれからの作戦への罪悪感が
いくらか薄れる。後、ピストルについては
弾が無い状態だが、返しておこう。
さて、後少しで動く樹木の姿が
見えてくるだろう。
トレントの戦闘力ちょっと上げとこ。




