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お笑いヤンキー  作者: oga
俺は向日葵
8/25

提案

「あっ」


 しまった。

ケンカをしに来た訳じゃねんだ。

反射的に体が動いちまったが……

後頭部を殴りつけたワルを見やると、虚ろな表情を浮かべ、ヨダレを垂らしている。


(意識飛んでんのか?)


 他の3人がいきり立って立ち上がる。


「んだてめェッ!」


「ちげーんだ、ちょっと話聞いてくれっ」


「るせぇ、やっちめぇ!」


 野バラが叫ぶと同時に、俺も声を張る。


「俺はただ、漫才がやりてーだけなんだ!」


 拳を振りかぶっていた2人のワルが、空中で固まる。


「……は?」


「漫才だよ、漫才! ボケとツッコミに分かれて面白い話する、アレだよ」


「んなこたァ分かってるよ。 じゃあ何だ、さっき、何でやねん! っつったの、アレはツッコミだったって訳か?」


 野バラがそう言うと、俺は少し悩んだ後、頷いた。


「……そう、かも」


「誰もボケてねぇだろ! 天然ボケか、てめェ!」


 再び、ワルの拳が俺に迫る。

すると、またしても動きが止まった。


「まあ、まてよ」


 言ったのは、野バラ。

ワルの肩に手を置いて、何かを耳打ちしている。


「……ゴニョゴニョ」


「……プッ。 それ、いっすね」


「何コソコソやってんだよ?」


 俺が思わず聞くと、野バラは急に態度を変えてこう言った。


「……漫才、面白ーじゃねぇか。 それ、いつどこでやんだ? ネタとか考えてんのか?」


(何だよ、コイツ……)


 何か企んでんのか?

だが、ケンカで無理やり部を奪うのは望む所じゃねぇ。

古川の奴に言われて、俺の目は醒めたんだ。

俺が卒業式に漫才をやる旨を伝える。


「まだネタとか何も考えてねーけど…… 協力してくれんなら助かるわ」


「ネタならここの漫画研究会の元部長が考えてくれんだろ。 後で呼びつけとくわ。 それと…… 相方もこっちで用意していいか?」


 思わぬ提案だった。  

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