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お笑いヤンキー  作者: oga
俺は向日葵
6/25

向かった先は……

 更に翌日の放課後。

俺は校舎の裏で一服してから、よし、と気合いを入れた。


「行くか」

 

 俺がこれから向かうのは、校長室。

やっぱり、お笑いのことは諦めらんねぇ。

小田から教わったツッコミも試してーし、さて、どうしたものかと考えた結果、一つの答えに辿り着いた。

それを説明する為、これから校長室に向かうが、

確か1階の職員室の隣だったか。

俺は廊下を歩いて職員室を横切り、その前までやって来ると、扉をノックした。


「はい」


 すぐに返事があって、俺は扉を押して中へと入った。


「……ッス」


 机にどかり、と腰掛けているのは校長の安西。

貫禄太りっつーのか知らねーけど、すげーデブだ。


「ほっほぉ、珍しいですね。 3年2組の桜木君ですか」


「いちいち覚えて無くていーって。 ちょっとアンタに話しがあんだ」


「何ですか?」


 俺は昨日の夜、風呂ん中で閃いたことを話した。

その内容は、卒業式の日、出し物で漫才をやること。

それが出来るか否か、校長はすぐに返事をくれた。


「……確かに、君も知っての通り、卒業式には申請を出せば出し物を出すことが可能です」


「俺の記憶じゃ、吹奏楽部が卒業式の定番ソングとかを演奏してたよな。 あと、映研か?(映像研究部) 」


「ええ。 ただし、学校の決まりで出し物を出すには個人では無く、部であることが条件になります。 君の場合は、漫才研究部を発足した後、私にその申請を出す必要があります」


 ……面倒くせー条件だな。

つか、部なんてそんなのすぐに作れんのか?

校長は話を続ける。


「もちろん、すぐには作れません。 初めは同好会を発足し、8人以上の部員を確保した状態で3年が経過することが条件になります」


「ふ~ん…… って、卒業式まで後2ヶ月じゃねーか!」


 物理的に無理な条件を提示されて、俺は安西の胸倉を掴む勢いで詰め寄った。


「何とかなんねーのかよ、なあ!」


「ほっほ、それは自分で考えなさい」


 ちくしょ……

俺はイラついて地面を蹴り飛ばした。

安西をチラ見するも、表情は一切変わらない。

生徒が善意でお笑いをやろうとしてんのに、決まりがどーのと手を貸す気配はない。


(使えねーな、このクソ校長)


 はぁ、とため息をついてその場を去ろうとすると、安西がこんな事を呟いた。


「……そう言えば、漫画研究部がどこかの不良に乗っ取られた、という噂がありましたね」


「……ン?」 

 


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