第1章1話 転生
「は?なんでダメなんだよ」
「この前遊びに行ったとき位置情報入れてなかったでしょう!?何かあったとき困るでしょう?」
「そのことは反省してるっていってるだろ?」
「またそんな偉そうな口きいて」
「くそっ」
俺は若草光光。ごく普通の高校2年生だ。
ことの始まりは2週間前、初めての彼女といったデートでスマホの位置情報をONにしていなかったのが原因だ。
そして、明日、彼女と2回目のデートをするために、母親に
「明日遊びにいくねー」といった。そのときは母親はOKを出した。
まさか、風呂から上がってきたらいきなり明日遊びに行くなって言われるとは誰も思わないだろ!
明日、遊べるってもう彼女にいっちゃったよ。どうしてくれるんだ。
「まじでうぜーんだよ。なんで位置情報いれてなかっただけで遊びいったらダメなんだよ!?」
「がつん」
ムカついて、ドアを蹴った。
それがこの世界との別れになるとはおもってもいなかった。
「ようこそ。わが世界へ。」
「あんたは誰だ?」
「ふふ、私はあなたたちの世界でいう、神。にあたるものでしょうか?」
「は?いやいやいや意味わからんし」
「それでは、アナタの体をみてみなさい。」
俺の体?俺の体って…
「光?俺の体は??」
「あなたは転生したのです。」
「は?なにいって」
「そのあなたの体が証明したのでは?少なくとも元の世界のあなたの体ではないでしょう?それくらのこと高校2年生なんだからわかるでしょう?(笑)」
まじかよ。おいおい、転生って笑笑。ラノベしか読んだことないしよ。まあ、自称神のことを信じてやるか。確かに、ドアを蹴って、闇に体が飲み込まれた記憶しかないし。気が付いたらここにいたしな。
てか、なんで俺が高校2年生ってしってるんだ?
「なんでお前は俺が高校2年生って知って」
「理解できたかね?」
「俺の言葉を遮るなよ… ああ、一応理解はできたぜ。」
「そうか。見越したとおりだ。」
見越した通り?
「さてと、今から本題だ。お前に勇者の名を授ける。」
「勇者?」
勇者ってあの異世界の勇者か?てことは、本当にここは異世界なのか?
「そうだ。お前にはその資格がある。」
「どんな資格だ…よ」
もやもやしたものが頭の中を襲う。意識に侵食してくる。
「だから、俺の話を聞けって…」
「俺の面目をつぶさないように、精々がんばれよ。勇者よ。」
は?何変なことをいってるんだ?
おい、そこのもやもやしたもの、俺の思考を遮るなよ…。俺の意識を奪っていく…な……
これは現実だよな?