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クスノキエッセイ

シリアスな物語における強制ハッピーエンドに関する簡単な文句

作者: クスノキ

 ふと思い立ったので書いてみました。

 物語には必ず終わりがあります。もちろんエタったり、長年続いている作品も多々あるとは思いますが、大半の作品はいつか終わるものです。

 これはその物語の終わり方について、小説書き出して一年未満の私の考えを垂れ流した文章です。主観を多分に含んだ文章ですのでどうかご容赦を。



 ここで私が取り上げたいのはタイトル通り、ご都合主義のハッピーエンドについて。皆さんはシリアスな物語の閉め方として、ハッピーエンドとバッドエンド。どちらがお好きでしょうか?

 私はバッドエンドが好きです。私は物語の中でさんざん凄惨な殺し合いをしておいて、皆が幸せになることがどうしても疑問に思ってしまう質です。異論は認めます。当然、「後味の悪い終わり方は気持ちが悪い」とか、「最後は皆笑ってほしい」とか、そういう意見もあるのは分かるし、「バッドエンドは大嫌い」という方もいるとは思います。

 ですが、やはり私はバッドエンドが好き。なぜなら凄惨な物語の果てには、凄惨な終わりがあるのが当然の流れだと思うからです。ただ、私自身救いの全くないバッドエンドは鬱になるだけなので、一欠片の救いは欲しいなとは思います。唯一生き残った主人公が、死んでいった仲間たちのことを胸に刻んで明日を生きる、的な。


 あるいは巧妙に伏線を張った結果のハッピーエンド。それなら許容できます。というか「すっげー」と思います。そんな物語を書ける人のことを、まだまだ物書きとして未熟な私は尊敬します。

 むしろそのような物語が一つの最適解なのかもしれません。ダークな世界観で数多の不幸や理不尽を描いた上で、なお違和感ない幸福な世界を描いて()()()。羨ましいです。


 ですが、ご都合主義の連発による強制的ハッピーエンド。これは許容できません。例えば圧倒的劣勢にありながら、突然主人公一行が覚醒したり、気合と根性で立ち上がって敵を倒す、とか。最終的に奇跡が起きて死んだはずの仲間たちが皆生き返る、とか。あとは偶然が続いて死んだと思った仲間が実は生きていたとか。

 前者については物語中盤の伏線としてならアリだと思います。もしくは伏線を十分に張った上でなら。でも物語の最終決戦としてはありえない。そんな風にするなら、敵を強くし過ぎなければいいのに、あるいは事前に味方を強くしておけば良かったのに、などと考えてしまいます。

 後者二つ、特に奇跡で死んだ仲間が皆蘇るのは本当に「ないな」と思います。何かしらの代償あってのそれならいいとは思うのですが、これまでの積み重ねを遠くに放り投げて無理矢理にハッピーエンドにするのはいかがなものかと。


 それはないだろと。これまでの興奮や期待を返してくれと。確かに死んだはずの仲間や失ったはずの友情が取り戻されることは美しいことです。でもそのやり方が美しくなければ興醒めと言わざるを得ません。



 つまるところ大事なのは「理由」ではないかと思います。凄惨なストーリーならば凄惨な結末になる理由があり、それを覆すためには覆すに足る理由が必要なのです。気合と根性で乗り越える展開ならば、それが許容されるような理由が必要で、物語の最後に死んだ仲間が生き返るとするなら、やはりそれに足る理由が必要に思えます。

 ご都合主義が嫌われるのは整合性や積み重ねのない、理由のない展開だからではないでしょうか?

 もっと上手に文章を書きたい。

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― 新着の感想 ―
[一言] ハッピーエンドという名のバッドエンドですね。 作中人物にとってはハッピーエンドだけど、読者にとってはバッドエンド……それが意図されたものであれば素敵なのですけどね。 たとえば、主人公がダーク…
[良い点] 言いたいことは伝わります。 [一言] 身も蓋もないことを言いますが。 わざわざ「嫌われる」ほど多くの作品が作り続けられる時点で、ご都合主義を好きな(or許容できる)読者が相当数居るわけで…
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