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王子様拾いました。  作者: 苺鈴
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王子君と中学校2

―2年2組の教室、3限【社会】―

「…と、いうわけで簡単に言うと、織田信長にいじめられていた明智光秀が、本能寺で織田さんの寝込みを襲ったのが『本能寺の変』で。年号は1582年で語呂合わせは『イチゴパンツ』と覚えると覚えやすいよ。ここまでで、何か質問がある人いる?」

「星野先生!寝込みを襲うとは…具体的にどういうことですか…?」

「…矢追さん。あのね、光秀君は真っ向勝負じゃ織田さんに勝てないから、織田さんが無防備な寝ている時間に奇襲をかけただけで…君のその腐った妄想のようなことではありません!そして、勝てないと悟った織田さんは、本能寺に火を放って自害したの。」

 全く、どうして女の子ってホモが好きなのかな…?あくまで、一部の女子だけど…。

「他に質問ある人いる?」

 

 俺は、生徒たちを見渡す。みんな年は13、14歳…あたりまえか…。そうだよこれが、14歳だよ!王子君は、どう見たって幼稚園児だよ…!なんで王子君、14歳にこだわるんだろう?

 

 あれ?なんか、廊下の方から視線を感じる…?俺が教室の扉の方を見ると…。扉が少し開いていて、黒髪で青い瞳の男の子が…覗いている…。王子君…!?どうして、ここに!?

 俺が扉に目線が釘付けになっていると、生徒たちも王子君の存在に気が付いてしまった!!

「きゃあー!あの子だれ!?」

「可愛いー!!あの子、もしかして先生の子ですか?」

「えー。全然、似てないよー!!」

「どこから来たのー?」

「名前は?」

 ざわつく、教室!

「こら、みんな授業中だよ!静かにー!この子は、先生の知り合いの子で…みんな、ちょっと、静かに待ってて!」

 俺は、王子君のもとに駆け寄る。

「王子君、ダメじゃないか!勝手に保健室からでてきちゃ!南先生はどうしたの?」

「…ちょっと用事があるからって、出ていっちゃったの…。」

「えー!?ちょっと…南先生…。『私に任せて』って言ったじゃん…。でも、王子君がここへ来る必要ないでしょ?大人しく保健室に居ればいじゃん!」

「…さみしい。」

「そっか…。じゃあ、仕方ないな…。教室の奥に空いてる席があるから、そこに座ってようか?」

「…うん!」

「はい。みんな、お待たせー。静かに!この子は、先生が昨日の夜に見つけた迷子の子で、名前は王子君。保健医の南先生が戻ってくるまで、この教室で預かるからみんなよろしくね。あと、誰か王子君のこと知ってる人いない?近所で迷子の子がいるとか…聞いてない?」

「特には、聞いてないです…。」

「こんな可愛い子がいなくなったら、家族は血眼で探すでしょ!」

「王子君て、いくつなんですか?」

「えーと…。本人は、14歳って言ってるけど…5、6歳くらいだと思うよ。」

「えええー!?それどういうことですか?」

「瞳の色が青いから、外国の人かな?」

「ほら!みんな、静かにして!授業を再開するよー!」

 ざわつく教室!これじゃ授業にならないな…。


 その時、教室の扉が開いた。

「授業中に失礼します。星野先生、すみません…こちらに王子君、来てないですか?」

「南先生ー!どこ、行ってたんですか!?王子君、教室まで来ちゃって授業どころじゃなくなっちゃいましたよ…。」

「すみません。ママ友に子どもの着られなくなった服の処分に困っている方がいたの思い出して、王子君にと思ってもらいに行ってたんです…。私の子は、二人とも女の子なので…。この学校の近所の方だからすぐ戻って来られると思ったんですが…話に花が咲いてしまって…。本当にすみませんでした…!王子君、1人にして、さみしい思いさせて本当にごめんね…。」

「そうだったんですか…。すみません!理由も聞かずに先生を責めてしまって…。それから、わざわざ王子君のためにありがとうございます!王子君、昨日からずっと同じ服なんですよ…。俺、子ども服なんて持ってないので本当に助かります。」

「では、私はこれで。授業を中断させちゃって本当にすみませんでした!王子君、保健室に戻って着替えましょう。」



 

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