王子君と中学校
俺、星野洸は、天之川中学校の社会科教師であり、2年2組の担任でもある。
朝、校長に王子君のことを説明すると「学校に子どもを連れてくるにはどうなの?」って顔されたんで、王子君本人を校長室に連れて行ったら、速攻で今日一日、王子君を学校で預かることを了承してもらえた!可愛いは、正義だね!
「失礼します。」
保健室に入る俺と王子君。そこには、清潔感のある白衣姿で、黒髪のショートカットに優しそうな眼差しと、可愛らしい顔立ちでありながら、大人の落ち着きがある女性が…。
「あら、星野先生どうかしましたか?」
「南先生、すみません。今日一日、この子の面倒を見ていただけないでしょうか…?」
「まあ、可愛い子ですね…!先生のお子さんですか?」
「いいえ、違います。この子、迷子みたいで。昨晩、この子が外に一人でいたので俺が保護したんです。」
「そうなんですか。君、お名前は?私は保健医の南十子です。」
「…王子。」
「かっこいい名前だね!王子君はいくつ?」
「…14歳。」
だから、なんで嘘をつくんだ…?どう見たって幼稚園児くらいだろ!
「えええ!?…そうなの?」
「南先生、嘘なので聞き流してください…。それで、お願いできないでしょうか?校長には許可は得ているんですが…。」
「いいですよ。こんな可愛い子なら大歓迎です!それで、王子君の身元はまだわからないんですか?」
「はい…。帰りに警察署に行こうと思っています。ネットで尋ね人を調べてみましたが、それらしいのはなかったので…。」
「こんな可愛い子がいなくなったら、すぐにでもご家族が捜索願い出しそうですけどね…。」
「それじゃあ、王子君のことよろしくお願いします。王子君、南先生を困らせるようなことしちゃだめだよ。じゃあ、俺は授業があるのでこれで…。」
あれ?王子君は俺の上着の裾をつかんで離さない…。
「王子君、大丈夫だよ。また帰りに迎えに来るから良い子で待っててね。それと(小声)バ●スしちゃだめだよ。髪の色も変えちゃだめだよ。」
「…うん。」
王子君は、なんだか心細そうだけど…南先生なら大丈夫だろ。
「星野先生、後は私に任せてください。授業頑張ってください!」
「はい。ありがとうござます!」
あああー南先生、可愛いな…!南先生は、俺より少し年上で、もう結婚していて子どもも二人いる。たしか上の子は、もう小学生だっけ…。こんな奥さん、俺も欲しいっ!!