ヤクザのお巡りさん
やばいよ…犬のお巡りさんじゃなくて、ヤクザのお巡りさんだよ!拳銃の銃口が俺の方を向いている…!
「早く、その子をこっちへ渡せ…!」
「王子君!起きてー!!早く、滅びの呪文を…!」
「Z…。」
ダメだ…。完全に寝入っている…。
すると、交番へ誰かがやって来た!
「すみません、お巡りさん…。道をお尋ねしたいんだけど…。」
それは、近所のおばあちゃんだった!
「おばあちゃん、コイツお巡りさんじゃないよー!早く逃げてー!!」
「…あん?何だって…?ごめんね、あたし、耳が遠くって…。年は取りたくないねぇ…。」
「とにかく、早く逃げてー!!」
その時、ヤクザのお巡りさんがおばあちゃんの側へ…!殺るきか…!?
「…おばあちゃん、どこの道がわからないんですか?」
ヤクザのお巡りさんは、人が変わったようにめちゃくちゃ優しい口調で、おばあちゃんが聞き取りやすいように大きな声で話しかけた…!?
「あのね…。どうも、入れ歯の調子が悪くてねぇ…。それで、3丁目の歯医者さんに予約をとったんだけど、しばらく行ってなかったから、歯医者さんの場所がわからなくなちゃってねぇ…。年は取りたくないねぇ…。」
「そうなんですか。あそこの歯医者さんは、道が入り組んでてわかりづらいですよね…。俺が、おばあちゃんを歯医者さんまでお送りしますよ!」
「まぁ…いいのかい?ありがとう、お巡りさん。」
「いえいえ、これも仕事ですから!」
いや、あんたの本業はヤクザだろ!!ヤクザのお巡りさんは、俺の方を向くとまたあの怖そうなお兄さんに戻り…。
「…おい、お前ら、俺がこのおばあちゃんを歯医者さんに送って戻って来るまで、待ってろよ!」
「は、はい…。」
「俺は、おばあちゃん子なんだ…。お年寄りは、傷つけられないんだ…!」
何、その実は良い人設定…!?この人、顔が良いだけじゃなくて、性格も良いとか…!俺、完全にこの人に負けてんじゃねーか…。てか、お前、ム●カなのに、ロリコンじゃなくて熟女好きとかどういうこと…!シー●より、ドー●が好きなの…!?
「…いいか、絶対に逃げるなよ!ここで、待ってろ!」
そう言うと、ヤクザのお巡りさんは、おばあちゃんと一緒に行ってしまった…。ああー良かった。アイツ顔も性格も良いけど、頭は悪いみたいだ!手錠ぐらいしていけよ…。こんなの逃げろって言ってるようなもんじゃん。アイツが馬鹿で良かった…!
「Z…。」
王子君まだ寝てるし…。どうしよう…。本物のお巡りさんはどこ行っちゃたんだろう?早くしないと授業に間に合わないよ…。うーん。仕方ない…王子君も一緒に学校へ連れて行こう!