王子君の朝
俺は、王子君を背中におぶってアパートまで、全速力で逃げ帰った!
「はぁ…。生きて帰ってこれて良かったぁ…!王子君、さっきの君のあの光は何だったの?…王子君?」
背中におぶっている王子君から返事がない…。王子君を俺のベットの上におろす。王子君は寝ていた…。
髪はもとの黒髪に戻っていて、あの光も消えていた…。王子君は、白のワイシャツに黒の半ズボンをはいていて、足は裸足だった。本当にこの子は、何者なんだろう…?とりあえず、明日の朝、交番に行こう…Z。
うん…?テレビの音がする…。今、何時だ?目覚まし時計を見ると午前6時前…。俺の隣で寝ていた王子君がいない…!起きるの早っ!!
「…王子君、もう起きたの…って!その髪!?」
テレビを見ている王子君の髪の色はまた銀色になっていた!
「おはよう、洸!…そんなことより、洸、君はなんてことを…!め●ましジャンケンがまだ0ポイントじゃないか…!」
「え…?ああ俺、朝は『お●よう日本』なんだよ…。王子君は『め●ましテレビ』派だったのか…。」
「今週は、魚沼産コシヒカリが当たるんだよ!今日はもう、金曜日だよ…。もう無理だよ…。」
王子君ってやっぱり、ただの一般的な庶民の子なのかな…。いや、庶民の子が頭の色がころころ変わったりしないか…。もしかして、宇宙人か?
「魚沼産コシヒカリ…。」
「王子君、お米が好きなの?」
「うん。魚沼産コシヒカリ…。」
「ごめんね…。俺も、来週からめ●ましテレビに改宗するね…。いや、今日中には王子君をちゃんと、お家に帰らせてあげるから。自分のお家でジャンケンしてね!」
「魚沼産コシヒカリ…。」
「ごめんね…魚沼産コシヒカリは家にはないけど、朝ご飯作るね!」
だいたい、王子君ぐらいの年の子がお米の味の区別がつくのか…?
そして、朝食。
「お米だ…!いただきます。」
お茶碗に盛られたご飯を見て青い瞳を輝かせる王子君。どんだけ米好きなの…。
「このお米は、俺のおじいちゃんが作ったんだ。この米の銘柄はわかる?」
幼稚園児に食べただけで、米の銘柄を当てるなんて無理だろ…。
「大粒で、適度なツヤと粘り気と柔らかさ…口当たりのいい淡泊な味でどんな料理にも相性がいい…。これは『ひとめぼれ』だね!産地は…群馬かな?」
「合ってる…。確かに俺のじいちゃん群馬だよ…。米を食べただけで銘柄と産地を当てるとか、京●さんか!?」
「良いお米だね…。それに、洸のとぎ方も上手だよ!」
「そう?…えへへ、ありがとう。じゃなくて、そういえば、王子君俺のことなんで呼び捨てなの!?俺の方が年上だよね…!」
「…でも、僕は王子だから。」
「それは、君の名前が王子であって、身分は別に関係ないでしょ…。」
「…そうなの?」
まあ、とにかく交番に行って、お巡りさんに王子君のお家を探してもらってそれで、この子とはもうお別れだし…。呼び方なんてどうでもいいか…。




