プロローグ3 残念すぎた女神
本日最後の投稿です。
話を聞くために自称神様を部屋に入れてから話を聞くことにした。ちなみに俺の城は1DKで家賃は月93000円だ。駅は遠いが近くにスーパーなどがあり意外といい物件である。メディを部屋に招き入れてとりあえず何か飲むかを聞いてみることにした。
「そこらへんに適当に座っててください。あと何か飲みますか?」
「お構いなく。そうですねー。出来ればアールグレイの紅茶でお願いします。お茶請けはインペリアルクッキーがいいですねー。」
等といいながらTVをつけてくつろぎ始める女神様。なんて厚かましいんだろうか。ちなみにインペリアルクッキーは某ホテルのクッキーの事で庶民である俺にはお返しとかで買う以外縁がない物だ。
「アールグレイはありますけどインペリアルクッキーはないので普通の缶クッキーで我慢してください。」
と俺はアールグレイを入れて丸い缶のクッキーを皿に取り分けて運んでいく。女神様はソファーに寝転びながらTV番組をザッピングしている。まるで昼の主婦のように・・・それで良いのか女神様。もう威厳のHPは0よ。紅茶とクッキーをテーブルに置いて俺も座る。すると女神様はこちらを向いて座りなおして紅茶とクッキーを食べてから何処からともなく1冊の本を取り出し俺に渡してきた。
「とりあえずこれを読んでもらえますか?わからないことがありましたらその都度お答えします。」
というと再びソファーに寝転びTVを見始める。そんな女神を尻目に渡された本を見てみることにした。
「なになに・・・サルでも解かる異世界ニルバースの世界・・・」
若干馬鹿にされてるようなタイトルではあるがそこには触れないで置こう。早速読み始める。最初のページはニルバースの全体地図だろうか?昔の大陸が移動する前の地球とほぼ同じ地図がそこにはあった。
「まんま昔の地球だねー。」
そう思いながらページをめくる。次のページには種族について書いてあった。大まかに分けて4つの種族があるようだ。人・獣人・妖精・悪魔の4種族だ。人は俺と同じような感じで獣人は人ベースにケモ耳や尻尾などがある。妖精はファンタジーならではのエルフやドワーフ等だ。悪魔は吸血鬼やサキュパスなど人を陥れるのが好きな種族だ。そのほかにも色々と居るみたいだが勢力としては4種族がメインみたいだ。
「種族だけでもファンタジーって呼ばれる世界って解かるよなー。」
と呟きながら次のページに移る。次のページはニルバースの通貨と地球の通貨の比較だ。ニルバースの通貨は鉄・銅・黒銀・銀・白銀・金・白金・閃貨の8種類だ。円と比較すると
鉄貨 1ニューロ(1円)
銅貨 10ニューロ(10円)
黒銀貨 100ニューロ(100円)
銀貨 1000ニューロ(1000円)
白銀貨 10000ニューロ(10000円)
金貨 100000ニューロ(100000円)
白金貨 1000000ニューロ(1000000円)
閃貨 100000000ニューロ(100000000円)
となっていて鉄から白金まではそれぞれ10枚で次の単位に移行するが閃貨だけは白金貨100枚で1閃貨となっていた。
「5・50・500・5000円とかがない以外ほとんど変わらない感じなんだな。100万とか1億とかが1枚で済むのはいいな。そんなの子供銀行でしか見たことないな。」
次のページに移ると魔法とスキルについて書かれていた。異世界といったら魔法でしょ!?って言うくらい重要な内容のページに来た。
「いよいよ確信のページに来たな。なになに・・・・」
魔法とスキルのページを見ていくとどうやら魔法はMPさえあれば誰でも使えるということだった。(MPはモンスターが稀に落とす玉があるのでそれを使う事によりMP0の人も上限が強制的に引き上げられる)適正などは関係なくその属性の知識があれば使えるという事だ。現在確認されている魔法の種類は10種類。火・水・風・土・氷・雷・光・闇・支援・回復だ。基本4属性の火・水・風・土以外の6種は現地の人でも使える人は少なく珍しいという事だ。スキルの方は何も持っていない状態からでも使い続ける事によって身に付くという事だった。魔法とスキルにはLVが有りそのLVが上がると新たな魔法や技を覚えれるという事だった。LVは使い続ける事で熟練度が上がり一定の値でLVがあがるということらしい。熟練度の上昇は個人差があるようでどれくらい使えば上がるということは解からない。スキルの例題 剣術LV1で使える技 地を這う斬撃=波動剣か急激に方向を変えて斬る=カットイン等。魔法の例題 火魔法LV1=ファイアボールということだ。これらはLVが上がったら使い方が自動で知識として組み込まれるようだった。
「ふむふむ。適正などがないのは救いだな。なにせこっちじゃ魔法なんてないしな。スキルも練習すれば身に付くという所はこっちと変わらないって所だな。違うところはその技術のLVが上がれば技を閃くということかな。面白いな。魔法無双ということはなさそうだな。」
と素直に感想を口に出した。次のページに移るとステータス関連だった。ここは地球と一緒でLVUP以外だと走ったり筋トレしたりすれば上がっていくという事だった。ちなみに現地の大人一般人の平均ステータスは5ということだった。まあ平均だからピンキリだろうな。
「次で最後か最後はメディの言葉か・・・」
「ニルバースではモンスターや人の道を外れた外道などが普通に居ますので日々の命のやり取りも日常茶飯事。こちらの世界と違って命の値段は非常に安いです。そういった行為が苦手な方にはオススメできませんのでやめたほうがいいと思います。興味本位で行かれる事のない様にお願いいたします。全て自己責任でお願いします。」
という注意書きをを持って渡された本を読み終えた。読み終わると結構な時間が過ぎていてもう夜が明けようとしている時間だった。女神はソファーの上で涎をたらしながら寝ている。残念すぎる女神様だった。女神様を起こすと。
「おはようございます。朝は濃い目のミルクティーとクロワッサンでお願いします~」
というなんとも贅沢な朝食を要求してきたので叩いても良いかな?と思いつつやめて朝食を作ることにした。さすがにクロワッサンはない。食パンはあるので代わりにフレンチトーストを作りミルクティーと一緒に出した。あっ!あの女神ソファーに紅茶こぼしてやがる。しかもそれを知らないふりしやがった。
「さて全部お読みになったと思いますが何か質問はございますか?」
と何事もなかったように話を進めてくる女神様。ばっちり見てましたからね。
「ニルバースについては大体解かりました。生き物の殺生は慣れるということで問題ないと思います。」
生死が掛かってる状態で情けを持つという事は危険ということを心しておく。
「俺みたいな転移した人間が他にも居るのかという事と見るからに怪しい人間が街に入ったり出来るのかというのが気になりますね。」
「転移者は貴方の他にもいると思います。私の配下の神たちが転移させたというのではなくてニルバースの住人が呼び出しているという感じですね。どの種族も領土争いに必死ですから。街には入る事はできますよ。ただ最初はお金を支払ってもらう事になると思いますが。」
「そうですか・・・領土争いというと戦争まがいのことをやっているということですか?」
「比較的今は安定しているようですがいつ暴走するかわかりませんというのが今の状況です。」
と不穏な事を言われたが俺には転移でこっちに戻ってくる事もできるのでそれほど大きい問題ではないとおもう。有って良かった異世界帰還だね。
「別に参加しなくても問題はないんですよね?」
「そうですね。貴族にでもならない限りスルーでいいですね。」
「じゃあスルーすると言う事でいきます。それでですね転移の事なんですが。」
と俺は現状の説明を女神様に話すと大丈夫ですという事だった。
「では4日後にまた伺わせていただきます。」
「せっかくきていただいたのに申し訳ありません。そうだお金のことなんですが。今回は半分だけ渡すという事でもいいですか?信用していないわけではないのですが一応。」
「そうですね。それで構いません。」
と確認してから俺は自室に現金を取りに行く。戻ってくると女神様はそわそわしていた。そして女神様の目の前に半額現金を出すと女神様の目が¥¥にかわった。
「これでしばらくは働かなくても趣味に没頭できそう。」
等と聞き取り難い低い声でつぶやいている。女神様はお金を受け取るとそれを空間にしまいはじめた。
「それでは4日後にまたきます~♪」
女神様はご機嫌に今にもスキップを踏み出すような感じで俺の部屋を出て行った。俺はその後姿をただただ眺めているだけだった。
「さてと・・・仕事に行くか・・・」
女神様がいた場所の掃除を終えてから戦闘服に着替えて俺も家を出た。4日後の異世界転生に思いをはせながら。
読んでいただきありがとうございます。
2日更新で進めていけたらいいなと思っています。