依頼達成と帰還
洞穴から街に戻ってくると日が傾いていた。俺は守衛にギルド証を提示してその足ですぐにギルドに向かわず袋を求めて雑貨の売っている店に向かった。理由は俺のもっている収納バックから大量のものを出すと面倒くさい事になりそうだからだ。ニルバースにも収納バックは存在はしているが物凄く高価だ。バック1つ白金貨5枚とか言う値段だ。地球の金額にすると500万という値段となる。もうブランドバックも真っ青な値段だ。という理由からニルバースでもっとも一般的な麻の袋に詰め直してからギルドに向かおうと思っている。
この麻の袋は小さいものから大きいも物は地球の燃えるごみサイズまであり今回は最大サイズの20Lサイズを2枚ほど購入した。20L袋1つ銅貨2枚で合計4枚の出費だ。俺は袋を抱えてギルドの近くまで行ってから人気のない場所でバックの中から採取した薬草を全部取り出して麻袋に入れ替えた。丁度2枚で収まったのでそれを持ってギルドに向かう。
「草だと思って甘く見たな。結構な重量だ。まあもてない事はないからさっさと行こうか。」
と俺はギルドの扉を開けてカウンターに麻袋2つを乗せて依頼を終えたことを報告した。
「カイフクシ草を集めてきました。確認してください。」
「カイフクシ草の依頼ですね。こちらのほうで一応確認させていただきますので少々お待ちください。」
と言われたのでまっている間にまた依頼表を確認したりした。昨日見たのと変わりないものしかなかったので確認が終わるまで大人しく待つことにした。確認作業が終わったのは30分後だった。
「お待たせいたしました。確認したところ持って来てもらったカイフクシ草ですが、全部で500枚近くありましてそのうち73枚がゲドクシ草で77枚がドーク草で残り350枚がカイフクシ草でした。このゲドクシ草は常駐でもあるので大丈夫なんですがこちらのドーク草は危険なものなのでこちらで焼却しますがいかがいたしますか?」
「そうですね。持っていても使い道もなさそうなので焼却してください。それと見分け方ってあるんですか?今後の参考に教えてもらってもいいですか?」
と次回の為に今回とってきたものを使って教えてもらう事にした。
「そうですね。見た目は3つとも変わらないのですがこちらをご覧ください。こちらがカイフクシ草でこちらがゲドクシ草でこれがドーク草なんですが茎の部分をみると節の部分の色が3つとも違うというのがわかると思いますのでそこで見分けるんです。」
という説明をしてくれた。確かに節の部分の色が違っていた。カイフクシ草の節の色はなくそのままでゲドクシ草の節は黄色でドーク草の節の色は赤色だった。今度からはこれを目印に採取していこう。
「ありがとうございます。参考になりました。」
「それは良かったです。それでですねドーク草以外についてですが両方とも10束で1ポイントの計算ですのでカイフクシ草が350枚で35ポイントでゲドクシ草は73枚で7ポイントですので3枚は無駄になってしまいます。申し訳ありません。それで今回の獲得ポイントは42ポイントとなります。Eになるまでは残り58ポイントですので頑張ってください。そしてこちらが今回の採取での報酬になります。依頼報酬は両方とも1回黒銅貨5枚500ニューロですので42回分ということで21000ニューロになりますので白銀貨2枚と銀貨1枚です。ご確認ください。」
と目の前に白銀貨2枚と銀貨1枚を出してきたので受け取った。これで依頼のほうは終わったので次の用件に移る事にした。
「それともう1つあるんですけどここで出していいのかな?これなんですけど。」
と俺はバックの中から金の塊を取り出してカウンターに乗せる。すると対応してくれた人は少し驚いたような表情を浮かべてから確認させていただきますといい金の塊をもって後ろのほうに移動した。そして少ししてから戻ってきた。
「確認をしましたところこちらは間違いなく純金で重量は2kgありました。こちらの買取金額は900万ニューロで買い取らせてもらいますけどいかがいたしますか?」
「相場がわからないのでそれでいいです。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
というと再び後ろに金塊をもって行きしばらくするともどってきた。
「それでは白金貨9枚です。ご確認ください。それとですねこの金塊はどのように入手されたのですか?」
( まずいな・・・ここでサーチの事を話すと問題になりそうだし・・・さてどうするか・・・・王道の言い訳でいってみるか。)
「えーっとですねー。実は森の中で急に腹痛が襲ってきてですね・・・そこで穴を掘って用を足そう掘ったらそこにあったんですよ。他にもないかと思って更に掘ってみたんですがなかったのでおそらく誰かが隠したんじゃないんでしょうか?もしかしてこれも窃盗とかの犯罪になっちゃうんですか?」
と俺は不安そうに対応してくれている人に聞いてみる。
「いいえその心配はございません。もし誰かが隠したのであればその人にモア様が付けねらわれるだけで一切私達に害はないですし。それに隠してあったのなら見つけた人のものになっておりますので問題はありませんよ。」
「そうですか。それじゃあ失礼しますね。」
といって俺はギルドを後にして洞穴に向かうためにもう一度守衛のいる門まで行き冒険者証を見せて街の外に出た。
「さてと。依頼も終えたしそろそろ元の世界に戻ろうかな。」
と洞穴に向かって歩き出していく。道中アードウルフを見つけたので土魔法のアースバレット(改)で頭を狙って打ち抜いてみると見事にしとめることが出来た。倒したアードウルフは光のとなって消えてその場所にはいつものように結晶と珠が落ちていた。それを拾ってバックにしまってから再度洞穴に向かってあるきだした。
洞穴に到着するまで何回かアードウルフを遠くから狩ってその度に結晶と珠が落ちてくれた。どうやらオプションの影響で100%で結晶と珠が落ちてくれるようだ。これならLV上げも問題なさそうだ。
「確か帰る方法はたしか魔法陣を使うんだったよな。魔力を使って魔法陣を作らないといけないのとどれくらい魔力を使うんだろう?とりあえずステータスで今の状態を見てみるかな。」
名前 モア・アンドウ 男 25歳 冒険者F LV3(4/30)
HP 50 MP 134/206
力 12 体力 15/16 速さ 10 器用さ 11 運 9
「ふむ。MPがだいぶ減ってるな。これで間に合うだろうか?とりあえずやってみよう。」
とさっきの休憩のときに覚えた魔法陣を思い浮かべその形の通りに魔力を使って形成するとイメージどおりに魔法陣が足元に浮かび上がった。次に自分の部屋を思い浮かべると目の前が真っ白くなり目を閉じた。光が収まった感じがして目を開けてみると見覚えのある光景と友人の力雄が目に飛び込んできた。
「・・・・戻ってきたのか?」
と俺は呟くと目の前にいた力雄が開口一番
「モアえも~ん!」
といってきたのでとりあえず髪の毛をむしっておいた。どうやら無事に自分の部屋に帰ってきたようなので髪を毟られて転がりながら「髪が、髪がぁ~」と叫んでいる力雄を放置して2日風呂に入れなかったのですぐに風呂に入ったのだった。
読んでいただきありがとうございました。