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wonder horizon
wonder horizon
ハ、と目が覚めて起きました。
僕は今とても深い夢を見ていたような気がする。底のない海のような、永遠と続く穴を転げ落ちるような、思い出すのも憚れるくらいイヤな夢です。
どんな内容かは覚えていないけれども、頭に残った妙な言葉、「ワンダーホライズン」という言葉。なんだったろう。夢にでてきたモノの名前か、人がそう言ったのか、不確かだけれどもコレだけはハッキリ覚えていて。
ひとまず起きよう、起きてコーヒーでも飲めば頭もスッキリするというモノ、と僕、カーテンをジャッと開けて、ウワッと叫び。見下ろした風景、見慣れた町や人はいなく、辺り一面砂景色。遠くの地平線がユラユラ揺れて、アア、ココはまだ夢なのだろうか。布団に潜り、また目を閉じて眠ります。
次にカーテンを開けた時、見える景色は見慣れた町に違いないのです。ハ、と目を開け、起きあがります。カーテンを開けると見慣れた町で、車があって、人がいて。と、僕は思うのだけれども、そうに違いないのだけれども、さっきから握りしめたカーテンを、僕は開けるコトができない。