第九話 欠席
5月中旬
下校時間、俺は久しぶりに俺の団地に行った。7棟の405号室の前
ピンポン ピンポン
シーン
誰もいない。勝手に上がりふすまを開け俺の部屋に入ると千鶴が蒲団を敷いて寝ていたのだ。
「千鶴、お前具合悪いのか?」
「ええ、腰が重くて生理痛みたいな! あなた何とも無い?」
「何とも無いよ」
「よく、聞いてよ! あなたもうすぐしたら生理がくるのよ! いつか下着入れの引き出しにピンクの花柄ポーチが入っているの思い出した。そのポーチにナプキンが入ってわ、生理前に使うのよ。生理が来てからじゃ遅いわパンツ汚しちゃうから。使い方はポーチの中に入ってから。パンツ汚したらすぐ洗濯してちょうだい。それと使用済みのナプキンはトイレの隅にある汚物入れに入れてよ!」
「わかったて!」
「ちょっとおしっこ!」
千鶴は重い腰を上げ布団から出てトイレへ
「あっ! 千鶴、パジャマのズボンが後ろ前だぞ」
お尻のほうに前ボタンがあるほうに穿いている。
ジャー カサカサ ガチャ!
千鶴は布団にもぐった。
「生理痛大丈夫か?」
「ええ」
「俺、帰るから大事にしとけよ」
「あたしは大丈夫だけど、生理はあなたがなるのよ」
学校の朝のホームルーム
「上野さん!」
「はい!」
「小川さん!」
「…」
「小川千鶴さん! 休みなの?」
千鶴が
「先生! 小川さん具合が悪くて休むと連絡ありました」
「あっ、そう」
千鶴の家
今度は一夫が生理痛で千鶴のベッドで寝込んでいる。(千鶴と同じ、腰が重てえや)
寝返りがうちにくいのだ。横向きしたら、アニメキャラクターの枕カバーがヨダレで汚れてしまった。
ガチャン
千佳お姉さんが千鶴の部屋に入ってきた。
「千鶴! 具合どお?」
「腰が重くて重くて」
「千鶴ったら、生理痛なんかで休んじゃって」
ベッドの布団を掛け直して
「学校では何とも無い顔するのよ、生理なんて顔してたら男子がからかうんだから」
「あたしが生理痛に効く紅茶持ってくるから」
一夫は布団をめくりベッドから体を起こした。
ズウッー ツウー
姉が持ってきたお茶を飲んでベッドに横になった
いつの間にか熟睡していた。