第八話 身体検査
朝、野口との取っ組み合いの喧嘩で顔を絆創膏だらけで家に帰ってきた一夫
「ただいま」
「あら、千鶴なんていう顔なの? 絆創膏だらけで」
「ちょっとな…」
「あなたはもう女の子なんだら」
俺は女の子が嫌で仕方なった。千鶴のお袋から「女の子だから」と文句は言われるし、体は清潔にしなればならないし、パンツは毎日穿き替えなきゃならないし、長い髪をブラッシングしパンツ一丁で過ごすわけにはいかないし、月に一度くるあれの始末も面倒くさそう。とにかく女の子というものは面倒なモノだ。俺は元の男の子に戻りたい。
翌朝、学校に着くなり大場先生が
「小川さん、斉藤君! 校長室に来なさい」
(校長室? 俺達悪い事したっけ?)
大場先生に連れられ校長室へ
コンコン!
「大場教諭! 入ります!」
「入りなさい」
「失礼します! 二人連れて来ました」
「ご苦労! 今、緑ヶ丘警察署の刑事が来られているんだ」
「警察!?」
(けいさつ! 俺達…)
刑事が警察手帳を見せ
「昨日、学校周辺に不審人物がうずくまってるところを職務質問し窃盗容疑で緊急逮捕しました」
もう一人の刑事が容疑者の写真を見せたら
「あっ! 昨日の気持ち悪い油虫の兄ちゃんだわ」
「この人、知ってるの?」
「油虫、あたし達を追いかけ回してわ」
「詳しく話してくれないかな…」
警察の事情聴取も終わり、校長室を出た。
「まさか、あの油虫が下着泥棒だったとは知らなかったなあ」
「あっ! 午後から身体検査だ」
給食後、身体検査のため体操服に着替えた。俺は女子更衣室に初めて入った。女子達が下着一丁でスッポンポンになって興奮し、丸首袖口のエンジカラーの白い半袖の女子用体操服を着てブルマに足を通し穿いたら太ももがゴムで締め付けられ気持ち悪い感じだった。男子は教室で着替え、千鶴は一夫のランニングシャツと白の短パンを着ようとしていた。男子達の教室の中で裸でふざけあったり、走り回っている。上半身裸の男子が千鶴の前を横切ると「きゃあ!」
目を背けた。
着替えが終わり保健室で男女別に検査を受ける。2組の番が来て先に男子が保健室へ、ランニングシャツ姿の千鶴は腕で胸を隠して背中を丸めながら男子達と一緒に出ていった。
(男なんだから胸を張ればいいのに)
女子の番が来て、俺達女子は保健室に入った。半袖シャツを脱いでブラとブルマ一丁になった。最後にバスト測定でブラを外しおっぱいが露になった。メジャーでおっぱいの下の所に廻し「68センチ」
大場先生が記録している。「はい、次!」
「千鶴、バスト大きくなったじゃん! 大人になったら巨乳じゃん!」
「いやだ!」
喋りながら保健室を出た。教室に入るやいなや千鶴がバシッ!
「一夫のバカッ! 胸…」
俺はなんと体操服を着ないで胸を露にして廊下を歩いていたのだ。