第五話 朝
チュン チュン
夜が明け朝を迎えた。
グウゥー グウゥー スースー
千鶴のベッドで爆睡している一夫は、朝まだ寒いせいか布団に巻き付いている。グウゥー グウゥー バタン
ベッドから転げ落ち
「痛ててて!」
一夫は目が覚め、周りをみると千鶴の部屋だった。
起き上がり、パジャマの上着を脱いで上半身裸のまま鏡台の鏡を見ると千鶴の顔と小さな胸を露にした裸の姿に
(夢じゃないのかよ…)
とがっくりした気分になった。俺は気を取り直して昨日着てたピンクのキャラプリントのトレーナーを着ようとしたら
コッツ コッツ コッツ
誰かが窓を叩く音、小さな声が聞こえる
「あたし、あたしよ 千鶴よ」
窓を開けると長袖のスポーツシャツにジーンズの半ズボン姿で黒のランドセルを背負っている千鶴がいた。
「何だよ、朝早くから」
「あんたの花柄の手提げバッグ持ってきたの」
「サンキュ! いいから早く上がれよ」
千鶴が自分の部屋に入るなり。
「いきなり、トレーナーなんか着ちゃって、丸見えじゃないブラつけてよ!」
俺が鏡台の下着の入った引き出しからブラジャーを出すとピンクの花柄のポーチが飛び出してきた。
「何、これ?」
バシッ
いきなり千鶴が平手打ちした。
「何よ! エッチ見ないでよあんたには関係ないでしょ! 早くブラジャー付けてよ」
俺がブラジャーの付け方がわからず、千鶴に付けてもらうことに
「あたしが付けてあげるから、ブラジャーの付け方ぐらい覚えてよ! 胸見ちゃだめ上向いてて」
千鶴はブラの肩紐を一夫の両腕から通し背中のホックを留めてあげた。
ガチャン
「千鶴! 起きたの? …斉藤君、あなたっていう子は朝から女の子の部屋に忍び込んで、千鶴! 男の子を部屋に入れさせるじゃありません、布団はぐちゃぐちゃでベッドを整頓するんですよ!」
バタン!
「ああっ ああっん ううっ うわあああん うわあああん」
千鶴は自分のベッドに顔を埋め泣き叫んだ。
「おい、泣くなよ」
「あんたがいけないのよ、昨日あんたに会ったばかりにこんな事に…うわあああん」
ボコッ!
「バカヤロウ! いい加減にしろ!」
俺は千鶴をぶん殴った、千鶴は殴られたはずみでベッドに倒れこんだ。
「ううっ ううっ ああたし死にたくなったわ…」
「バカッ! お前が死んだら俺、どうちまうだよ!?」
「あなたもあたしの体大事にしてよね、それよりパンツ穿き替えたの?」
「ううん」
「もう! パンツぐらい穿き替えてよ、パンツ黄ばんでるじゃない。紙で拭いての?」
花柄パンツの股の部分がおしっこで黄ばんでいた。
千鶴が鏡台の下着入れの引き出しから替えの花柄パンツを出して一夫に渡した。
「ほらっ!」
「あっち向いてろよ!」
恥ずかしながらパンツを穿き替えた。
「穿き替えたパンツをそこに脱ぎ捨てないでね」
脱ぎ捨てたパンツを持って股の部分を嗅いだらおしっこ臭いのなんの
「いやっ! もうパンツ嗅がないで!」
「千鶴! 支度できたの? 学校遅れるわ」
「ママがくるわ」
「千鶴、まずい外に出ろ、後でな」
「わかったわ」
千鶴は窓から出た。
急いでジーンズを穿いて、赤のランドセルを持ってダイニングへ