第十四話 あいつが自殺
一夫は捻挫し、一晩中痛みが疼き眠れなくなった。
朝、一夫は午前中に整形外科を受診した。
レントゲン写真を見て
「幸い骨折はないですね」
処置室で痛み止めの注射と湿布の貼り替えをした。足首を見たら見事に青じんでいた。いかにも痛そうだ。
鎮痛剤と湿布を貰って、一日中千鶴のベッドで寝ていた。
翌朝、痛みが退いて学校へ赤のランドセルを背負って体操服袋を持って。
「行ってきます!」
「千鶴、大丈夫! 無理しないで体育休みなさい!」
体操服袋をお袋に預けた。少しびっこひきながら登校した。
六年二組の教室
「おはよう!」
「千鶴! 痛そう大丈夫!」
「大丈夫よ」
明美が
「千鶴さん、一昨日来てくれてありがとう。捻挫大丈夫?」
「幸い骨折れてなくて、昨日あたしのベッドで寝ていたわ」
「そう!」
「ところであなたの千鶴さん二週間も休んでるわ、行ってみてわ」
そう言えば千鶴のやつ二週間も休んでる。
下校時間
俺は千鶴の所へ行く事に
俺の団地の前にびっこひきながら四階の405号室
ガチャン
鉄製のドアを開けると誰もいなかった。
俺の部屋に千鶴がいる。
「あっ! 一夫君会いたかった! ううっ」
「二週間も学校来てないから心配したぞ! 良かった元気にして」
千鶴が俺の足首を見て
「あっ、一夫君、あたしの足首包帯まいてどうしたの?」
「捻挫したんだ」
「大丈夫! あたしの体なんだから」
「わかった」
「あのね、あたし家族、正月前に九州に引っ越すの」
「えっ! まじかよ」
(もし、戻れなかったら…)
俺は覚悟を決めなきゃならない、千鶴もだ。
「あなたは小川千鶴になるのね。将来、何になるの? 立派なお嫁さんね」
「お前は、斉藤一夫という男の子だ」
「ええ、立っておしっこの練習しないとね」
「俺は女の子に慣れた。体は清潔にしているし、パンツも毎日穿き替えてるし、月に一度のあれも」
「ねえ、一夫君」
「何?」
「最後にあたしのカラダ見せて?」
俺のブレザーのボタンを外し、チェックのブラウスのスナップを丁寧に外して、ブラをした裸が露になった。ブラのフロントホックを外すと小さなおっぱいに千鶴が顔を埋めて
「あたしの体だわ、カラダ!さようならあたしのおっぱい! あたしのおっぱい! ううっ」
俺は服を着直した。
「あたしの家に帰りたいの、ママやお姉ちゃんに会いたいわ、でなきゃあたし、死ぬわ!」
「おいおい、待てよ! お前が死んだら俺、どうすんるんだよ?」
「ううっ うわあああん!」
千鶴は外へ飛び出した。
「おい、待てよ!」
俺も千鶴の後を追った。