第十二話 明美さん
夏休みももうすぐ終わりに近づき、俺は宿題の山に部屋から一歩も出られない状態だった。千鶴はすでに宿題が終わりご褒美に家族旅行に出掛けてる。
千鶴が旅行から帰ってきてお土産を貰った。
「旅行、楽しかったかい?」
「うん、楽しかったわ。あなたの父と母、優しいのね」
「うちのママは?」
「優しいどころか、文句ばかり、嫌んなちゃうよ」
二学期の始業式
クラスのみんなは日に焼けて真っ黒になっている。一夫は徹夜まで宿題を片付けたせいで目がとろんとしている。
ガラッツ
「起立! 礼! お早うございます!」
「おはよう! みんな! よかったみんな全員元気な顔見れて! 無事事故も無く、全員二学期を迎えて嬉しいです。夏休みボケを一掃し、勉強やスポーツにいい季節になりました。頑張っていきましょね」
「はい!」
「じゃあ! 後ろから夏休みの宿題のプリント集めてきて下さい」
下校時間
福田達、クラス悪ガキどもがなにか企んでいる。
千鶴がキョロキョロして男子便所に入った。
「おい、一夫のヤツ、ウンの所に入ったぜ!」
「よし、一夫のヤツ、チンポコがあるかどうか確かめようぜ!」
ジャーッ カチャン バタン
千鶴は手を洗っている所に福田達、数人が取り囲んだ「おい、一夫! おめえ立ちションもできなえのかよ?」
「何よ! もうあっち行ってよ!」
「オカマみたいなしゃべり方してよ」
「チンポコついてのかよ?」
「もう、何よやめて!」
千鶴を個室に押し込み
「おい、入り口に見張りしろ」
「いやあ! やめて! きゃあ」
バタン! カチャン
悪ガキどもが千鶴のズボンを脱がし始めた。
「きゃあー いやー! やめてやめて」
千鶴は足をバタバタし抵抗した。
ついにブリーフをずらし、下半身を露にした。
「なんだ付いてるじゃん、一夫はやっぱ男か。面白いないな! 行こうぜ!」
バタン ゾロゾロ
「うっうう ううー ううー ああっあああん…」
千鶴の泣き声が男子便所にこだました。
翌日の朝のホームルームの時間
「斉藤君!」
「…」
「斉藤一夫! 返事しなさい」
一夫の同じ団地に住む女の子が
「斉藤君、具合が悪くて休むって斉藤君のお母さんが言いました」
「あっ! そう。後で連絡するわありがとう」
昼休み
福田が俺に
「小川、斉藤のヤツをボーイフレンドにするなよ」
「何で?」
「だってよ、あいつよヘナヘナしてよ、夏祭りの肝試し時、幽霊に扮した兄ちゃんに抱きついたらよ一夫のヤツ気絶してションベンもらしてがる」
「ふーん!」
「それからよ、面白い事見つけたんだよ、一夫のヤツ男のくせに立ちションできねえだせ笑ちゃうよな」
「だから…」
俺は福田の言う事に腹が立ってきた。
「立ちションできねえからウンの所でするんだぜ。一夫のヤツチンポコを落としまちまったから、俺達、一夫をカイボウしたんだ。一夫のヤツが女みたいにキャアキャアいって泣いて、パンツ脱いだらあるんだぜ」
俺はムカッときた
「だから…てめえ貴様あ〜」
立ち上がり、福田のズボンをずり下ろし、下半身スッポンポンにした。女子達が
「きゃあー!」
「てめえ! やって事がわかねえのかよ! 教えてやるから覚えとけよ!」
福田の尻を思いっきり蹴飛ばした。
「痛てえよう〜」
「どうだ参ったか?」
「小川さん、もう止めたら」
「許してやらあ! 二度とするなよ」
「なんや! 男オンナ! 一夫のチンポコ貰っとけ!」
福田は捨て台詞を吐き、逃げた。
パチパチ パチパチ
教室中の女子達から拍手が起こった。
「千鶴、強いじゃん! 福田っていやな男よ」
「小川さんやったね! あたし、福田からトイレ覗かれたもん、せいせいしたわ」
一夫は女子から英雄みたいに扱われた。
翌日も千鶴は欠席しているのだ。俺も気になってしょうがない。ションボリしている俺に
「あなた、本当は斉藤一夫君でしょ」
女の子が声をかけてきた。髪がショートカットでボーイシュな感じでスポーツシャツにハーフパンツを穿いている。
「ううん、あたし小川千鶴よ」
「うそおっしゃい! あなた本当は斉藤一夫君。あたしの名前は川上明美よ。新しいクラスになってから二人が気になって…」
「誰も信じてくれない。俺は小川千鶴で通している。だから、俺は小川千鶴だ」
「でも、戻りたいでしょ! いいわ、あなた日曜日にあたしの家に来ない? ゆっくり話し合いましょ」
今度の日曜日に川上明美の家に