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幼なじみ  作者: 柴犬
11/15

第十一話 夏休み

一学期の終業式

ミーン ミーン ミーン

暑い夏真っ盛り、セミの鳴き声が一段とうるさい中、6年2組の教室は通知表を配っている。大場先生が

「斉藤一夫君!」

「はい!」

「斉藤君、よく頑張りました。この調子で二学期頑張りしょう」

女子の番

「小川千鶴さん!」

「はあい」

「小川さん、五年生の時より悪くなってじゃない! まあ体育だけは、ずば抜けていいが、夏休みは一学期の復習しっかりやりなさい」

「加藤厚子さん」

「明日から夏休みです。夏休みだからいって遊び呆けないこと。一学期の復習をしたり、二学期の予習、自分がやりたい事を見つけ計画的に充実した夏休みを過ごして下さい。二学期の始業式にはみんな全員事故のない事を祈り、この教室で会いましょう!」

「起立、礼!」

「元気に会いましょう!」

「わー わー 夏休みだ! やったー!!」

一夫と千鶴が一緒に帰りながら

「おい、千鶴! 通知表を見せてみろよ!」

「いやよ!」

無理矢理、千鶴から通知表を取り上げ

「わっ! 体育以外オール5じゃん!」

「じゃ、あなたの見せてよ」「何でだよ!」

「あたしの見たじゃん」

千鶴も一夫から無理矢理取り上げ

「何よこれ、いやだ体育以外1と2ばかり、あんた、ママに怒られるわ覚悟しなさいよね」

帰る足が重くなってきた。

8月の初め、千鶴の家

千鶴の部屋でつくろぐ一夫は肩紐のピンクのワンピースで大股を広げ白のパンツを見せて千鶴のベッドで昼寝している。

ガチャン

「千鶴! ゴロゴロしないで夏休みの宿題したの? 間際になって慌ても知りませんからね! もうすぐあなたの誕生日ですからね」

「お おれの誕生日?」

「あなた、忘れたの? あなたの誕生日は8月6日でしょ」

一夫はベッドから起き上がり、ベッドに座り直した。「千鶴、誕生日の日に宏君が遊びにくるわよ」

「ひ ひろしって誰だよ!」

「忘れたの? 栃木の田舎に遊びに行った時、一緒に遊んだ同じ年のいとこよ」

「ふーん!」

千鶴の誕生日

一夫はひまわり柄の白の半袖ワンピースを着て母に長い髪をブラッシングしてもらい。宏を緑ヶ丘駅に迎え行った。

千鶴は門の所に隠れいた。千鶴の服装は白の半袖ポロシャツにジーンズの半袖を着ていた。

「行ってきます」

ひまわり柄のワンピース姿で出てきた一夫に

「一夫君、宏君が来るでしょ! 宏君には気をつけてよ」

「宏ってヤツ初めだな、どんなヤツだ」

「見た目はハンサムで頭がよくて真面目だわ、でもスケベな所があるのよ、栃木の田舎であたしが用足して所を覗く癖があるのよ」

「いやらしいヤツだな」

緑ヶ丘駅の改札

「あっ! 千鶴ちゃん、待った!」

「ううん」

千鶴と同じくらい背が高く、顔はイケメンで有名メーカーの入ったメッシュのスポーツシャツにハーフパンツを穿いて一夫とは対照的な男の子である。

駅のコンコースを出て

「あたしの家、来ない?」

「行く行く」

「ただいま!」

「おかえり、あっ! 宏君いっらしゃい」

「おじゃまします」

リビングに案内され

「どうぞ、お掛けになって、コーヒー持ってくるわ」

「おれ、トイレいってくる」

トイレへ行くふりして実は千鶴の部屋に忍び込もうとしているのだ。

ギィィィーツ

ドアをそっと開け

(わっ! 女の子の匂いだ)

キョロキョロしながら、ベッドの上にあるパジャマのズボンの股の所を嗅ぎ、ついに鏡台の下着入れの引き出しを開け、千鶴のパンツを一枚失敬した。千鶴の部屋の窓から一部始終見てた千鶴は

(いやだもう、宏君ったら、あたしの下着取って!)

コーヒーとケーキを持ってきて

「宏君は?」

「トイレ」

宏がリビングに入ってきて「宏君、コーヒーとケーキ御上がりなさい」

「いただきます」

「宏君っていい男の子だわ、千鶴と同じ学校のクラスの斉藤君と大違い! 千鶴にまとわりついて女の子みたいにヨナヨナして、ボーイフレンドにするなら宏君みたいな男の子にしなさい」

俺はムッとした。

(俺の悪口言いやがって)

「あたし、トイレ!」

玄関を通ったら

「一夫君、一夫君って」

俺を玄関から千鶴が呼んでいる

「なんだよ!」

「ちょっと来て!」

俺のワンピースの裾を掴んで玄関の外へ

「ななんだよ ひっぱるなよ」

「あたしの部屋の窓から様子見てたのよ、そしたら宏君ったら、見てないと思って鏡台の引き出しからあたしのパンツ取ったのよ。もう宏ったら、気持ち悪くて」

「何、宏! あのやろう」

俺はぶん殴ってやろかと思った。

「よし、ギャフンと言わせてやる」

「暴力はやめてよ」

「いい事がある、俺に任せろ」

俺はトイレに入った。ドアに鍵をかけずに、

ミシッ ミシッ ミシッ

誰かがトイレに近づく足音

(宏のやろうだな)

ワンピースを捲ってパンツをずり下ろし、便器にしゃがんだ。

ガチャン

「あっ! 千鶴ちゃんのおしりだ、おしっこしてるの?」

「てめえ、このスケベ野郎が」

ワレメちゃんを晒して足に蹴りを入れた。

「ああっ! 痛いーっ!!」

トイレで騒ぎを聞いた母と千佳姉ちゃんが来て

「何の騒ぎなの?」

「宏君?」

足を蹴っ飛ばされ

「痛い 痛い」

「宏の野郎が便所覗きやがって、おまけに俺の部屋に忍び込んでパンツまで取りやがった」

「まあっ! 本当なの?」

「おい、ズボンのポケットのもの見せろよ!」

宏がもじもじしていると

「こら、早く出せよ」

「すいませんでした…」

泣きながら観念し、ズボンから千鶴の花柄パンツと千佳のレースの黒いショーツが出てきた。

「まあっ! あなたという人はそんな子とは思わなかったわ! もう帰ってちょうだい。二度と家に来ないでちょうだい!」

「千鶴もこんな子と付き合うのよしなさい」

宏はトボトボと千鶴の家から出ていった。

「宏って男は裏表のある人間だと思わなかったなあ」

「だから、言ったでしょ気をつけなさいって」

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