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"キョウ"運異世界創造誌  作者: up down
第2章 学園編1 揺れ動く1年生
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第七八話 対公国戦〜決着(?)〜

《三人称》

 北軍および南軍は、それぞれの山脈の両側に陣取った。この時点で戦力が二分されてしまうため、公国戦はかなり多くの兵を消費することとなる。

 基本斥候を放とうにも時間が足りないため、どうしても両方向に人員を配置せざるを得ないのだ。


 そのため、帝国との戦いもある今回はかなり兵力が削られていた。もはや王国内に攻め込まれなければそれで良いという程度の人数になっている。

 なお、南側にはギルド地区があるが、ギルドは戦争には基本不干渉なため、頼りにはならない。


 さて、こちらは北側の軍である。すでに陣が敷かれ、あとは敵を待つだけになっていた。


 そして、フルプルートを身につけた軍人たちがテントの中で会議をしていた。

 みな、子爵以上のそこそこな大きさの貴族であるとともに、歴戦の猛者でもある。


「きませんな……当初の報告をもとにすればこちら側ならそろそろきてもおかしくはないのですが……」


「うーむ。これは南側に行ったと見るべきか……」


「そうですな。ここはかなり険しいのでこちらの裏をかこうとするときにしか来ませんからな。まったく、面倒なことだ。」


「しかし妙ですな。確か最後の斥候の報告によればかなりしっかりとした武装をしていたはずなのだが。

 北側に来る可能性が高いと踏んでこちらの人員を当初より増やしたのは間違いであったのかもしれん。」


「まさかそれを含めた陽動か?そのような高等な策は帝国軍は使わないはずですぞ。」


「うーむ……」×多


「しかし、来ないなら一部の兵を南へと出しては?向こうで時間がかかっている場合もあります。こちらの資源には余裕があるのですし、当初の量に戻すぐらいはしても問題ないでしょう。」


「おお、それは名案ですな。早速そうしましょう。部隊の編成はいかがいたしますか?」


「ふむ……そうであるな……」


 そうして、500の兵が救援として南に差し向けられた。


〜〜〜


 こちらは、ところ変わって南軍である。大佐アーリズムは見通しの良い丘から公国の方を見ていた。


「こないな……」


「はっ。ここ数日見張っておりますが敵影はありません。」


「うーむ。謎だな……」


***


「ホルケイル殿、未だ敵影は現れません。これは北側にいったと見るべきでは?」


「うーむ。どうやら見誤ったようだな。あの武装はやはり北ルートを通るためのものだったか……」


「では、今からでも北へ向かいますか?」


「いや、たまたま行軍が遅かっただけということも考えられる。

 そうだな……兵を500ほど連れて北側へ向かわせよ。将にはアーリズム、お前を任命する。」


「はっ!承知いたしました。」


 なお、仲良く話しているように聞こえるが、ホルケイル大将とアーリズム大佐の仲は険悪で有名である。

 こことあくまで上司と部下であるからこのように接しているだけである……はずだった。


 ところが、何故かこの行軍ではアーリズム大佐に対してホルケイル大将がかなり気を配っているのだ。

 何か裏があるのかと勘繰ったものの、それらしき形跡がないことから、何かしら心境の変化があったらしい。

 まあ、何はともあれアーリズム大佐の中でホルケイル大将に対する評価が何段か上がったのは間違いなかった。


 そして、彼また500の兵を引き連れて北へと向ったのである。




 今回の戦いの勝敗を分けたのは、おそらくその策謀の違いだろう。相手をどれだけ出し抜けるかという意味で、想定外の動きをした方が有利なのである。


 それは、決着後の()()()()()()()()を見ればよく分かる。

 リートロドル王国は、軍を三手に分けた。ただでさえ帝国によって軍の規模を割かれているのだから、これは悪手ともいえよう。

 だが、それは必ず勝てるという勝算があったから行われたのだ。実際、公国がそう程度通りに動いていれば、勝てたはずである。


 しかし、相手が想定通りに動かないのが戦争というものである。

 実際には、公国は思いもよらぬ動きをした。それがこの帝国の侵略という大勢に影響したのかと問われれば疑問が残るが、それでも、王国のねらいをくじくのには十分だっただろう。



 ーなぜなら、対公国戦だけを見れば公国の勝利と言えるからである。

【次回予告】

その時、何があったのか


次回 対公国戦〜決着〜


【〜おわりに〜】

 今日も「キョウ運」をお読みいただきましてありがとうございます。


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次回更新は7月19日金曜日です。

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