第八話 狩りの結果
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「そろそろ終わりでいい?僕もう帰りたいんだけど。」
ロックはもうスタミナが無くなっている。これ以上は戦えないだろう。
「う、うぬぬ。」
騎帝だからそこらへんのやつよりは強いだろうけど、相手が悪かったんだよ。諦めな。はーっはははは。(完全に悪役ポジ)
「で、降参でいい?」
「まだだ!またこんどたおすからな!」
そういえばこいつ負けず嫌いだった。なかなか負けないから忘れてたけど。ジャンケンとかで負けるといつも何かいちゃもんつけてくるんだよなぁ。
……彼らは2人とも5歳児である。クルトはともかく、ロックも5歳児である。それでここまでの動きができるというのはやはり騎帝はすごいのだが……
そうして僕はなぜかロックの特訓相手となってしまい、話を聞いた村で1番強い「剣士 レベル60」と相手をすることとなった。もちろん僕の方が強いのはいうまでもない。
なお、レベル60というのは結構ガチでレベリングしないと到達できなかったりする。いや、なんでこんな辺鄙な開拓村にいるんだよ……
あ、そうそう。勝った後にベーコンをご馳走してくれた。なんでも良く獲物を取るから自然と料理が上手くなっていくらしい。
いや〜。おいしーい。いい人だなぁ。
しかしそれにより、僕の評判が広まってしまったのだった。
さて、今日は罠の状況を確認する日である。
近くの森には魔物が多く住んでおり、奥へ行くほど強い魔物がいる。この先は未開地帯なので最奥がどうなっているのかはわからない。
が、かなり強い魔物があると噂されている。近くには帰らずの洞窟と呼ばれているところもあり、入って帰ってきたものはいないと言う。
今日は罠で採れた獲物を初めて採る日なのでそれなりの魔物が欲しい。
そう思って歩いていると、ふいに気配を感じた。横を見ると、鹿がいる。
鑑定結果
【分類】 魔物
【種族】 レッドディア
【名前】 なし
【状態】 憤怒
…
怒ってる
怒ってるよ
めっちゃ赤いよ
突進してきたよ
ということで、テッテレー。催涙スプレ〜
塩酸をぶっかけるだけというお手軽使用。もちろん反応しないように炭素性の容器だ。いやー、らくらく。もちろんかけられた相手は火傷する。
わかるよ。酸で溶かされるのって辛いよね。僕も前世で味わったことがあるよ。
獲物を手に入れることができて、ホクホク顔である。手に入れたものは収納に入れる。そのほか罠を確認し、レッドディアの下位互換であるピンクディアや人喰いラビットなどを撮って帰ってきた。を倒して持って帰る。
結果、村人たちに怒られた。
いや、確かに危なかったけど!怪我してないからいいじゃん!それなりに強いの持ってきたけどさ!
実はこの魔物たちかなり強くピンクディアレベルがCランク、レッドディアレベルがBランクなのらしい。どうりでみんな森にはあまり行かないわけだ。
山菜とかは美味しいんだけどね。ちなみに僕はセリが好物である。揚げて塩振って食べるとほぼ無限に食べられる。お腹にたまらないからね。
さてさて、この大量の魔物のうち村で食べきれない分行商人に売ったのだが、それが原因でこの村の噂が領都に広まる。
だが、それは別の話である。
なお、私は酸で溶かされた経験はありません。
【〜おわりに〜】
今日も「キョウ運」をお読みいただきましてありがとうございます。
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次回更新は12月20日水曜日です。