第六三話 ピッキーの性能
次の日。
エリンがピッキーを見て開口一番。
「か、可愛い……」
あ、悶絶した。
「こんニャのがいるニャんて世界は広いニャ……」
サラも意識が飛びかけている。
あげないからね。この子はうちの子やで!
「まったく……何をしているんですか……」
ヨーガンは耐性(?)があるようだ。
「面白イ奴ダ。俺ト似タ気配ヲ感ジル。同ジモノニヨッテ作ラレタノダロウ。」
ふーん。そうなんだ。
「どうでもいいけど早く飯食おーぜ。」
ロックも気にしていないようだ。
「何言ってるのよ!こんな可愛い子ほっとけるわけないでしょ!」
エリンが突っかかる。
後ろではサラもうんうんと頷いていた。
「まあ、とりあえずご飯にしましょうよ。」
埒が開かないので一旦ピッキーをこっちに引き寄せる。
エリンとサラが絶望したような目をしていたが、知ったこっちゃない。だってピッキーは僕の木だからね。
食事中、エリンとサラがひっきりなしに僕の方を見てくる。理由は簡単。頭の上にピッキーがいるからである。
植物らしく、肥料と水がご飯らしい。
肥料は窒素系のものがいいとナビさんが言っていたのでサクッと作って与えておいた。ちゃんと美味しい味、美味しそうな見た目にしている。
いや〜、可愛いな。うん。僕もあっち側の人間なのかもしれない。
……エリンとサラの視線がやや殺気を伴っているような気がする。まさかね。流石にリーダーを殺すような人ではないだろう。うん。そのはずだ。
気を取り直して今日も探索である。この島には様々な動物がいる。言い換えればどのような動物もいるということだ。すなわち、この島の動物全てを倒せるのなら、どんな相手でも倒せるということである。
もちろん全て倒し切ることなど不可能だが、この島が訓練場とされているのはそれが理由でもある。
たまにものすごく強い魔物が生まれたりするのだが、冒険者ギルドポーパノイド支部がなんとかしてくれる。
ギルドもこの地の重要性はよくわかっているようで、元Zランク冒険者をギルドマスターに据えている。
そして、ピッキーからついてきたいという思念が送られてきた。いや、なんとなく何が言いたいのかわかるのだ。
そこで、実際についてきてもらったのだが……
ピッキー。恐ろしい奴である。彼(彼女?)はどこまでも植物に特化しており、つるで縛ったり竹で鞭のように攻撃したりしている。
だが、最も恐ろしいのはそのしぶとさだろう。
どこを切り飛ばしても、抉り取っても、なんの問題もない。
動物は脳や肺、心臓など細胞ごとに役割が分かれている。
だが、植物は動物よりその「分かれ方」が小さいのだ。故に、一部がなくなっても他の細胞で代用が可能である。葉も何回も生えてくるし、実だっていくらでも作れるのだ。
脳みそがないのになんであんな思念が送れるんだとは思うが……
そして、光を浴びると体内に溜め込んだ水を用いて光合成を行う。つまり、昼は水が底をつかない限りエネルギーが切れないということだ。
つ、強い。本当に、めっちゃ強い仲間を手に入れてしまったようだ。
【次回予告】
荒れ狂っていた海、パタリと姿を消したシェイクキング……嫌な予感はいま、ここに。
次回 不穏な気配
【〜おわりに〜】
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次回更新は6月7日金曜日です。




