第四五話 ゴブリン・スタンピード 〜戦闘〜
ここは、作戦本部。王都学園地区の守備責任者であるアムド大将は頭を抱えていた。
「なぜだ!なぜゴブリンキング以上の個体がいるのだ!」
仮設テント内に机を叩く音が響き渡る。
彼は民のことを思いやる民衆に人気な軍人No. 1を独走している人物で、そのちょび髭は軍人としての貫禄を保ちつつ親しみを覚えやすくすることに十全の力を発揮していた。
アムド大将は先程偵察部隊からの報告を受け取ったばかりだった。
熟練の偵察部隊のうち9割ほどが犠牲になり、残り1割も這々の体で帰ってきたのを見て、何かおかしいとは思ったのだが……
「アムド大将、国王軍を呼びますか?」
「もとよりそのつもりだ。冒険者ギルドの事前調査によるとZランクに匹敵するスタンピードだ。呼ぶしかなかろう。抑えきれなかったことで叱責を喰らうかもしれんが国民の命には変えられまい。」
「了解しました。」
部下が出て行ったのを見届けるとアムド大将は大きなため息をつき軍の編成を考え始めた。
〜〜〜〜
「ふむ。うまく行ったようですね。」
「えぇ。あいつぅらがぁ失敗したとぉ聞いた時にはぁどぉうなるかと思ったけどぉ、なんとかぁ秘匿はでぇきたようだしねぇ。」
「では、手筈通り。」
「任せぇたよぉ。」
〜〜〜〜
ーーそこにはさまざまな思惑があった。互いの思惑は交差し、やがて一つの結果を生み出すーーはずだった。
しかし、そこに新たなる意思が組み込まれた。それがこの世界にとって幸だったのか不幸だったのか。それは誰にもわからない。
一つだけ言えるとするならば、その結果を予測できたものはいなかっただろうと言うことだ。
〜〜〜
僕たちも戦力としてカウントされる。なんせゴブリンロードを倒しているのだ。面倒なことこの上ない。
そして、戦いは始まる。初めに接敵したのはここ王都学園地区の対魔物部隊1大隊直轄索敵隊である。
情報を元に、後続の部隊が進む道を作ろうとしているのだ。スタンピードは、支配している上位者の存在が消滅すると統率を失う。だからこそ強者をいち早く敵本陣に向かわせなければならないのだ。と、ナビさんが言っていた。
冒険者たちが率いる舞台でも動きができた。ゴブリンガーディアンとゴブリンナイトが連携して攻撃を開始したのだ。
しかも、倒しきらなければヒーラーゴブリンにより回復させられると言うオマケ付き。厄介である。
ここで僕は考えた。このドン・ゴブリンの位置に隕石(ステンレス。物理エネルギー最高だぜ。)落とせばこの戦い終わるんじゃね?と。
実行すると、あっさりと倒せてしまった。拍子抜けである。案の定ゴブリンたちの統率が乱れた。ついでにゴブリンキングも始末しておいた。なんと言うか、ここまで簡単に行くとは思ってもいなかった。
冒険者や軍もゴブリンの統率が乱れたことに驚いていたが、統率されていなければ所詮ゴブリン。たいしたことはない。あっさりとかたがついた。
こうして、スタンピードは終わりを告げた。それが、不可解な現象であったのは間違いがない。だが、原因に気づくものは殆どいないだろう。
おかしい……もっと苦戦させるはずだったのに……
【次回予告】
結果を見ると……
次回 ゴブリン・スタンピード 〜結末〜
【〜おわりに〜】
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次回更新は4月24日水曜日です。




