第三八話 クレイヴェルの街4 里帰りと領主
「何を言っている。早くついてくるのだ。」
「いやいや。そっちこそ何を言っているんですか。僕たちは今から移動するので誰かも知らぬ人に呼び止められても知りませんよ。」
「「クルト……」」
「おのれ……ひっとらえよ!」
「では、反撃しますね。」
攻撃してきたのならそれは正当防衛である。うん。間違いないね。
まずは鋼鉄の盾を生成し初手を防ぐ。
塞がれたことに驚いたようだがさすがはプロ。すぐにしたから切り上げてきた。
だがしかし、駄菓子菓子、至近距離での自爆覚悟のTNT爆破攻撃。当然僕は瞬時に【ギガヒール】で回復する。痛いのは嫌だよ。前調子乗ってオークキングにフルボッコにされたからなぁ(遠い目)
当然爆薬なんて者はこの世界にないので、敵は全員戦闘不能に。うんうん。楽々。
「じゃあ詰所にでも引き渡しますか。」
「クルト、あんた何してるのよ……」
「?、襲われたから返り討ちにした。」
「そういうことじゃねーだろ!」
周りの民衆もポカンと口を開けている。でも、これは別に間違ったことではない。馬車の前を横切ることは違法ではない。というか貴族だからとそういうことを罰するのはなかなかのグレーゾーンである。
また、街中で暴力行為を振るわれたなら、それは正当防衛と言っていい。国の法律でそう決まっているからね。
そして、こちらには切り札があるのだ。なんか向こうと同じことしているような気はするけど。
「すみませーん。ゴロツキを捕まえたので届けにきましたー。」
間違ったことは言っていない。なお、目撃者が多いため、いつもの店員化はできなかった。残念。
「はいはい。ってコイツらはここの騎士じゃないか?どういうことだ?」
「いえ、言いがかりをつけて襲ってきたのでゴロツキと同じですよね。」
「えーと。と、とりあえず領主様が戻ってくるまで待ってくれ。」
「あ、ちょっと今急いでるので。」
「それには及ばん。」
誰かがやってきた。でっぷりと太り、華美な装飾品を身につけたいかにも貴族という感じの人だ。
「領主様!」
ピンポーン。正解。
「うむ。我がこの町の領主ナガマルド・フォン・クレイヴェル・アークライドである。そして、お主には領主に対する反逆の罪に問われておる。何か弁明はあるのか?」
「?、何の話をしているのですか?」
「惚けるのか!我が領の兵士を攻撃したのであろう!」
「あ、あれは正当防衛なので何の問題もありませんよ。」
「ふむ。確かに王国法ではそうかもしれぬな。だが、ここは我が街。いかようにもできるのだぞ。」
そう言って彼はニヤリと笑う。
あきまへん。あきまへんわ。この領主あかんやつですわ。これはあれだね。手加減無用ってやつだよ。
で・も。
そっちがルール違反するならこっちもルールを守る必要はないよね?僕の切り札のお時間だ。
「そうですか……。しかし私どもがこの街で行方不明になると些か不都合だと思うのですが……。」
「ふん。農民3人がいなくなったところで気にかける奴はおらんよ。」
いるんだな〜それが。
「ではこちらをご覧ください。」
そう言って僕が見せたのは一枚の紙。
いや、万一のためにとヨーガンが渡してくれた第二王子の紋章付きの紙である。
「なっ!こ、これは!」
「そういえば、『街の様子』や『領主の印象』を教えてくれとも言われましたねぇ。どうしましょうか?」
嘘ではない。友達が旅行に行った時にその感想を聞くのは当然だよね。噂話とかがあったらそれも言うよね。特に大衆ウケの良い……偉い人の悪口とか。
エリンとロックも目を丸くしている。まあ教えてなかったからな。
「す、すみませんでしたー!!」
そして、領主の綺麗な土下座が決まったのだった。
【次回予告】
帰ってきたので、早速封印場所へ行こう!
次回 いざ、行かん
【〜おわりに〜】
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次回更新は3月15日金曜日です。




