第二三話 商人クルト
変な視線がなくなるとスッキリする。早速さっき作った商品を売り出す店を決めなくてはならない。
父さんにはちょっと出かけてくると伝えてあるがあまり遅くはできないので急がなくては。
で、だ。問題が一つ。
土地がない。いい場所はみんな売れちゃってるのだ。
そこで、今買収できないかどうか考えているのだ。
探すと、それなりの立地で今にも潰れそうな店があった。
名をサノム商会と言う。
ここの店主と話してみよう。
「すみませーん」
「なんだ、子供か……。今はお断りだよ」
「話だけでも……」
「うちには金がないんだよ」
「その金を持ってきたんですけど」
「何?ほんとか?ちょっと詳しく聞かせてくれ。」
金と言った瞬間に食いついてきた。
店主の顔色は悪かった。元々は飲み屋のオヤジ風だったっぽいが、すっかり痩せ細っている。
「えっとですね。私はここで商売をすることを考えてまして、この店がいい立地にあったのでよければ売ってくれないかと。」
「ほんとか?こんな子供が?この店は不良物件で誰も買いたがらなくて借金だけが増えて困ってたんだ。」
「ええ。大丈夫ですとも。4億マールでいかがでしょう。」
かなり広いしこれでも安いくらいだ。
ちなみに、お金は収納の中の大量の獲物を売りまくることで足りている。後で知ったのだが、オークキングは存在が確認されていない伝説の魔物らしい。あの豚そんなに強かったのか。
どうりであの森に誰もやってこないはずである。
冒険者とかがやってくるんじゃないのかと思っていた。
が、どうやらあの森は「獄楽の森」と呼ばれているらしく、スライムやゴブリンなどの低級な魔物が 超進化を遂げて生まれる強力な魔物が巣食う森だったらしい。
そりゃあ村人も深くまでは潜らずに外苑部にいるわけだ。
こんな子供がとか言われたら怖いからしまっておいて正解だったよ。
「おいおいどっかの御坊ちゃまか?それならば売ってやるよ。だがもう少し高くならんか?」
「4億5千マール。これ以上は出しませんよ。」
「十分だ。それで決まりだ。」
ちょっと吹っかけられた気がするけど、お金はたくさんあるし、なんなら金で払ってもいい。問題ない問題ない。それよりお父さんの機嫌を損ねる前に帰らねば。
そうして、店主にお金を渡すと、店内大改装に取り掛かる。
約2時間かけて店内をきれいにした後、味噌、醤油、チョコレート、コーヒー、ヨーグルト、バター、マーガリン、惣菜各種にお酒、そしてトランプなどの紙製品を売り出した。
食品はH、C、Oがあれば大抵なものは作れる。マグネシウムやカリウムがないのは辛いが……
ただ、それが美味しいかはわからないので、実際に発酵する形で作った。王都には麹もあったのだ。
便利すぎるだろ、秋葉原かよ。(ちょっと違う)
まあ、麹は専ら酒用らしいけどね。
で、従業員を集めるのだが、これは募集をかけることにした。
後で店を商業ギルドに登録するのだが、その時に店員も集めてもらうことにしたのだ。
どうせなら信頼度が高い方がいいよね。
奴隷もいるのだが、現代人としてなんか嫌なので、今回はやめておくことにした。
そうして、のちに教会となるウィンクル商会が発足したのだった。
【次回予告】
ギルド登録に行ったクルト。事件が始まる。
次回 5つのギルド
【〜おわりに〜】
今日も「キョウ運」をお読みいただきましてありがとうございます。
下にスクロールしたところにある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎をタップしたり、右下にあるいいねボタンを押したりしてくれると作者のやる気が上がり投稿頻度が上がるきっかけになります。
また、ご意見、ご感想、誤字脱字報告など受け付けておりますのでなんでもお気軽に書いてください。
次回更新は1月31日水曜日です。




