第ニニ話 学園紛争(?)
ここは、王都学園省本部。重役たちは毎日会議に明け暮れていた。
「リートロドル最高等学園としては、断固拒否する!成績のまま入れるのが正しかろう。」
そう言っている彼は、リートロドル最高等学園学園長のヨームである。彼はハイエルフの長老であり、この国で最も長生きしている。長い顎鬚と細い顔はまさに長老というべきであろう。
「農民が首席など前例にない。ここは殿下にお決めになってもらおう」
そう言うのは、王国貴族のパラモン侯爵である。学園大臣なのだが、「農民が教育を受けるなど!」と声高に叫ぶ差別の塊のような人間である。
だが、意外にも普段の生活はしっかりとしていて職務怠慢は一度もないし、汚職に手を染めたこともない立派な(?)貴族であった。
「むむう…どっちも首席ということではどうだ?」
「「ダメに決まっているでしょう!」」
二人に声を合わせて反論されたのはこの国の国王リートロドル42世である。だが、この王様は決断力に欠けた王として有名である。
それなりに健康的な肉体を持ってはいるのだが、いざ政治や戦争となると参謀や宰相に丸投げという頼りない王様であった。
さて、何をかんなに揉めているのかというと、今度のリートロドル最高等学園の席次で誰を首席にするのかと言う議題についてある。
今年は第ニ王子のヨーガン王子が入学する年なのだが、問題が起きた。なんと、開拓村の農民が首席を取ったのだ。
国民は平等という考えから王子であろうと試験を受けることになる。しかし王子、それも継承権を持つ王子は基本的にリートロドル最高等学園の主席になる。
これは、問題の横流しや試験での裏工作などが関わっており、学園からはたまに非難の声が上がるが証拠がないので黙認されている状況だ。
そこで、どちらを首席とするかで揉めているのだが……
ここで、宰相の意見。
「初代国王の考えは平等。ここは実際の成績通りにすれば良いでしょう。王子が首席でなかった例はなくはないです。問題ないでしょう。」
宰相は、真面目を絵に描いたような人であり勤勉実直、容姿端麗と文句なしの文官である。ちなみに、戦いになると本国で王の留守の間の政治をする役目になる。
これはそれほど信頼されているというものもあるが、実際には戦場では全く役に立たないからである。
「それは留学生や大勇者のことか?あれは農民ではないであろう!」
パラモン侯爵が反論する。が、しかし。
「それでも首席にするかどうかと言うのが議題ですので問題はありませんな。」
宰相が軽く突っぱねる。
「余もそれで良い。」
国王が賛同したことで、この案に決まった。
ヨーム学園長と宰相は満足そうに頷いたが、パラモン侯爵は不満そうに舌打ちをして会議室を出て行った。
こうして、合格者と席次が決まったのだった。
【次回予告】
クルトは自分が作った商品を売り出すために、自分で店を作ることを思いつく。しかし土地が見つからずに…
次回 商人クルト
【〜おわりに〜】
今日も「キョウ運」をお読みいただきましてありがとうございます。
下にスクロールしたところにある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎をタップしたり、右下にあるいいねボタンを押したりしてくれると作者のやる気が上がり投稿頻度が上がるきっかけになります。
また、ご意見、ご感想、誤字脱字報告など受け付けておりますのでなんでもお気軽に書いてください。
次回更新は1月28日日曜日です。




