第二話 え?何?転生?
意識が戻った。
目を開けると程よい明るさの真っ白な世界がある。
「僕、死んだんじゃなかったっけ……?」
混乱しつつも辺りを見回すとベンチとそこに座る青年がいた。
「あなたは……?」
僕が聞くと
「僕はこの世界で言う神にあたる上の世界の住人だよ。」
と言われた。
「神?上の世界?」
混乱が収まるどころかさらに強まる。
「それで、ここはどこなんですか?」
「ここは精神世界さ。君と話すために用意した空間だよ」
「セイシンセカイ?」
「別空間だと思ってくれたまえ。」
よくわからない。
「一つ聞きますが、僕は死んだんですか?」
と尋ねると
「ああ、そうだね。ただ君には少し事情があってね。君は生まれつき運が悪かっだだろう? 実はあれうちの運命神が運の調節をミスっちゃったのが原因なんだ。」
「え、何?じゃあ今までこんなに運が悪い生活してきたのはその運命神のせいってことですか?」
「まあ……そう言うことだね。すまんかった。おかげでろくな死に方もしなかったようだし。」
「いやすまんじゃ済まされないでしょう。」
苛立ちがつのる。まさかそんな原因があったとは。そのせいでどれだけ苦労をかけられたと思ってるんだよおい。
神様だから尊敬しろって?こんな神のどこに尊敬する要素があるんだよ!
「まあそう言うことだから特別に別世界に転生させてあげようと。これでもかなり権限はあるんでね。それに僕の友達がOKしてくれたんで。」
「あ、そうですか。それはありがとうございます。」
そう返すけど、やっぱり納得できない。別の世界だったらいいってものなのか?
しかしそれなりの権限があるとかどういう意味だ?
うーん。わからんないなぁ。
「で、そう言うわけなんだけど何か転生するにあたって要望とかある?できるだけかなえるけど。」
お、責任を取らせるチャンス。
「これ生き返らせるとかできないんですか?」
「できないこともないけど運が悪いままだよ。これは魂に関する条約2のBに抵触する行為でね。魂の故意変質に際する特例措置とかいったっけな。とにかく禁止事項なんだ。
ただここで何もお詫びをしないのもやっぱり禁止事項だからこうしているんだ。本当は僕の管轄の世界に転生させてあげたいんだけどどこもいっぱいでね。仕方がないから別世界にお願いすることになったんだ。」
「そうですか。」
未練はある。もう一度人生を送れたらどんなにいいか。でも運が悪いままなら戻る意味なんてない。
「それなら強運にするとかできませんか?」
「もちろんできるさ。任せといて。それじゃあ早速転生させるよ。ちなみに僕の名前はミーム。この世界の主神だよ。ひょっとしたらまた会うかもしれないから覚えといてね。」
「え、それってどう言うー」
どうやら転生が始まってしまったようだ。
だんだんと意識が薄れていく。
その日、とある世界にとある新しい子が産まれた。
【〜おわりに〜】
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次回更新は12月6日水曜日です。