本当の自分を 愛してあげること #4
新生ユニット『Kalliopeia』のコンセプトについて。
『徹底的に攻める』とは、どういうことなのか。
千尋が何を言おうとしているのか、残りの三人は 彼の説明を待つ。
「どういうこと?」
「だって、そもそも《Kalliopeia》って、《女神》だろ?」
九人の文芸の女神の、長女。
「名付けた《上層部》は、狙ってかどうか知らないけど………まさに《奏良さんっぽい》気がするんだけど」
「………言われてみれば」
「確かにな」
誰よりも美声の持ち主で、姉妹の中で最も賢く 弁も立ち、活躍の場が多かったとされる女神。
「え、どこが??」
「…………………はい、ちょっと 一旦黙ってて」
「むぐ!?」
まったく理解していない長女が口を挟むと、話が進まない――――とばかりに、唯織は 棒付きのキャンディを 奏良の口に突っ込んだ。
どこから取り出したのか、手品師もびっくりの超早業である。
…………扱い、ひどくない!?
舐め終るまで最低でも二十分はかかる、有名なキャンディだ。その間、黙っていろと!?
抗議をしようとしたが、口内に溶け出した味に 言葉が引っ込む。
「!」
奏良が好きな、レモン系の味。
認めたくはないが、キャンディとしては優秀だった。
「………美味くない? それ」
唯織はそう言って、自分はグレープ味の包みを剥がし 口に入れている。
「………唯織、俺のは?」
「欲しがりだな。ってか、尊の場合、ミント系しか食わないだろ」
「ミント、美味いじゃん」
「バカ。――――――奏良さんと千尋、嫌いだろーが」
「………えっ」
唯織の発言に、サーッと青ざめる次男。
「マジで!? ごめん、今まで気付かなかった………」
「別に。俺もあえて言ってなかったし」
千尋の言う通り―――こればかりは尊の好みなのだし、言ったら絶対に気にするからと、奏良も あえて触れずにいたのだ。
嫌なら、それとなく自分が 彼と《距離》を取ればいいだけのこと。
「………距離………」
尊が なんだか可哀想なくらい、盛大にショックを受けているように見えるのは、なぜだろう。
歩み寄りたくても、ミント云々に関しては、正直 難しい。申し訳ないけれど、あの香りと味だけは、どうしても受け付けないのである。
「――――話を戻すけど」
脱線しかけたところを 一番歳下の千尋が戻すという、年齢的におかしな構図だった。
「徹底的に………って話だけど」
「Kalliopeia自体が 奏良さんのイメージなら………」
「それを、そのまま《利用する》ってことか?」
「?」
《女神》と、女神を取り巻く《三人》。
「奏良さんを―――――この際《前面》に出す」
「!?」
「………逆ハーの《特性》を活かすってわけか」
「最近SNSでも、奏良さんの《ポジション》に憧れるファンが増えてるだろ?」
「…………まーな」
誰もが羨む、物語のような《逆ハーレム状態》。
当初は、それが不安材料となり、女性ファンに受け入れてもらえるのか、と心配していたというのに。
「今じゃ、全然 そんな心配いらないよな」
「むしろ、この状態を みんなが楽しんでるような感じだし」
歌にしても 写真にしても、奏良と誰が《二人》になるか―――どの組み合わせが一番《支持》を多く獲得できるか。最近ファンの間では、SNS上で 毎回人気投票が開催されているくらいだ。
STELLAとしてもファンの要望を無視することはできず、いわゆる《カップリング》のような《四パターン》を用意してアップすることが、最近の主流となっていた。
「奏良さんを通して、自分が その立場になりきっているのかも」
「《疑似恋愛的》な気分にでも なるんじゃね?」
「歌や服装で ガラリとイメージ変わるし、どんなタイプの子でも、自分の姿を《投影》しやすいのかもな」
みんなと並んで立つ以上、カッコいいのは当たり前。けれど、それだけでは 他のアイドルや芸能人と何ら変わらない。
ちょっと冷たい 威圧的な感じや、思わず魅入ってしまうセクシーな感じに加えて、時折 予告なく飛び出す《可愛さ》もあって。
媚びない中性的な魅力は、多様化する《時代》にマッチしているのかもしれない。
イイ男たちに どれだけ囲まれても、負けない。負けないどころか、男性陣のほうが 気を抜けば《喰われる》ようなレベルなのだ。
女性ファンも 納得するしかない。受け入れられれば、あとはもう ファンたちが《堕ちる》のは時間の問題だった。
『奏良ちゃんなら、許す』とファンの゙空気は変わっていた。
『何が出てくるか』『何を見せてくれるのか』と、期待感の方が 反対派を完全に上回ったのだ。
「《飽きさせない》って意味でいけば、今のところ奏良さんは《完璧》だよな」
「悔しいけど、それは認める」
「オレたち、けっこう《固定のイメージ》ついてるしな」
個性を出して、それがファンに認識されることは大事なことだが、例えば唯織なら 誰もが『セクシー系』と答えるように、一つのイメージが《固定化》してしまう危険性も含んでいた。
「…………私の場合、まだ何のイメージも《ついてない》ってだけじゃないの?」
「――――――まだ、発言は許してねぇ」
「!」
キャンディを外して発言したら、すぐさま 唯織に再び口に入れられるという――――。
完全に《赤ちゃん》扱いなんて。
ダメな大人認定されている自覚はあったが、とうとう赤ちゃんまで降格とは。
さすがに、これは文句を言っても許されるだろう。
「あのねぇ――――」
今度こそ、と。
右隣の男を 睨んだのに。
相手が、あの《唯織》だということを すっかり失念していた。
失念していた奏良が、悪い。悪いけれど。
『―――――もう少し、大人しくしてて』
耳元で囁かれた声と、一瞬で全身に絡みつくような 色気。
「!」
「お前っ……何してんの!?」
「おい、唯織………」
ファンに向けるならともかく、《身内》相手に色気を振りまいて どうする。
DHEの中でも上位に入る 彼の《威力》は、はっきりいって《毒》でしかないのだ。
尊だけに限らず、唯織も最近 なんだか《おかしい》。
しかも、あまりにも早くて、とても自然だったから。
唯織の唇が 耳に触れたことに、目の前の 誰も気が付いていなかった。
気付いていたら、その場に 少なくとも椅子くらいは飛んでいただろう。
「………もう、何すんのっ!?」
――――この人、何がしたいの。
せっかく、長野の病室でのキスを 忘れようとしていたのに。
恥ずかしさと 驚きと。
そばにあったクッションを掴み、奏良が唯織に殴りかかったのは いうまでもない。
* * * * * * * *
『女神と、女神を取り巻く三人』。
千尋の出した大胆な提案は、ミーティングで そのまま採用となり、『Kalliopeia』としての方向性は見えてきた。
次は、男女デュオ――――『with』である。
「そもそも、男女デュオって言い方が変じゃない?」
『デュオ』とは、同性同士の二人組を表す言葉だ。
「男女なら……《デュエット》でしょ?」
「俺も、最初は そこに引っかかったんだけど」
千尋と奏良の二人は、『with』として初のミーティングを行っていた。
「俺が思うに―――――性別とか関係なく、一つの型に《はまらない》ところが、奏良さんにとっての《アピールポイント》なんじゃない?」
キレイ。かっこいい。可愛い。ナチュラル。
どれもにも当てはまるし、かといって どれでもない。
SNSでの言動などで見えてくる、《奏良》という《人物像》。誰を前にしても変わらない態度と、揺るがない信念。
《無個性》とは違う。他には無い、唯一のもの。
奏良そのものが、すでに 一つの《個性》なのだ。
「だから、あえて《デュオ》って表現が合ってるのかも」
「………………そうかなぁ」
いまいち納得がいかない………と、テーブルに頬杖をつく姿だけで、絵になってしまう。
見るたびに《変化》する奏良のことを、千尋は 改めてまじまじと眺めた。
今まで、どうやって過ごしてきたのだろう。
いくら、地味な見た目に扮して 外見を誤魔化したとしても、《性格》だけは隠せない。
まして、こんなにハッキリとした性分なのだ。必要とあらば、上層部であろうと怯まない勇ましさも持つ。
性格が、なんたって《男前》。
スタッフたちが口を揃えて『奏良さんカッコイイ』とハートマークを飛ばすような環境にいるのに―――本人は『慕われているかも?』程度の認識しかないとは。
商品価値が、自分にあるのか。
奏良が自らに対して抱く《疑問》は、人前に立つアーティストとしては、至極まっとうなものだと思う。
自分を知り、どうやって活かすか。
どこまで正直に、自分に向き合えるのか。
「あえて、そのまま――――《自然体》っていうのもアリじゃない?」
「?」
STELLAも、Kalliopeiaも、他のグループも。明確なコンセプトのもとに、作り上げている中で。
「わざと、テーマは持たずに………ってこと?」
「そう。俺たちって………結構、好みとか似てるとこあるし」
「確かに、そうだよねぇ」
始めは、好きな音楽のジャンルが同じなことに、親近感を覚えた。
洋楽が好きで、中でもディスコミュージックや、一九七〇年代の洋楽ポップスが好きで。
血液型も同じだし、食べ物の好みも似ている。
違うのは性別と、年齢だけ。
年齢は、実際に十一歳も離れている。
「千尋くん大人っぽいし落ち着いてるから、歳が離れてるの忘れちゃう感じ。ずっと《長男》だろうと思ってたし」
千尋は二つ歳上の《兄》と、四つ下の《妹》がいる、兄妹の《二番目》。苦労が絶えない、真ん中だ。
「妹さん、高校生だっけ? 可愛いんだろうなぁ」
「可愛い………うーん、まぁ。可愛いっちゃ、可愛いか」
仲は悪くない。
離れて暮らしているが、メールも電話も頻繁にやり取りしている。
「最近じゃ、すっかり話題は奏良さんのことばっかりだけど」
「えっ?」
千尋の妹の七星は、兄を応援するよりも『STELLAの奏良ちゃん』に夢中なのだから。
「え、え、そうなの!?」
「次はいつ会うの、何の話したの………って、ずっと聞いてくるし」
「えー……………ちょっと、びっくり」
頬をぽっと染めて照れている顔は、誰が見ても可愛い。
こういう恥ずかしがり屋な面も、ファンにとっては新鮮で『尊い!』となるのだろう。
「まだ公表前だから言えないけど、俺が《with》として活動する、なんてなったら 妹は大騒ぎだろうな」
「……………今度、紹介して?」
「もちろん。俺の方から、お願いするつもりだったし。会ってやって、喜ぶから」
全国行脚には、TO2でも 各公演ごとにメンバーの家族が応援に来てくれていた。
ステージ後の楽屋で、千尋も たくさんの家族たちと挨拶を交わしてきた。
年末のライブでは、どうだろう。その時間は取れるだろうか。
「そういや、衣装の問題だけど。実際の年末ライブでは、着替える時間………無いかもな」
「やっぱり? それは、私も思った」
自分たちのグループのあと、おそらくユニットのパフォーマンスを行い、デュオはその後になるだろうか。
withとしての衣装は、次回に持ち越しの可能性が高い。
次回があれば………の話にはなるが。
「リューイチさんも言ってたけど、《次》というチャンスがあるかは 未定なんだろ?」
プロとして通用するか―――これは現時点での評価だ。
他の候補生に やすやすと抜かれるつもりはないが、すべては上層部の判断に委ねられている。
今後も活動を続けられるかは、見てくれた人たちの《反応》が大きい。
「年末ライブで伸ばしたいのは、ライブビューイングの人数だよな?」
「そうだね、チケットは ほぼ完売だし」
メインは、もちろん『TEMPEST』や『B.D.』などの人気アーティスト。彼らのファンで、本公演は満員がほぼ確定だった。
自分たちが出るのは、その前座―――オープニングアクト。
候補生や 駆け出しの新人アーティストが揃って行うパフォーマンスで、どれだけ魅せられるか。
「オープニングアクト目当ての観客を増やすのが、目下 私たちの《ミッション》なわけだけど」
「もう十二月に入ってるし、そろそろ《情報公開》がいるんじゃないの?」
「そうだね。全情報 解禁――――というより、少しずつ小出しに公開していく方が 盛り上がりそう」
そのために、必要なこと。
今、やるべきこと。
「宣伝素材――――新しいアー写とか、歌の一部分の公開とか、用意しておく必要があるな」
「《チラ見せ》だよね。曲の練習と並行して、いつでも出せるように、まずは そこから始めなきゃね」
千尋が 単独で奏良と写真を撮るのは、グループが違ったせいで 今回が初となる。
外見には、当然 自信しかない千尋であっても、彼女を いざ目の前にすると、気持ちが落ち着かなくなった。
写真なんか撮り慣れているはずなのに。
どういう顔をしていいのか わからなくなる、なんて。
…………………落ち着け。
初めての感覚を振り払うように、千尋は あえて距離を詰めてみることにした。
受け身でいるのは、性に合わない。
そんな弱気なら、この場には最初からいない。
「試しに………ちょっと、撮ってみる?」
「うー………やってみますか」
写真に対しての《苦手意識》を克服中の奏良は、渋々といった感じで重い腰を上げる。
いつもの 隙のないキリッとした《仕事モード》と同一人物とは、誰も思わないだろう。
本当に、振り幅が大きい人だ。
こんなのを朝から晩まで長時間、毎日 すぐ間近に見ていたら、そりゃあ STELLAの男たちも《おかしく》はなるだろう。
態度が明らかに変化した 尊。
珍しく構っている 唯織。
二人のことを、『単純だ』などと笑うことなどできない。
「………千尋くん?」
音楽業界という 特殊で閉鎖的な世界に長くいるのに、少しも 俗な雰囲気に染まっていない。
高校生の妹と比べても見劣りしない、その 無垢さ。
―――――あぁ、いいな。
自然と、手に 入れたくなる。
「…………もっと、こっちに寄ってみて」
自分に価値があるのか、か…………。
「俺から言わせてもらうと」
価値がどうかなんて、どうでもいい。
「……………え?」
価値が無ければ、ファンは認めない。
アーティストに対して、世間の評価は 思った以上にシビアだからだ。
けれど、そんなことは 初めから関係ない。
「―――――――無ければ、作ればいい」
「…………作る?」
価値が無いと思うなら、誰もが忘れられないくらいに、強烈に、大胆に。
意思を持って、相手を 堕としにいけばいい。
「自分のことを《最強だ》と思うことが、最初の一歩なんじゃない?」
少なくとも、千尋自身が ずっと実践してきたこと。
自信さえ持てれば―――――奏良は、変わる。
今よりも もっと、それ以上。
誰も、手の届かないところ。
そうなった時、自分は どこにいるのか。
どのポジションに、属しているのか。
「俺も――――これからもっと、攻めていくつもりだし」
「!」
ライバルが多い場所だからといって、それが不利になるとは限らない。
アーティストとして。一人の 男として。
これまでの経歴や 評価などに頼るつもりはない。
常に、前を向いて その先を見据えて、出来ることを探す。
それが、このプロジェクトを通じて得た、千尋にとっての《経験》。
味わった苦労も挫折も、一つもムダにはしない。
「…………千尋くんは、すごく前向きだね」
「掴み取るためには、必要なことだろ?」
そんな話をしながら撮った 二人の《初ショット》は―――― それから二日後、他よりも先行して SNS上に公開された。
『極秘情報―――解禁まで、あと●●日』と題して載せた写真は、上層部の狙い通り『何が始まるのか!?』と大騒ぎに繋がり、またしても SNSは一時機能停止となる。
男女デュオ―――― まさに一種の《賭け》のような企画だが、手応えは充分といえた。
これを継続できるかは、自分の頑張り次第。
…………絶対に モノにしてみせる。
千尋は歌の《安定》のために必要だからと、新たなトレーニングを自身に追加し、万全な状態で年末を迎えようとしていた。
* * * * * * * *
目から鱗とは、まさに 今みたいなことを指すのだろう。
午前中を終えて――――奏良は、初めての感覚に 胸がドキドキと高鳴るのを自覚していた。
新しい景色を見たような、高揚感。
千尋から言われた《言葉》は、自分の中の《何か》を大きく揺れ動かした。
自分に価値があるのか、ずっと信じられなくて。
見られることも、怖くて。
「価値なんて――――――作ればいい、か………」
こともなげに言い切られて ハッとした。
自分自身に対して逃げ腰でいたのを、見透かされたような言葉。
甘えるな―――そんな響きも含んでいるような気がした。
「…………奏良ちゃん?」
「ねぇ、エリカさん」
性別も年齢も、関係ない。
自分に似合うもの。
自分を、本当に 輝かせてくれるもの。
午後の活動のためにメイクを施してくれる、専属メイクスタッフの エリカに向かって。
「もうちょっと…………攻めて、みようかな?」
「!」
似合わないから。
今までそうやって逃げてきたことの中にも、自分が見落としていただけで、《使えるもの》や《価値があるもの》が あったのかもしれない。
「今さらだけど………」
――――否、今だからこそ。
「もっと………色々と、やってみようかな」
「……………奏良ちゃん! ほんと!?」
恥ずかしいのは、結局 何をしても同じだから。
どうせなら、少しでも良い方がいいし、みんなのように 自分だって誰かを《虜》にしてみたい。
もう、自分は 間違いなく《アーティスト》なのだから。
「…………協力、してくれる?」
自分一人では、無理だろう。
その点、エリカは優秀なスタッフだから、悪いようにはならないはずだ。
自分は信じられなくても、彼女のことは 信じられる。
それで、いい。
今は、そう思えるだけで かなりの変化といえよう。
「もちろん、当たり前じゃない! 誰もが忘れられない《スペシャル》な感じに、仕上げてみせますとも!」
「……………お手柔らかに、お願いします」
「ずっと、奏良ちゃんの《ヤル気》を待ってたんだからね?」
DHEに所属するスタッフとして、奏良を世間に売り込む、またとない機会。
本人の《同意》が取れたなら、盛大に やるしかない。
「………いつ、やる? 勢いのまま、今日の最後―――活動が終わったあととか、やってみちゃう?」
「今日か…………」
『誰かを虜にしたい』という明確な意志のもとに、自ら望んだ《新たな挑戦》。
《魅せる》というのは、歌だけではない。
外見も含めて、《すべて》で 観客を堕とすために。
「時間を置いたら、また尻込みしそうだし……」
「オーケー。じゃあ、活動が終わる夜に、また来るわね」
「九時過ぎちゃうけど、エリカさんは いいの?」
ニヤリと、エリカが笑う。
「………時間なんて関係ないわ。こんな《楽しいこと》、逃すわけないでしょ?」
――――――そんなものだろうか。
「とにかく、私が 《完璧》に仕上げてあげるから、安心して任せて♪」
「う…………うん、お願いします」
エリカと《夜の約束》をしたことは メンバーには黙ったまま―――奏良は とりあえず午後の練習に集中した。




