第9話 星巌の旅1
星巌樹の下にある大陸『シリウス』を目指すユカタとカインは、グラップラーボウに頼りながらも結局2人で降りることにした。
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『え?私達は...』
『ああ、一気に大勢行く方が降りるのには不利だ。そこで』
『でも、カインだけでグラップラーボウなんか--』
そこでクロスがユカタに問う。
『お前も行くんだよ。ユカタ。シリウスにまず降りられるのはカイン...そしてユカタだ。しっかり届けに行くんだ。』
『分かった。』
つまり、アレはなんだったのか?そもそもカインにそんな行かなければいけない事情があるのか?私は何も分からないまま旅立つことになった。カインと2人で何も無い星巌樹を降りていくことにしたー-。
本当に薄い雲のかかった空以外何にもない。その時だった下からゴウンと樹木が倒れる音がしてユカタ達の乗っている木も--
『...!?何!?カイン!しがみついて!』
しばらくしがみつくと揺れが収まっていく...。今のは下の世界で相当な出来事があったはずだ...。まさかな--既に戦争が始まっているんじゃないか?そう考えていると上からレンガの破片が飛んできた...。
『上から...ロイヤルスクエアからだ。まさか--』
そう不安になっているとカインがか弱い声でも前向きに言った。
『きっと大丈夫よ...ただ揺れてレンガの破片が落ちただけ.."』
『それだけだといいんだけどね...』
下に行くにつれてどんどん体が冷えてくる--。シリウスはアステリアよりも標準気温が2度低い11度だ。そうなってくると防護服...は別に来てなくてもいい。アステリアは宇宙に等しい標高にある大陸だがシリウスは標高0メートルにあるため酸素は十分にあるからだ。ただ、防護服には酸素チューブがあるため水中を歩くのには適している。
その頃 シリウスの近郊では...
1人の白熊のミミをした女の子が暖かい木製の一部屋で窓を見ていた。その部屋は青一色のグッズばかりだ。
『カイン...』
カインを知っているのかカインのことを恋しく思っているようだ......。
さらにシリウスの海上では軍艦を連れたヘリオス兵団が星巌の森の前で待ち伏せをしている。軍艦の中から2人の人が出てきた。1人は鎧を来た紫髪の黒いマスクのようなものを取り付けている女の人と中年の男の姿が出てきた。
『本当にいるのでしょうか?その孤高の王女とは...』
『我々はそいつが目的だ。白髪の少女で貴族の服をきた奴を...監視から逃すな。』
そう言うとその2人は再び軍艦の中へ消えていった...。
森も大陸も全てに朝が来た...。ユカタはグラップラーは使えるもののカインはまだ使えずまい。ユカタはカインにグラップラーの使い方を樹木を降りながら教えている。
『いいよー!その調子ー!』
あんなに恐る恐るグラップラーで降りていたカインがここまで成長するとは...やっぱりカインは印象的では成長を逸しているとしか言いようがないくらいすごいとユカタは思った。ただし、カインはずるっとへこんだ岩の部分で足を踏み外した。もうダメかと思ったが紐をそのまま吊るしていたためか助かった。辺りはそろそろ暗くなってきた。夕飯は"ブヨエビの吊し上げ焼き"にした。
『美味しかった...良かったよ。こんなところにもブヨエビがいるなんて...』
『虫だけど美味しかったねー。ここまで虫って美味しいのびっくりしたよー。』
『ユカタって妹とかいないの?弟はヒロなのは知ってるけどさー...』
カインはぼーっとしている...それをユカタがペチッと左手で叩いて起こした。
『あー!ごめん...!私の妹...ショウがいるよ。』
『ショウ?』
『うん、小さくてそれでもやんちゃで私に似てて可愛いんだよー。』
ショウは、カインの妹らしい。マヒロは弟。大きい家族なんだなー。とおもったが...
『ねえ?お父さんはどんな人なの?』
『あ、もう寝ないとね。』
『そうだねーー』
カインの父親の話題に触れようとしたらカイン本人から受け流された。何故だろう?嫌なのかな?言いたくないのかな?
そう思った。ちょうど真下ではシリウスとヘリオス、サイカの交戦が続いていた。
TO BE CONTINUED
はい、アドバンテイルユナイト8話いかがでしたか?そろそろ面白くなってきました!カインの父親と本人であるカインの関係についても今後触れていきますねー。ユカタの父親はクロス!じゃあ、カインは...??
次回 星巌の旅2