第5話 博士
ユカタとカインは、学校の帰りに二人でゲームセンターに来ていた。
『あのぬいぐるみちゃん取れないでしょうか?』
『任せてカインちゃん!!』
ユカタがぬいぐるみのUFOキャッチャーに挑戦する。集中を途切らせないユカタは、可愛い茶色い犬のぬいぐるみを手に入れた。名前はタモちゃんと言うらしい。しかも、運良く2つ手に入れることができた。
これまでの難関だとも言われているニコちゃんクエスト14スペースバージョンのUFOキャッチャーは、プロでないと難しいと言うのにどうやら、裏が神経質な割には意外な部分で活躍するユカタ。そこまでカインよりも賢くはない。カインの方が学習面でもダントツトップだ。
身体を動かすのも好奇心旺盛。姉と一緒にドッチボールしてたくらいボール系の競技好き。そして、リークバトルも。あまり、関係ないと思っていた2人がこんなに仲良くなっている。これが本来のカインちゃんの思いなんだろう。明日は実践試験だ。マヒロちゃんと試合をするのにも関わらず緊張よりも期待が混み上がる。なんでなのかは分からない。けれど、勝手にそう思いたくなってくる。そこに背の小さなサンタのような服を着た女の子がやって来た。そして、座席に座ると同じニコちゃんクエストスペースバージョンのUFOキャッチャーでニコちゃんのぬいぐるみを3点手に入れた。
『えっ...!?』
『凄いですねー。まぁ、あんなの当たり前』
『さすがにあれは当たり前じゃなーい!』
カインの言葉にユカタがツッコミを入れたが直後にその少女がこっちを見つめて前にやって来た。
『な...何かな...?』
汗をかいたようにユカタが少女に話しかける。
『君...2点も取るなんて凄いねー。2人にニコちゃんあげるよー。』
『どうも...』
『私はクラーク。あなた達...隣のクラスのーー』
『へ!?』
2人の会話が続く。その間にカインのスマートフォンから電話が来る。カインはゲームセンターの外に出ていった。
『フフフ...明日の実践、いや、遠のきそうだけどあなたと最後のエキシビションを迎えることを楽しみにしている。あなたは、強くなれるわ。』
そう言ってクラークという少女は去っていった。
外ではカインとある人物とで連絡を取り合っていた。
『ええーーあのことね。分かってます。私達の悲願を叶えるためにもーー』
そのカインにとっての悲願がどれだけ世界を変えてしまうのかまだ誰もそれは知らない。ただ、世界の破壊者"ラストトリガー"と関わっていることは確かなことだろう。
つづく!