第43話 プラム島戍衛官バニラ
ユカタがヒョウザンと冷戦を繰り出して交渉失敗したさなかひとり船に取り残されたカインも気絶してようたやく目を覚ます。そこには、一人の少女がいた。「気が付きましたか?シリウスの...いや?ランファートの娘さんですよね?」起きだしたカインは、大声で話しかける。「だれです...⁉」「怪しいものではありませんよ。「私は、バニラ。ここの戍衛官を務めています。」樹栄寛?...さっぱり分からないや。相変わらず常識知識は不足のカイン。改めて戍衛官について聞くことにした。
「あのね、戍衛官って軍隊が一つの土地に長く駐屯して警備・防衛の任に当たる者を指すんです。」
「つまり、国境の警備みたいな...」「まぁ、それみたいなもんですよ。」とてもふわふわした声。この子と一緒に話していると気持ちがなんだか楽になってくる。カインはそのペースに乗ってしまう。
「何から話そう。あ!あなた、イグニア族?」バニラから先に会話が始まる。どうやらバニラもイグニア族のようだ。「わたしもイグ!おなじー!ニア族なんです...」「え!?そうなの...!やったぁ」そう言ってバニラがカインにぎゅっと両手で抱きしめた。そしてふたりで「いっしょなんだね!」と一斉に言い出した。そして、バニラが血相変えたようにいきなり呟き始める。「......」「どうしたの?」「わたし、実はこの島の外に...出たことがないの......。」「そんな...そんなの非道じゃないですか!」「でも、ヒョウザン様に裏切られたらどうしよう...。」「ヒョウザン?ここら辺に来る前に氷山がいっぱい浮いてましたよ?」
バニラは、ヒョウザンという人物について詳しく教えることに。バニラは、彼の非道さ、残酷さ、そして水の原因について教えられた。「そんな...ひどいですね!..そんなことだけでどれだけの人がなくなったとでも...戦争でたくさんの負傷者を何人も出してその挙句ほかの国も独裁国家として動く結果になってしまったんですよ!?その人...許せません。」バニラが深刻さと欲望を交えてカインに話す。「でも、ここにいれば..働いてればおいしい水が永遠にもらえるから...大きな窓を見てごらん。あれが大木さ。」「あれが?」バニラの話によるとそいつで世界を融合させる気なようだ。でも、そんなことしたら取り返しのつかない結果になることだろう。獣神様もかつて「本当にいいのか?君は」と言ってたことをカインは思い出す。カインは、外に出ようとするが、その出入り口に魔法電流が強くかけられてロックされていることに気が付く。
「これは?」「あー、それ?わたしがやったの。」「あなたが?」
その頃、カインの相方のユカタは......
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