第23話 思い出すのは
シリウスに戻って戦争の準備をするために夜の強く雪の降る世界の白い海をイカダのような船で渡る3人は、途方に暮れていた......。そこでマヒロが話しかけてきた。『ねぇ、ひょっとして私達、地図もないからそうなんしたんじゃない?』そう言うとユカタが優しく声をかけた。『ちゃんと帰りの方向に向かっているから大丈夫だよ。』『...ところで、ユカタの親はどのような冒険をしたんですか?』『いろんな冒険だよ。いろいろやったからいっぺんには話せないみたいなんだけどね...凄い人なんだよ!侍に出会ったり、ドラゴンに逢ったり、大きな組織に宣戦布告を恐れずして無事に帰ってきて...バトルのマスターも制覇したんだって!!!』そんな話をしているとまたマヒロが応える。『2人は、どんな冒険をしてきたの?』2人は。答えた。リリィやルピナスと出会ったこと。一緒におおきな宇宙にあるアステリアにまで伸びている星巌の大木を降りたこと。ともに大きな存在と戦ったこと、生まれたころの親の過酷さ。アステリアのクインズスクールのクロス先生と学んだことも。カインと初めて出会ったことも。マヒロとの出会ったころも3人で話し合った。
みんなが話している中でユカタが言う。
『今まで、いろんなことがあったけど、まだまだ私たちにできることは少ないよ。子供だし...。でも、乗り越えられるものもよく見たらあるかもしれないっと思っていて!自分も上界に帰ったらもっと色んなことをしてみるよ......あんなになんにもできなかった私が......』『そんなことないよ、私なんてなにしても成功ばかり。まだまだ未熟な君が好きなんだよ。ユカタちゃん。』カインがそう手をさしのべるように答えるとユカタは、感激した。『うん、きっと帰れるよ......。』2人をロープで縛って自分をも縛って3人は、眠りに着いた。ロープで縛らないと寝相の悪いマヒロが海に落ちてしまうからだとカインから聞いたからだ。
翌日、目覚めると船は、木の根元に静かにぶつかっていた。3人が起きて辺りを見渡すとユカタとマヒロにとっては、思い立った場所であった。『あれ?ここって......』『まさかここってマヒロが私を助けた時に...ということは』3人は、逆方向を見渡した。間違いない。シリウスだ。帰って来たんだ。3人は船にあったオールを使ってシリウスまで海を渡ってようやく着いた。一方シリウスの展望台では、カインの育て親である金髪の髪の毛の王様"ソライロ"が待っていた。そして、3にんが帰ってきたことにようやく気付いた。『あれは...カイン...それにマヒロ!!』
TO BE CONTINUED
次回 第24話 幕間