第11話 破海の騎士
昨日は昼間寝て夕方から破海の下界に向けて出発したユカタとカイン。樹木の真ん中に穴が空いたところを一晩中で進んで行った。その抜け穴はまるで神秘的な森のダンジョンのようだ。昔お父さんに連れて行って貰った森の中の賑やかな街を思い出して私は、感動した。そして、私はカインに高問い始めた。
『なんで--追われているの?』
カインがそれについて答え出した。
『それはね、昔シリウスはルークスという場所だったんだけどね。東亜は昔鉄や銀の鉱石でいっぱいあったの。海にも...山にも...そして、流星群が墜ちた街の下から地下に鉱山の街があることが分かって、そこが鉱石の発生源だったの。"ロケッタン"って世界一鋼鉄の硬い物質なの。』
『そうだったんだ--つまり、それを求めてサイカの国のヘリオス兵団がアステリアにもシリウスにも攻め込んできたわけなんだね...』
『ええ......。かつてあったその鉱山の坑道も鉱石が掘り尽くされて無くなったの。だから、経済成長の悪い国としても以前"サイカ"があがってたの。』
そうなんだ。でも、なんでサイカはシリウスに向けて進軍を?そう考えていると再びカインが答えてくれた。
『恐らく、ひとつの国を潰してまでも鉱石や石炭から石油や原料を取りたいのでしょう...私達の国にはもうそんな原料なんてないのに...さらにはサイカは、最近水不足にも陥っているから水も私達のところには......』
そんなほとぼり『熱くなるの意味』の始まりを聞いてて歩いていたら白い透明感のある透き通った海が見えてきた...。雲も透き通り丁度いい冷たい空気がユカタとカインを包み込んだ......。恐らくこれが破海なんだろう。温暖化により、胞子と雪の化合物によって水で無くなった荒廃した海だ。やればできるんだ。長くグラップラーと拡張だけで主幹を降りていったけど...そうユカタは自信を持つことが出来た--。しかし、その時だった。星巌樹の根元に来たと思いきや黒い鎧のヘリオス兵団が2人の近くまで登ってくるのをカインはゾッと見てしまった。見つかった。サイカは、シリウス同様に下界にある大陸だ...と言いたいところだが違う。空島にもなることもできる移動する大陸とも言える。
そして、襲われそうになったカインは、何も動じなく知りもしないユカタの左手をガバッと掴んでヘリオス兵団から逃げるように走った。
『あの人達...また..!なんなの!?あいつら...』
『言いましたよ!?捕まったら殺されるって...!』
なんで人が人を殺すのかユカタはそれしか思いつかなかった---。それにしても前も後ろもヘリオス兵団に先に追い詰められてしまったユカタは、あることを決断した。それは、破海に飛ぶことだった。カインがそれに猛反対した。
『そんな...無理です!』
『え?』
『破海の中の温度差がやばすぎます!上界とは違い破水中の温度はマイナス50度...!何も装備していなければ--!?』
『大丈夫!私達の力があれば極寒の海でも飛べるよ!!泳ぐことも出来る!!』
確かに普通の人間ならば破水に触れただけで凍りついてしまうかもしれない。それでも大丈夫とユカタが言ったのはカインが前にあるものを渡してくれたからだ。それがどんな海でもおよげられるようになる耐水性の魔眼拡張だ。さらには浮くことも出来るし、温度差も関係なく付けている時は、泳げるようになる。
『--それ...わかった!やってみましょう!』
『うん、行くよ!』
どんな海も超える。そう魔眼拡張『獣神から奉られているアークのチップみたいなもの』に信じて2人はあっという間に2人は極寒の破海に大きな波の花を立たせたのであった......。
tobe continued
はい、アドバンテイルユナイト11話いかがでしたでしょうか?次回からついに破海編が始まります。カインとユカタそして...ヘリオス兵団、さらにはシリウス兵の運命は!!?
次回に期待!
9点....じゃなくて
急転の次回
第12話『破海の騎士2』
カイン『ご期待ください!』