第5話 武器入手とある事件。
夜、ビジネスホテル、一室。
私は夕食を牛丼を食い、近くのホテルに泊まることにした。
・・バイクは駐輪場に止めた。・・私は今までの行動を振り返った。
・・・悪魔になって。・・地獄の真実を知り。・・・人を殺した。
・・・変な人生である。
・・人を殺すのは今となってはどうでもいい。
・・・悪魔になった私には人間の社会ルールを守る義務などない。
・・・さて、私はカタログにポイントを入れた。・・・百ポイント。・・かなり入った。・・内訳という項目があったので押してみた。
・・すると、十ポイントが四つ。六十ポイントが一つ。
・・・あの主犯格、六回もやっていたのだな。・・まぁ、警察官がグル絡みは何でもしていい。・・・汚れまくった世界。
・・どうでもいい。
さてと、カタログを見ると、武器の項目がある。・・どれも百ポイントで購入可能。
・・種類は、刀、剣、槍、斧、弓、銃、等など。どれもこれも迷うが、今の世の中、しかも日本を考えると・・・フィンガーレスグローブ。・・これにすることにした。
早速、項目を押した。
インプが現れ。
「・・・このグローブはな、近距離専用の武器。・・効果は、当てる瞬間に`衝撃`と唱えれば、相手に振動を与えて大ダメージを与える。・・但し、相手に触れなければ意味は無い。・・離れていたら振動は伝わらない。・・・扱いが難しいこれにするのか?・・・初心者は大概、剣か弓、銃を選ぶがな?」
この言葉に私は。
「・・・他の国なら持っていてもおかしくはないが。・・・ここは日本、銃刀法違反という法律がある。・・俺には関係ないとは言え、持って言い訳がない。・・・だからグローブにしたのさ、これならば着けていても不思議感はゼロだし。・・バイクに乗っているなら尚よしだ。・・・所で、聞きたいことがある。・・これらの武器の上級。魔剣や魔槍といった者が無いが?」
この質問にインプは。
「ん?・・・あぁ~~、武器は載っているので全部だ。・・但し、使い続ければ属性や効果が追加されていき、最終的には形も変える。・・・それが魔剣といった物になる。・・・だが、使い続けるのは容易ではない。・・・戦いになれば当然壊れる。・・一からやり直しになる。・・充分に気をつけることだな。・・・他に無いか?」
インプが機嫌良く言ってきたので、私は。
「・・それじゃぁ。この偽装書だが、運転免許証に変わった場合、関係ある施設に自動登録されているのは聞いた。・・・もし、これを戻した場合。今まで使った場所での記録も消えるのか?」
この質問にインプは。
「・・消えるよ。・・使った後に戻せば、記録は消える。・・だが、人間の記憶からは消えない。・・例えば、資料整理をしている時に足りないなぁ。という考えには至る。・・・それだけだが、・・後、消した後もう一度同じ物を作った場合。・・関係ある施設に登録されるが、以前使った場所には反映されない。・・注意点はそこだけだ。・・他には?」
私は首を横に振った。
・・懸念していたことは解決した。・・免許証はどこでも通用する、これを戻すことはない。
・・そう思っているとインプが。
「・・そうかぁ。・・・んじゃ、今回も良い魂を送っていくれたな。・・地獄は満足しているぜ。・・ご贔屓と魂送り、今後ともよろしく!」
そう言って消えた。
・・さてと、色々あったが武器は手に入った。・・後は、どううまく闘っていくか。
これからの課題だな。
・・私はそのまま就寝した。
????サイド
その男は怒り顔で路上を歩いていた。
・・時折、ゴミ箱を蹴っては。
「・・くっそーーー!!、あの野郎、俺の作ったプレゼンを横取りして発表しやがって、・・上司も後輩も幹部も、その不正を知っていながら黙認しやがって~~。・・・な~~にが`これからも頑張ってくれ`だ!!・・・辞めたくても、俺の誹謗中傷をSNSに暴露するなんて脅迫までしやがって。・・・殺してぇ~~~あいつら~~~。」
怨嗟の声を上げていた。
・・・聞いての通り、不正を働いた会社の人間達に憎しみを持つ一人のサラリーマン。
・・・そんな彼にどこからか声が。
「・・・復讐したいか?・・そいつらに?」
この声に男は。
「・・・誰だ?・・俺の願いでも叶えてくれるのか?」
その言葉に声が。
「・・・そうだよ。・・まぁ、聞く限りではかなりの悪党達がいるようだから。勝手にやらせてもらうが。・・・もし、この件に関わりたくないというのなら、・・明日は出勤して安全な給湯室にでも隠れているんだな。」
この言葉に男は。
「・・給湯室?・・なんでそこに?・・・安全な場所なら自宅だろうが、適当に理由をつけて休めば。」
声がすぐに反論した。
「・・ダメだ。・・そんなことをすれば、明日起きる惨劇にお前だけがいなかったら、真っ先に疑われるぞ?・・会社に恨みがあるのはお前だけだからな。・・まぁ、それでもいいのなら休めば良い。」
この声に男は。
「・・・わ、わかった。・・一つ聞く?・・何なんだ?お前?どうしてそこまで?」
この質問に声は。
「・・・ただの気まぐれだ。」
それを最後に声はしなくった。
男は幻聴でも聞こえたかと思い、何も思わずに帰宅した。
翌朝、男は何時ものように出勤した。
変わらぬ場所、変わらぬ人間。・・見ているだけで憎い。
・・そう思っていると、後ろから。
「・・あ、先輩。・・おはようございます。」
そう言って挨拶してくれるメガネを掛けた女性。・・男は。
「・・あ、おはよう。・・今日も良い天気だ。」
そう言ってソッポ向いた。
男が、この会社で唯一憎まないのがこの女性である。
・・・何故なら、一目惚れだからだ。
・・例え、彼女に騙されても本望だ。と本気で考えているからだ。
女性は。
「・・先輩、昨日のプレゼン、本当は先輩が書いたのは知っています。・・皆はそれを黙認していますが、私は先輩の味方です。・・・ここを辞める時は一緒に辞めます。・・誹謗中傷にも対策を打っています。・・どうしますか?」
この言葉に男は。
「・・・そうだな。・・よし、今日、辞表を出すよ。・・何時も持っているし、・・例え、騙されたとしても、君なら本望だ。」
そう言って照れる男に女性は。
「・・そ、そんな。騙すなんて、・・私も何時も持っています。ほら、」
そう言って鞄から辞表を出した。
男は驚いた顔をした。
女性は続けて。
「・・私、先輩とならどこに行ってもやっていきます。・・だって、先輩は私に色々親切に教えてくれました。・・優しくしてくれた。・・そんな先輩に私は惹かれたのです。」
そう言って顔を赤くして言った。
男は、うれしさのあまりに涙を流した。
・・俺を思ってくれる人がいることに。
・・そう思い、後輩の手を握ろうとした瞬間。
・・・突然、オフィスが燃えだし、爆発した。
・・ここだけでなく、上の階も爆発音がした。・・・男は、あまりの衝撃に一時、気を失ったが、すぐに意識を取り戻した。
・・辺りは赤い火の海。・・生きている者は一人もいない地獄。
・・・そんな中、男は後輩を探した。
・・そして、見つけた。
・・ロッカーの下敷きにされ、絶命した後輩を。
・・・男は夜中のことを思い出した。
・・あの声の主がやったんだ。
・・俺の望みを叶えたんだ。
・・俺のせいで後輩が・・・。
男は半狂乱になり、笑いながら火に包まれた。
となりのビル屋上。
そこには一人の男が立っていた。
男は。
「・・おぉ~~~。三百ポイントも入ったぜ。・・・ここの会社の連中、あくどい事をやってたんだな。・・良い狩り場だったぜぇ。・・・さてと、んじゃぁ、探してみるか。・・新入りの悪魔を。」
男は悪い笑顔でその場を去った。