第22話 次なる地。
依頼が完了して一日が経過した。
・・・私とレナはビジネスホテルで泊まっていた。さすがに同じ部屋はまずいので別々で取った。
朝食を食べに一階に行き、ラウンジで食パンとコーヒーを食しているとレナが現われた。
私は。
「・・おはよう。・・かなりの寝ていたようだな。」
レナは。
「・・おはようございます。なんだか疲れが抜けていないようで。・・ふぁ~~~~。」
欠伸をした。
私は。
「・・体の具合はどうだ?・・昨日はそれなりのはずだが。」
小声にレナは。
「・・大丈夫ですよ~~。そんなに激しくありませんでしたし。・・・疲れてはいますが。今日は普通にいけます。」
普通の声で喋った。
私は。
「・・ば、ばか。・・周り・・」
注意を促した。
・・・レナは周りを見た。数人のサラリーマンとOLがこっちを見て、気まずいようにそっぽを向いた。
レナは。
「?・・・何で顔を背けるので?」
分からないという顔で座った。
私は。
「・・あのな。もう少し、男女の関係を理解した方がいいぞ。本当に。」
忠告する私にレナは。
「・・むっ。失礼ですよ。私だって知っています。関係と言っても互いに理解し、共存していくパートナー。それ以外にないです。」
堂々と言った。
・・周りの人達は更に気まずくなったのか黙々と食べていた。
私は。
「・・はぁ~~。まぁ、いいか。それよりも今後の事についてだが。」
話を強引に切り替えた。
レナは。
「・・?このまま帰るのでは?」
疑問に私は。
「・・のつもりだったが。昨夜、掲示板に新たな依頼が載っていた。ここからそう遠くない。調べるだけでも行ってみようと思う。」
急な方針変更にレナは。
「・・分かりました。救いを求めているのなら。一刻も早く行くべきです。」
やる気満々で何よりである。
・・・朝食を済ませ、荷物をまとめてチェックアウトした。車に乗り込み、目指す場所はここから約二時間の距離である。
とある教会。
・・・ここには地元でも有名な神父がいた。誰よりも優しく救いの手を差し伸べてくれる。何人かのシスター達と共に暮らしいていた。
しかし、ここ数日。神父とシスター達を見かけていない。
しばらく留守にすると言って全くの音沙汰無し。
心配する人達は。
「・・何か事故でもあったのかね?」
「・・それだったらニュースとかでもやっているはずだ。神父様というだけでネットでヒットする。だが、何も無い。」
「・・どうされたのかしら?なんで帰ってこないの?」
そんな不安の声が蔓延していた。
・・・その時、黒い車が数台、教会前に止まった。そこから出てきたのは黒いビジネススーツにサングラスをかけた男達が現われた。
その風貌からいかにもヤバい連中だと思った。
人々は怖くて遠巻きで見ていた。
すると、自転車に乗った一人の警官が巡回で現われ。
「・・うん?・・君たち?・・ここは私有地の前だよ?駐車は禁止だよ。」
注意していた。
・・・相手は警官。従うだろうと思っていた。しかし、男達は警官を取り囲んだ。
警官は。
「・・な、何だね?・・何を・・・」
その声を最後に何も聞こえなくなった。
一分後。
男達が離れると警官が無傷。
警官は。
「・・失礼しました~~~。どうぞごゆっくり~~~。」
虚ろな目で敬礼し、去って行った。
それを見た人々は。
「・・・ねぇ、かなり危ないんじゃ無い?」
「・・警官の態度もおかしかったし。」
「・・は、離れましょう。」
恐怖を通り越して不気味しか無かった。
人々が去り、誰も居なくなった。・・・しかし、男達は気にせず教会の中に入っていった。
聖堂だけでなく、関係者の部屋。・・・倉庫。・・応接室。・・執務室など。徹底的に調べていた。
男は。
「くそっ!!ろくにねぇな。・・・・あるのは奪ったと思しき道具ばかり。しかも、全部カタログで手に入るのばっか。・・お?これは進化版か?・・・使えるかな。」
そう言って調べていた。
その時、背後から別の男が。
「・・おい。道具あさりはいいが。・・例の奴の資料とかは見つかったか?」
男は急いで振り向き。
「・・あ、いいえ。・・ここには悪魔の道具しかありません。資料らしき物はどこにも・・」
姿勢を正して答えた。
・・・この態度からどうやら上司のようである。
上司は。
「・・・仕方ない。ここは後で持って行くとして。他の所も調べとけ。」
男は`はい`と返事し、走って行った。
上司は。
「・・ちっ。あの悪魔の一件で場所を絞れたというのに探しても手掛かりなしだった。・・・奴の根城なら何かあると思って来てみてもあるのは人間共の骨と使えないと判断した道具。くそったれ!!」
苛立ちで近くの木箱を蹴った。
木箱は半壊し、中に入っていた無数の骨が散らばった。警察沙汰になっても可笑しくない代物を見ても上司はまるで興味が無いように部屋を出た。
しばらくして、聖堂に集まった男達。
上司は。
「・・で?収穫は?」
部下の一人が。
「・・資料は見つかりましたが、そいつがどんな奴なのかしか書かれておらず。場所についてはどこにも・・」
しどろもどろに答えた。
上司は受け取った資料を見て。
「・・何々?・・・名前は紅川仁朗。・・全身大火傷を負い、動けない体になる。その悪意から悪魔を呼び出し、体を差し出した。・・・乗っ取るつもりが逆に食われて取り込まれた。・・・か。こっちで掴んでいる情報と大体合っているな。・・・ん?・・・そいつは特定の場所に行き、力をつけるかのように行動している。主に、犯罪人と浮遊霊をターゲットにしている。・・ふむ。」
考え込んでいた。
黙り込んで見守る部下達。・・・そして、地面に叩きつけた。
上司は。
「くそっ!!!手掛かりがあると思ったが何も無い!!!・・・どういうつもりだ?」
苛立つ上司に部下は。
「・・き、記載していた書類を持って行ったのでは?・・・お、覚え間違いはよく、ありますから・・」
怯えながら答えた。
・・・上司は目を大きく見開いて部下を見た。ゆっくりと近づく上司に部下は動けずにいた。
そして。・・・`ドゴーーン!!`
激しい音がした。
上司が部下の腹を思いっきり右ストレートパンチで殴り、部下は吹っ飛ばされ長椅子が二、三脚壊れてうずくまっていた。
上司は。
「・・誰がお前に答えを聞いた?・・・えっ?・・・どうだ?・・お前達?」
ゆっくりと見渡す上司に部下達は首を横に振った。
上司は。
「・・・ここに用はない。・・さっさと行くぞ。」
そう言って歩き出した。
部下の一人は。
「・・あ、あの。・・帰るので?」
恐れながら訪ねた。
上司は。
「・・バカヤロウ。・・何も無しで親分のところに戻れるか。・・・取りあえず、この辺りで何か妙な気配がある。おそらく同業者だろう。・・調べた後にカチコミを入れるか決める。・・同じならいいもん持っているだろう。・・それを手土産にする。」
落ち着いたのかニヤけ顔になった。
・・・部下達は頷いた。
倒れた部下もよろめきながら立ち上がり。
「・・で、では。く、車の用意を、し、して、きま、す。」
苦しそうな顔をしながら出口へと向かって行った。
上司は。
「・・少しは楽しみたいもんだ。」
機嫌が少し良くなったようだ。




