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男は悪魔を食った。  作者: 満たされたい心
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第11話 地下での会話。







 磔にされたレナは状況を把握した。


 ・・手足は枷で固定され身動きできず、周囲は薄暗く、湿っぽい環境から恐らく地下だろうと考えた。


 ・・というよりも見える範囲で上り階段があるから地下以外ないのだが。・・そして、目の前にはロウソクの明かりで怖さを増した悪魔の男がいる。


 レナは気丈に振る舞いながら。


「・・・これから私を拷問ですか?・・それとも辱めを与えるのですか?」


 少し震えながら聞いてきた。


 ・・まぁ仕方ない。こんな地下室で薄暗い中、磔にされたらそう思うはな。


 ・・私は。


「・・別に何もしない。・・拘束したのは君が攻撃しないようにする為だ。・・磔は、ロープがないからだ。」


 ため息ながら答えた。


 ・・この屋敷には縄のロープはない。本や機械を括る際のビニールロープはあるが人を縛るのに信頼性があまりない。・・とすると最も信頼があるのは地下室にある壁に埋め込まれた磔台しかない。


 これだけは警察も押収することができなかった。


 ・・レナは不審な目で。


「・・・ですが、あなたは悪魔。・・それを信用するほど私はお人好しではありません。」


 かなりの目つきで威圧してきた。


 ・・誇り高いな、と思うが私にはそうは思えない。・・何故なら、最初の会合で普通に話していたからだ。お人好しでないのなら人の家でコーヒーは普通飲まない。


 何が入っているか警戒するからだ。


 そう思いながら私は。


「・・まぁいい。こちらはお前さんに話をする。・・・独り言だとも思ってくれてもいい。・・・質問したい時は言ってくれ。」


 どうでもいい感じで話を始めた。


 ・・シスターは無言のままこちらを睨め付けていた。


 私は。


「・・・まず、俺が悪魔になった経緯について。」


 そこから私はこの二十年で起きた出来事を語った。




 ・・放火魔の起こした事件で全身大火傷、一生動くことのできない体、事件を起こした犯人が助けた相手、絶望と憎悪の中で現れた悪魔に乗っ取られる所を逆に取り込んだこと。


 ・・・当然、今まで殺してきた人間や他の悪魔との戦いも包み隠さず話した。



 全てを話し終えた後、私はコーヒーを一口飲んだ。


 ・・黙って聞いていたレナは。


「・・・私は未熟故に言葉に力は無いですが。・・言わせていただきます。・・あなたの人生は不幸でありますが、間違っています。」


 瞳に強い意志を感じる。


 彼女は続けて。


「・・動けない体にした人を恨むのは当然ですが。・・殺すことはないのではありませんか?・・少年でも警察に通報すればいいだけです。・・・その後も犯罪を起こした人達も正しく罰せられるべきです。」


 世間一般のことを言った。


 正直、何も分かっていない。・・・判決を言い渡すのはいつの世も人間である。


 ・・・裁判官を買収すれば、無罪にすることができるし、証拠品も秘密裏に処分ですればいい。・・最近のニュースでは、警察官が事件の証拠品を紛失し、誰にも言わずに隠蔽したという話がある。


 ・・だが、この話を彼女にしても意味は無い。・・自分こそが正しいと信じている人には。


 正に、馬の耳に念仏である。


 ・・・そんな考えをしているとあることを思い出した。あのインプは何の用があったのか?


 ・・私はインプを呼び出した。


 「よう!!!終わったか?」


 呼び出したインプは周囲を見渡した。


 ・・磔にされたシスター。・・対面に座る私。


 ・・・インプは腕を組んで。


「・・・・・手伝っても役には立たんと思うが?」


 真剣な顔で述べた。


 シスターは少し怯えた。


 私はため息をついて。


「・・違う。・・お前を呼んだのは別の要件だ。・・・あの時、どうして現れたんだ?」


 その質問にインプは`ポン`と手を叩いて。


「・・ああ、そうだった。・・・実はな、近々お前さんに会いに来る悪魔がいるようだ。・・しかも、部下を連れてな。」


 衝撃の言葉に私は。


「・・はぁ?!・・なんだそれ?・・というかどうして居場所が知れたんだ?」


 慌てる私にインプは。


「・・さぁな。・・情報屋でも使ったんじゃ無いか?・・・今の世の中は金で何でもできるからな。」


 納得のいく答えである。


 ・・・金さえあれば何でもできる。・・それが令和の鉄則である。


 ・・・私は落ち着いて。


「・・・とすると迎撃以外にないか。・・・ここから逃げても新しい拠点作りは時間が掛かるし。・・相手が俺に目を付けたのなら追いかけてくるだろう。」


 呟きながら私は覚悟を決めた。


 ・・今あるスキルは攻撃系は少ない。しかし、絶対に勝てないスキルではない。色々と工夫し、作戦を練れば、生き残る確率が上がる。


 ・・私は考えているとあることを思いだした。


「・・・所で、なんでそんなことを教えてくれるのだ?」


 インプに質問した。


 彼らは基本的に商売以外では無関心のはず。


 インプは。


「・・・お前が面白いから、助言だけはしようと思った。」


 あっさりした答えである。


 ・・まぁ、複雑な答えよりも納得である。


 私は。


「・・・そうか。では期待に添えるように頑張るとするか。」


 気合いを入れて宣言した。


 ・・・応援と呼べるか分からんが、少なくとも他から期待されるのは初めての体験である。


 インプは。


「・・そうか。・・じゃぁもう一つアドバイスだ。・・・相手のレベルはお前と大差ない。・・だが、経験はあっちが上だ。・・頑張りな。」


 そう言って消えた。


 ・・経験が上か。これは厄介である。レベルが同じでも経験の量は私には分からない境地を生み出す。


 ・・・私は早速、計画を練ろうと階段に行った時。


「ちょっと待ってください!!私を解放してください!」


 磔にされたシスターが大声を上げた。


 ・・・すっかり忘れていた。


 ・・私は。


「・・ここにいたほうが安全だぞ?・・縛れるのは嫌だろうから、牢屋にでも入るか?」


 提案する私にシスターは。


「・・いいえ。私も地上に出ます。・・そして、悪魔同士の戦いを止めるのです!!」


 ずいぶんととんでもないことを言った。


 私は。


「・・・説明はしただろう?・・悪魔同士の戦いはレベル上げの為だと?」


 最初に説明したことを指摘した。


 シスターは。


「・・それでも見過ごす気はありません。・・・私は聖職者です。・・悪魔同士とはいえ、戦いは止めるのが私の使命です!!」


 決意を込めた瞳である。


 ・・これは何を言っても無駄である。・・かと言ってこのまま放置ではいつ脱出するか分からない。


 ・・・そんな不安を抱えたまま戦いには出られない。・・予想外の事態になるのは目に見えている。


 ・・私は。


「・・・分かった。・・ただし、解放したら大人しくしろよ。・・・・今、村人にそんなことを言っても信じないし、信じたとしても混乱が起きるだけ。・・・そして、俺は勿論、君にも止める力は無い。」


 当たり前のことを言った。


 ・・公務員でもない人間は、人々を止める権利はない。


 ・・シスターは。


「・・・それでもいいです。・・・私は悪魔を止め、浄化するだけです。」


 失敗したことを口にした。


 ・・・それを言おうかと思ったが、無駄だろう。私は拘束を解除した。


 ・・シスターは自由になり、机の上にある道具を手に取り。


「・・・さぁ、行きましょう!!悪魔の所に!!」


 早足で行くシスターに私は。


「・・・行くって、どこに?」


 この質問にシスターは振り向き。


「・・決まってます!!こう言う場合は先手必勝!!こちらから打って出るのです!!!」


 ガッツポーズで答えた。


 私はため息をついて。


「・・・どこに居るのだ?」


 当たり前の質問にシスターは。


「・・それは。・・・探せば見つかるでしょう!!」


 少し迷いのある瞳で答えた。


 ・・・呆れを通り越した私は。


「・・・とりあえず分かっているのことは奴らはこの場所に向かっていることだ。・・・探し回るよりも早く見つけられる。・・・この周囲に他人の家はなく、広い場所だ。・・・ここで戦った方が被害が少ない。・・・無駄な体力は使うべきではない。」


 今後の方針を説明した。


 ・・シスターは少し考えて。


「・・・・・それも、そうですね。・・・・では、待ちましょう。」

 

 そう言ってソソクサと階段を上った。


 顔が少しだけ赤かった。


 ・・・かわいい所もあるんだなと思いつつ私も地上に出た。





 同時刻。


 村の外れにある人気の無い廃寺に複数の人影があった。数は五人。


 一人の女性が。


「・・・現在の状況に変わりはありません。」


 この報告にリーダー格である男は。


「・・・ご苦労。・・・・・では、今日の深夜に行くとしましょう。」


 そう言って笑みを浮かべた。・・・光るペンダントを胸に。





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