欲しいものはお薦めの広告にでてこない!
長い入院生活と今日でお別れできる!
入院生活で学んだ事。
それは某検索サイトに出てくる『私へのオススメ広告』が、下着メーカーか、コスメか、ワードローブのメーカーだって事だった。
毎日、それを目にするうちに、『おっ?ちょっと開いてみようかな?』と思ったりして開いてみちゃうのです。
乗せられてるなぁ。
初めはスーツとかガードルとか、あと鞄とか。
オフィスワーカーには有難い物ばかりが出ていたはずなのに。
退院する日が近づいたある日。
気がついたら、外国人のお姉様がモデルをつとめる下着メーカーの広告になっていた。
1ヶ月間で私は何を見ていたんだ???
その広告を開いてみた。
腹筋のキレイなお姉様が微笑みながら、地中海のビーチ(私は勝手にそうだと思っている)を眺めている。
そうか……。
地中海では下着姿でビーチにいてもいいのか(これはあくまで私の勝手な感想)
しかも、上半身を起こして座るお姉様の腹筋にキレイに筋が入っている。
どんなに美人でも、細くても、上体を起こして座ると、お腹はタルンってなるのに!
このお姉さんの体脂肪率はどうなってるんだ?
そんな一桁台だと、立派なお胸は維持できないはず。
…てことは、この立派な物は、豊胸か??
そして写真の谷間が不自然じゃ無いかをチェックする。
ここで我に帰る。
いや、この広告の目玉はそこじゃ無い!
地中海では下着でいてもいいことだ(本当はここがどこの景色かはわかってません)
例えば、日本のビーチでキレイなお姉さんが下着姿でいたらどうなるだろうか?
嫌、ダメでしょ。
それは、捕まる。
……それが、全部補正下着で、イカガワシさを全く感じなかったらどうなる?
嫌、それでも捕まるだろう。
そっか。
下着がダメなら、おばあちゃんの着ているシュミーズならどうだろうか?
そういえば、ずっと前、真夏に超田舎に営業に行った時、おばあちゃん達はみんな下着で畑仕事してた……。
(日本のとある集落での事でした)
おばあちゃん達は、超薄手のババシャツに、農業用のズボンを履いて、私に挨拶をしてくれた。
……見えてるよ。
これはセーフか?
アウトでしょ!!!
完全にアウトでしょ!!!
アウトと言えば。
あるアーティストのライブに行った時だった。
このご時世、完全着席で、席も話離されていて、トイレタイムも、感染対策なのか、ちょっと長めだった。
でも女子トイレは混んでいる。
お客さんのほぼ全員が女性だったからだ。
トイレの最後尾に並んでいる時だった。
「あの……」
唯一の男性客に声をかけられた。
見た感じ若い男性客は、今時のサブスクでこのアーティストの音楽を聴いて、なんとなくライブを見に来たら女性(男性客のお母さんクラス)オンリーだったんだろう。
ごめんなさい。私も同じです。
その男性は、意を決して私に話しかけてきた。
(多分、トイレの最後尾だから)
「ここって、トイレ男女別ですよね?」
「……多分そうですね」
「今トイレ開けたら、おばさんが立ったたんですけど、見てきてくれませんか?」
「嫌、男子トイレはちょっと無理です」
私は断りました。
もしも、男性従業員さんが入っていたら私が痴漢になるし。
もしや、このお兄さんは、逆痴漢だと思って怖かったのかな?
でもなー。
私も、単独参加で、この絵面に恐れ慄いているのに、これで常連のオバ様に怒られるのも怖い。
そして、この男性に対して無視を決め込んだのでした。
ごめんなさい。
色々とごめんなさい。
これは、何もかもが完全にアウト!
いやぁ。入院中、色々と思い出しました。
そして、もう一度、地中海を見ながら下着姿でいる外国人女性を眺めて、寝たままでできる腹筋の仕方を探しました。
何故か、マッチョが腹筋する画像ばかりが引っかかってくるよー。
レビューを一件頂きましてありがとうございます。
このゆるりとしたエッセイを気に入って頂いて嬉しく思います。