病みの世界
ある日僕は、地元では有名な進学校を辞めた。入学して僅か六か月と三日でだ。
理由は、色々だが自分の精神が崩壊しかけたからだ。
入学前はまだ見ぬ新しく素晴らしい先生と学友に囲まれて毎日楽しく過ごだろうと思っていた。
しかし、いざ入学してみると どうだろうか コロナウイルスという摩訶不思議なウイルスによって
人と人との間に物理的な距離を置くというルールができ、
新しい仲間を作ろうにも会話することが許されない。
勉学に励もうにも、まともな授業が対面で行われず、
生徒同士で頑張ろうにも、まわりに生徒がいない。
周りの大人に頼ろうとも、導くことのできる大人がいない。
気づけば、僕の心は 予想もできない未来への不安、
周りに人がいるにもかかわらず話すことも頼ることも出来ない孤独感、
更に意味もなく不安になる。
不安なことが不安になる。
それらが意味もなく押し寄せてくる。
やがて僕は病んだ。
毎日のように訪れる意味のない不安感。
様々な出来事で僕の精神を食い鍔み深い傷つける悪夢。
夜には、悪夢を恐れて眠れず、目元の隈を深める日々。
睡眠不足により思考ができず、悪夢と現実が混ざり合う。
次第に自然と涙が零れ落ち、鈍い頭で考える。
どうしたらよいか 無駄に考える
不安と共に横になる。