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92話

目覚め前クマ→目覚め→二章の順番に時間が流れています。



 ー約3ヶ月前 第3医務室ー


 ユリエルさんと言う美人なエルフ族とこの世界の種族特徴などのお話しをして居ると皐月先生が帰ってきた。


 先程いきなり求婚してすいませんでしたと謝ると、笑って許してくれた。



「留守にしてごめんなさいね。寮の部屋と実家に荷物を取りに行ってたのよ。ユリエル長官、もう部屋に移動しても大丈夫よ」



「……わかった」



「?」



「まだ説明してなかったのね……ここは医務室の設備しか無いから長期滞在には向かないのよ。客間を手配したからそちらに移動しても大丈夫かしら?夕飯前にシャワーとかも浴びたいでしょう?」



 緊急で医務室の個室に一泊したが、どうやら本日の寝床となる部屋に移動するみたいだ。

 お世話になります。シャワー浴びたいです。



 靴が無いので、このまま医務室のスリッパを貸してくれるそうだ。

 ついでに皐月先生が家から大きめのストールを持ってきてくれたので、肩にかける。何から何まですみません。


 私が着てた服や靴はどちらに?と聞いたら着てなかったと言われた。うわぁー。



「安心して、私しか見てないわ」



 処置もあったので、ガッツリ見ちゃったごめんね。と言われた。イエ、大丈夫デス。傷の手当てありがとうございます。



 再度、魔道具とやらで色々検査して問題が無かったので部屋を移動する事になった。


 おー…部屋の外は何だか学校の廊下に近い。今は軍の医務室だが、元々は研究棟の作りだった昔の名残でこんな作りらしい。



「城壁外に学園都市が併設されてからは研究者もそちらに移動したのよ」



 カイザス国の王都クリスタは時計塔を中心とした二重の城壁で守られた都市らしい。


 内側の城壁内には王都クリスタで城と一般居住区。

 外の城壁内北は商業都市、東が農業都市、南は医療都市、先程言っていた学園都市は西にあるみたいだ。


 それぞれ独立した都市になっているのでカイザス国の法律は適応されるが、都市ごとに独自の条例?のような決まりもあるらしい。


 カイザス国には大小様々な都市があるが、大体はこんな作りな所が多いみたいだ。



「私のいた世界だと、城壁は敵から身を守るために築いた物が多かったらしいんですけど、こちらの世界も戦争が?」



「この大陸で戦争は全く無いわね。城壁は魔物の侵入を防ぐ為にあるのよ」



 ……そっかー。魔物居るのか。



「ゴブリンとかですか?」



「よく知ってるわね!でも残念ながらゴブリンはこの大陸にはもう居ないのよ。ユリエル長官の故郷にはいるかしら?」



「………………………ああ、いるな」



 100年前にこの大陸『エデン』でゴブリン種の大繁殖で起こったスタンピードの時に1匹残らず殲滅したらしい。


 ちなみにユリエルさんは海を挟んだ大陸『ヴァニア』が故郷だとか。

 ヴァニア大陸に居るユリエルさんのお姉さんの手紙を読む限り、あちらにはまだゴブリン種はうじゃうじゃ居るだろうとの事だった。



 この世界の事を話しながら歩いていると、何やら煌びやかな扉が目前に見えた。

 ユリエルさんの懐中時計を持って扉横の銀のプレートに一緒にふれてくれと言われた。



「……君の仮身分証が私の懐中時計に組み込まれている」



 王宮内は身分証を銀プレートの魔道具にかざさないと扉を通れないと言われた。


 これから行く客間の部屋にも扉横に銀のプレートがついているが、ユリエルさんと一緒に懐中時計をかざさないと入れないらしい。



「一人でお外に出ると部屋に入れなくなっちゃうから気をつけるのよ」



 オートロック機能が付いたホテルの部屋みたいなものかな?

 誤って客間から出ちゃったら近くの人に助けを求めてユリエルさんに連絡してもらう様にと言われたので、頷いておいた。気をつけよう。


 皐月先生が先に扉を通って行ったので、私もユリエルさんと一緒に懐中時計を持って銀のプレートにかざす。



 扉を開けてドアを潜ったら何やら美術館みたいな所に来た。

 高そうな壺とか絵とかが飾ってある。ひろーい廊下にピカピカの床に絨毯。天井にはシャンデリアかな?凄い煌びやかですね。


 廊下を進んで……窓大っきいなぁ。窓が天井付近まであるからカーテンも大きい。

 廊下を左に曲がったら直ぐの部屋だと説明を受けた。

 3人で廊下を曲がると…………



「………世話をする者はひとりでいいと言ったが…」



 メイド服やドレスを着た集団が部屋の前にいっぱいいた。

 そして、何やら揉めてる様でユリエルさんのつぶやき声は届いていない様子だった。




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