84話
ビールが運ばれて来たのでとりあえず飲む。
「うっっっま!」
「いい飲みっぷりだなー」
喉越しキレッキレで1杯目に飲むには最高なビールだね。ゴクゴクゴクゴク…ぷはー。うん、やっぱり最高。
「すいません、私最近この国に来たのでお酒の銘柄とか分からなくて…とりあえずオススメのお酒決めておつまみはお任せしても大丈夫ですか?」
「おう、それで構わないよ?黒板の上から書いてあるのが今日のオススメ順だから覚えておいてくれ。共通語は読めるかい?」
「はい、わかりました。共通語は読めるのでメニューも読めます」
「んじゃ、今日のオススメ1番は赤ワインだな。グラスでいいかい?ボトルも樽もあるが…」
「グラスでお願いします」
樽ってなんだろ?とりあえずグラスにしとこう。
ビールを飲み終わり、赤ワインを出された。ツマミはそのままジャーキー。
「うまっ!!!」
「ははは!そいつはよかった」
私嫌いな食べ物も無い。酒も雑食?だから何でも飲むけど、あんまり細かい味の違いとかは分からないが………それでもこのワイン美味しいのわかるよ。この濃くてまろやかな赤ワインうまっ!
「2番目のオススメもお願いします」
「お次は白ワインだな。つまみはチーズにするかい?クラッカー付で」
「はい、お願いします」
その後2番3番と爽やかな白ワインが続き、4番はまた違うスモーキーな香りの赤ワインでここで黒板に書いてあった唯一の食事メニュー骨つきのラム肉が焼かれて出てきた。うーまー。最後5番目はブランデーだった………もう少し飲みたい。
「美味しかったです。ちなみに次のオススメは?」
「ウチの店は右端から順番だな。大体ドワーフ族がやってる店は黒板が上から順番でその時のオススメで、壁のメニューは通常のオススメの順番だが…店によって右からか左からか違うから店主に聞くといい」
「わかりました。覚えておきますね。じゃぁ、順番に飲んでみます!」
「はいよ。店1番のオススメは生ビールだからもう飲んでるが…飲むかい?」
「では2番目をください………生ビールもう一回飲んだ方がいいですか?マナーとかありますか???」
「いや、大丈夫だ好きに飲んでくれて構わんよ。ススメて飲めない物は断ってもいい。2番目は日本酒だな」
「え!?日本酒あるんですか!飲みたいです」
「あいよー」
壁の『大蜥蜴』って日本酒の銘柄だったのかぁー。
直ぐに出してくれたので早速いただく。あー…美味しいなぁ…頑張って王宮出てきてよかったぁー……まさか日本酒飲めるなんて思わなかったよー。生きててよかったー。この米米しい味が体に染み渡るよ。
米食べたいな。
「唐突にすみませんが、米って何処に売ってますかね?」
「もしかして日本酒飲んで米の話しか?サラッとした米ならここら辺にもたまに出回ってるが、粘りの強い米は人族の国に行かないと無いな。加工品以外は国外に持ち出し禁止らしい」
まーじーかー。まぁ、いっか…パン美味しいし。
前に朝市でお粥売ってるのは見たから、王都クリスタにも米は何処かにあるだろう。粘り気のある米は日本酒飲んで忘れよう。
さて、お店3番人気は何だろう?『にごり蜥蜴』?濁り酒が出てきた。くっ…ますます米っぽいけどやっぱり美味しいな異世界の酒。
ツマミは皮目パリパリの鶏肉の串焼きが出てきた。うーまー。
もうね、酔っ払ってるから「うまい」しか言語が出てこないよ。