表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つばめと学ぶ異世界生活事情  作者: とりあえずごはん(・ω・)
第一章 王都一人暮らし編
80/499

80話


 鈴木さんは商会の会長さんだった。

 そんなに大きな商会では無いと言っていたが……執事さん本当ですか?って感じで目線を送ったが、微動だにしなかったので本当かどうかは分からない。



「今はつばめ様の御者がメインの仕事で御座いますので、会長職は片手間で名誉職の様な物で御座いますよ。」



 道理で店とか詳しいわけだ…職業柄だったのか。

 多分リップサービスも営業とかで鍛えた物なんだろうな。『遊び人』とか思っててすいませんでした会長さん。





 晩餐の支度が出来たので、食事する部屋に移動出来るとの事だった。そっか、この部屋で食べるんじゃなかったのか。



 食事する部屋に入ると、思ったよりこじんまりした感じで安心。

 この屋敷で料理している人は後で顔を見せると言うので、先に食事を楽しんだ。



 鈴木さんとお話ししながら食べたが、正直緊張しすぎてメニューも味も分からないよ。パンの種類が5種類もあった…





 会話の中で鈴木さんの家族構成も教えてもらった。残念ながら奥さんは既に亡くなっていて、お子さんが男女2人いるらしい。


 息子さんは商会の総取締役で本店近くの家にお嫁さんとお孫さんとで住んでおり、娘さんは人族の国に嫁に行ったらしい。


 現在は娘さんのお孫さんを引き取り、この屋敷で2人暮らしをしているそうだ。


 そして、この間急遽買い物に行った日に何で落ち込んでいたのかお話しした。



「カイザス国は様々な種族の方がいらっしゃいますから…外からこの国に移住した方なら誰もが通る道で御座いますよ。私めの孫も来た当初は相当なもので御座いました。今では笑い話で御座います。」



 その笑い話を少し聞かせてもらった。何でも人族の国で箱入りで育ったらしく、そりゃもう世間知らずで酷かったと。

 今もたまに変な事言い出すので面白いらしい。



「最近、りんごとバナナをそのまま食したとはしゃいで、食事の席で教えて貰った時は笑いましたな。」



 何でも、お孫さんりんごに齧り付いたり、バナナもそのまま食べた事無かったらしい。

 今までどうやって食べてたんだろう?特にバナナ。


 屋敷で出す時はりんごは目の前で皮をむいて切ってもらっていたらしい。バナナはナイフとフォークで食べていたと。なるほどー…セレブだ。


 鈴木さんは自室だと果物などはそのまま食べたりするが、思えば孫の前でそんな姿を見せた事が無かったので自分にも責任があると言っていた。

 まぁ、そんなちょっと抜けてる孫も可愛いらしい。





 コンコン





「お祖父様ー?お呼びですか?」



「ああ、入ってくれ」




 ガチャッ



「つばめ様、ご紹介致します。私めの孫のロジャーで御座います。まぁ、既に御存知と存じますが。」



 私とロジャーさんはポカンとした顔をしていた。

 鈴木さんは悪戯が成功して、それはそれは素敵な笑顔を浮かべていた。





『箱入り』とか『可愛い』とか言うからてっきり10代の女の子想像してたよ。

 まさかの職場の上司だと思わなかった。


鈴木家祖父と孫の会話


朝食時


ロジャー「お祖父様聞いて下さい」


鈴木「何だいロジャー?」


ロジャー「なんと、私昨日のお昼にりんごを丸齧りしたんですよ!冒険小説の主人公がりんごを齧るシーンがあるので、とっっっても憧れてたんです。素晴らしく美味しかったー」


鈴木「………よかったなロジャー。」



夕食時


鈴木「今日は帰りが早いな。一緒の食事も久しぶりだな。」


ロジャー「今日は皆んな早くに上がれたので…そうだ!お祖父様、私今日は昼にバナナを手で剥いて食べたんですよ!りんごより食べやすくて手が汚れないので、バナナってそのままでも食べやすいです。お祖父様も今度やってみて下さい。」



鈴木「はははははっ」



 その後、鈴木の説明でりんごやバナナをナイフとフォークを使って食べてる人の方がこの国では少ないとロジャーは初めて知った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ