66話
ウルスラさんの尻尾を見た時にまた疑問がぶり返したのだ。
結構体に沿ったズボンスタイルだが、カボチャパンツでゴワゴワしてないな?と。
私の外出時はユリエルさんお下がりのガウチョパンツの様なゆったり目のズボンだったので、今まであまり不便に思わなかったのだが…
「つばめ様、大人の下着も買いましょう」
「よろしくお願いします」
恥を忍んでウルスラさんに聞いてよかったー。素敵な洋服と下着があるといいな。
私もロールパンサンドを食べ終わり…キャラメルアーモンドは後でおやつにいただこう。
本題の獣人族の話しについて、ウルスラさんに説明を受けた。
「この国は色々な種族の方がいて、生活習慣や決まりなども様々です。見てわかる様に獣人族は特に多種多様な獣人種がいます」
確かに、獣人族は見た目みんなバラバラだ。
人型も居るがクマさんの様な獣型やそれこそ目の色、顔の作りや身長も種により違う様に、獣人族の中でも個々で生活様式や習慣が異なる。
「なので、他種族の人にすれば多種多様な習慣や言葉の受け取り方の違いなど分かりづらいとよく言われてます」
こんな逸話がある…
獣人族犬種に「犬野郎」と言ったら喧嘩になったが、狼種に同じセリフを言ったら喜ばれたと。
「え?」
「犬種は『獣の様なクズ野郎』と捉えましたが、狼種は『犬種の様に忠義があって可愛らしいね』と受け取ったそうです」
そもそも、獣人族犬種と獣人族狼種の違いすらわからないよ。獣人族難しいね。
獣人族同士だとなんとなく他獣人種に言っていい事悪いことはわかるのですが…とウルスラさんは言っているが、たまに獣人族同士でも間違う事はあるらしい。
獣人族の国の首都は獣人種ごちゃ混ぜで生活しているが、田舎の方はコミュニティがあり、大体は同じ獣人種か、もしくは近い考え方の獣人族が固まって生活しているとのこと。
大体田舎から出て来ると、都会で獣人種による常識の違いでやらかすのが獣人族あるあるだとか。逆もあるけみたいだけど…ローカルルールってやつだね。
「ウェルエルは獣人族の国の特殊な田舎から出てきたのですが…本っっっ当常識が無くて」
クマさん…コレは相当ウルスラさんを困らせてるな。
ー
獣人族言葉の受け取り方違い
『乳臭い』
牛「未熟者…だと?」(激怒)
猫「お子ちゃまですって?」(怒)
犬「はぁ?幼稚だぁ?」(怒)
蜥蜴「昼に飲んだ牛乳どっか服にこぼしたか?」(謎)
鳥「くんくん…あ、僕がこぼしたみたいだ」(恥)
※一部の獣人族は卵で産まれてきます。授乳がありません。