6話
グリズリー………熊に遭遇したら死んだフリは不味いんだっけ?
「…………」
あれ?熊生きてる?
めっちゃガン見されてる気がするけど、動かないよ?剥製?
てか、私生きてる?私は心臓バクバク言ってるから生きてるな。うん。思考回路ハしょーと寸前ヨ???
「僕はシュルェルウェルエルカイザー」
あ、熊じゃなくてシュルェルウェルエルカイザーって長い名前なのね。
こんにちは熊さん。私の思考回路はまだショートしてるよ?
「こんにちはクマさん」
声に出ちゃったとりあえず落ち着け私、クマさんじゃなくてシュルェルウェルエルカイザーさんだろ…ん?熊喋った?
「えっと…エアコンの取り付けですか?」
「違うよ」
しーーーーーん
何しに来たのクマさん?
心臓はまだバクバクしてるが思考は落ち着いて来たな…
「ユリエル長官から聞いてない?」
ユリエルさんから???もしかして…
「呼んだら何処にでも来るって言う護衛の人?」
「そうだよ」
「私呼んでませんよ?」
シュンとされた…多分だけど。見た目もろ熊だから、なんとなく落ち込んでるかな?って感じだけど………
「エアコンの取り付けなら、家の中…結界内に人が入るの?」
何故これからエアコンの取り付けがあること知ってるの?とかはこの際置いとこう。深く考えると怖いから。
実はこの家には防犯の為に結界が張ってあるのだ。衝撃吸収とか、防炎とか登録者以外は家の中に入れないとか言われた気がする。………あ。
「もしかして、魔道具店の人は登録者じゃないから家に入れない?」
「そうだよ」
この家の登録者は家主の私、ユリエルさんとロジャーさん、王宮の女医さん、護衛の…今目の前にいるシュルェルウェルエルカイザーさんの4人だ。
詰んだ…さらば私の快適あったか空間。
「だからエアコンは僕がつけるよ」
熊じゃなくて救世主だった。
おかえり私の快適あったか空間。短い別れだったね。
「ありがとうございます、助かります!魔道具店の人はまだ来て無いので、とりあえず上がって待ってて下さい。聞いてると思いますが私の名前はつばめです。よろしくお願いしますシュルェルウェルエルカイザーさん」
「長いから『クマさん』って呼んで」
舌噛みそうだったのでとても助かりますクマさん。
ー
没ネタ
クマ「僕はシュルェルウェルエルカイザー」
つばめ「こんにちはクマさん。この家に蜂蜜はないよ」
シュンとされた。好物らしい。
※話の流れがスムーズに進まなくなったのでボツになりました。