46 目覚め2
「ここで目覚める前は何処で何をしていたか覚えてるかしら?」
「ここで目覚める前………確か寝て……ん〜?実家だった様な気がするんですけど…帰省してたのかな?……ダメだ…思い出せません」
「目覚めてすぐだから少し記憶に曖昧な部分があるみたいだけど、よくある事だから」
「はい…」
「さて、ゆっくりでいいから、ちょっとだけ起き上がれるかしら?無理はしなくて大丈夫よ?いけそう?」
「はい、少し起き上がってみます」
私は横を向いてベッドに手をつき、ゆっくり起き上がってみた…
「そのままベッドから足を出して座れるかしら?大丈夫そうね。目眩は無い?平気?」
「はい」
「実はつばめさん1日近く寝てたのよ…ふふふ、お寝坊さんだったわね。おはよう」
なんと!そんなに寝てたのか…道理で身体が重い筈だ。おそようございます。
皐月先生は白湯の入ったカップを持って来てくれたので、いただく。
「実はつばめさんが起きたら連絡をしろって言われてるんだけど、連絡したら会いに来ちゃうわよね…………寒く無いかしら?大丈夫?何ならタオルケット羽織ってね」
私は今、手術着みたいなのを着ている。
パンツはかろうじて履いてるがノーブラだね…お言葉に甘えてタオルケットを羽織る。
連絡を入れる前にトイレに行くことにした。
皐月先生に手を引いてもらいながらゆっくり歩く。
部屋を出たらなんだか診療所みたいな所だった。そっか医務室だもんね。
「トイレの使い方は………説明した方が良さそうね」
トイレの形は洋式トイレだが、何やら流すボタンとか無いよ?
「この部分に手かざすと魔道具が反応して水が流れるのよ。かざしてみてくれる?」
かざしてみた…水が流れた。
「問題なさそうね。じゃぁ、私は扉の外で待ってるわ。そのタオルケットは一回預かっておくわね〜」
魔道具ってなんだろう?自動洗浄と違うのかな?
ここは医務室。私はつばめ。コレは魔道具。




