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370話



「エデンのダンジョンは普通秘匿されてるが、各国で扱いが違う。神聖帝国のダンジョンは入場規制がされていた。一時期解除してたが、現在は戻っているな……つばめのこの部屋の場合はどうなんだ?ヴァニア大陸だと、酷いところはダンジョン内で起こった出来事で生死を問われない場所も存在する」



「……カイザス国は、王宮の規定に基づくなら許可者じゃないと入れない。コンスタンティンの居住区は生死はコンスタンティンが決めると言っていたのを聞いた事があるが……ここはどうなるのか皆目検討もつかない」



 ダンジョン内だとその国の法律が適応されない事もあるみたい。

 しかし、世界基準で一個だけ共通して取り決めしてるものがあると。

 



「……魔道具の使用や修理などは無制限だな。魔物素材や毒物などの取り扱いも制限がない。宝箱やモンスターからのドロップ品は調べないと分からない物もあるし、武器の改良やメンテナンスを出来なくて死んだとなったら困るからだ」



 カイザス国の王宮は実質宝箱やドロップ品がないので、受付で持ち物検査を受けたら所持してる免許以上の物を使う事はないと言っていた。



「そもそも、免許制にしたのもつい最近なんだろ?」



「神咲殿の感覚ではつい最近なのか……カイザス国基準でヴァニア大陸やネスト大陸も取り入れている所はあるな。大幅に広まったのはゴブリンのスタンピード後ではあるな」



 ゴブリンのスタンピード後に魔道具使用による味方同士の怪我や死者が多いと、研究者の論文発表で免許の普及が広まったらしい。

 後は素人が無理に魔道具を作って不良品が出回る危険性などなど。

 エデンだとハイルング国以外は免許を取り入れてるみたいだね。



「後は遺産アーティファクト級の魔道具だが、私はダンジョンから出る物しか知らないしどんな物かも良くは知らないんだ。つばめは一体何を作れて何を使えるのかが謎だ。SSランクの冒険者なら何か知ってるかと思ってご助力願ったのだ」



「ダンジョンで出るって言うか、ダンジョンコアがそもそもアーティファクトの扱いだな。今の技術で作れない物は大体アーティファクトって言われてる。1番有名で手軽に手に入るのは、カール兄ちゃんが持ってた『魔剣デュランダル』だな」



「……あれは今は特級に分類されている。じーちゃん頼むから、A級ダンジョンのボスのランダムドロップ品を手軽とか言うな」



「あれ?空振りか。じゃあ『聖剣エクスカリバー』は?ダンジョンの剣だとアレが1番威力あると思う。魔力馬鹿食いするけど」



「………聞いた事ない物の名前を言うな」



「ユリ怒るな。いや、でも絶対どっか他の国も隠し持ってるって。少なくとも父上に耐久MAXのサヤと剣セットにしてあげたからハイルング国には1本有るはず」



 大輔さんとユリエルさんが微妙な顔してる。何だろう?



「………もしかして、鞘から出すと光り輝く剣か?」



「そうそう。鞘は治癒とか機能あるけど、見たほうが早いな……えっと何処に仕舞ってあるかな?」



「……持ってるのか。出さなくていい。ハイルング国の王太子が所持していたが、消え失せた。鞘も既にない」



「えぇ〜?3回は普通に使えるのに一体何に使ったんだよ?魔石欲しさに大型の魔物でも消し炭にしたのか?」



「「…………」」



「ごめん、聞かない。じーちゃんが悪かった」



 ユリエルさんがチラッと大輔さんを見たが、大輔さんは横に首を振って2人共だんまり。深くは突っ込んではいけない話らしい。



「剣以外に何かアーティファクトで分かりやすい物はないだろうか?」



「ユリ、乗り物どうした?」



「バイクは上級で、4輪の方は限定解除時の特級に使えるようになるな。すまないが4輪の方は軍の機密に触れるので詳細は話せない」



 あ、軍が所持してる車ですね。分かりました。ハルさんとクマさんは何の事だろうと首を傾げてるので知らないみたい。




「…………大砲ついてる乗り物って知ってるか?ヴァニア大陸だとよく国落としの最終兵器に使われてたヤツだ。昔ダンジョンから出たが、今でも所持してたらアレは間違いなくアーティファクトに入ると思う」



「『戦車』か……アレは動かないだろう?現物を見た訳ではないが、錆びついた戦車がオークションに出たらしい。どうやって動いていたのか魔道具技師や職人が未だに議論しているな。落札者は不明だが、相当な金額で買い落とされたと一時期話題になった」



「そっか。じゃあ、後はよく分かんないな」




 失われた技術か……そうか、戦車ももしかしたら遺産級の魔道具?に入るのかな。それともガソリンで動いてたのかな?



「とりあえず、つばめは大概的には中級まで使える事に統一しよう。魔道具技師の方は黙っていた方がいい……免許取得の記憶がスッポリ抜けているなら、知人などに魔道具のメンテナンスなど頼まれても困るだろう?」



「はい、分かりました」



「……しかし、精神安定用の魔道具はつばめに持たせた方がいいと思う。つばめは魔力が多いし、質の良い魔石を使えるなら魔道具の耐久性もあげられると思う……昨日は壊れたみたいだが、中級程度じゃ耐えられなかったんだろう」



「最近縛りが多いのばっかり作ってたから、好きに作れるのたぎるわー……ごめん、犬のにーちゃん麺お代わり」



「僕もお代わり!」



「色々お手数おかけしてすいません。チャーシューもう少し切って来ますね。ユリエルさん野菜何かもう少し食べますか?」



「……あぁ。トマトかきゅうりがあればそのままでもいい。齧り付くから」



「そしたら、レタスもあるんでサラダ作りますよ」




 皆んなサラダ欲しいと言う事で、多めに作った。良く食べるんで、今日買った物は殆ど残らなかったね。

 明日は鈴木邸の厨房で旅用の料理作成を料理人さん達とする予定。食材も余ってるが、確保した料理人さん達も暇を持て余してるらしい。


 デザートに果物とお茶を出して、私はスコーンの量産に勤しむ。オーブンあるからね!大きさも申し分無いのでジャンジャン焼けるよ。



「…………」



「ユリエルさん食べますか?生クリーム買ってないですけど」



「……すまない。ひとつでいい……レーズンの入ったのが欲しい」



 ひとつでいいって遠慮してるけど、もっとお食べ。焼き立てのスコーンを大皿に乗っけてドーンと出すと皆んな食べ始めた。マシロさんもどうぞどうぞ。


 凄いなぁ……何処にそんなに入るんだろう。ラーメンをたらふく食べた神咲さん特に。あのちっちゃい身体の何処に消えて行くのか謎。胃液強いのかな?



 ツンツン ツンツン



「……じーちゃん、マシロが食いづらいだろう。つつくな」



「噛んでる音がおもしれぇな。マシロが普通に食べてるのが不思議なんだけど、誰も何も言わないこの環境も不自然過ぎてウケる」



「やっぱり普通のスライムってゴリゴリ言わせながら食べないんですかね?」



「……今更か」


「お姉ちゃんだもんね」


「あ……やっぱり普通じゃないんですね。良かった……誰も何も言わないので私がおかしいのかと思ってました」


「スライムに食事を分け与えると言う発想がまずないな」


「そ……そうなんですね」



「ちょっと中身どうなってるか見せてよマシロ。よっと」



「「「「「!?」」」」」



 神咲さんがマシロさんに食われたみたいになってるんだけど!!?あ……餡子の部分に神咲さんの上半身が消えてるんだけど!!?



「おー!スゲェやっぱ入れた。あ、スッポンポンだな。イテテテ、ごめんごめん、ほら飴やるから許せよ。いらない?じゃあ、洋服やるから……着方分かるか?だよなー。ちょっとこの体勢辛いから1回出るな。……ごめん、ユリ引っ張って〜動けない」



「!?ばっ……馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!何してんだっ!!!!?」



 犬?狼?の着ぐるみ尻尾を鷲掴んだユリエルさんは、神咲さんさんをズボッと、引っこ抜いた。顔が何か引っ掻き傷だらけ何だけど、餡子の中でいったい何があったの?



「あははは。覗けるけど出るのは自力じゃ無理っぽいな〜焦った。マシロ、洋服出すから選んでむきゅっ?……ユリはなひて。いひゃい」



「……顔に血が滲んでる…………龍神の身体に傷をつけられる奴が中に居るのか?普通の魔族じゃないだろ絶対」



「いひゃい。いひゃい……ユリ、じーちゃん怒るぞ。研究熱心なのはいい事だが、傷をえぐるな地味に痛いだろ」



「……ああ、すまん。つい……凄い、もう傷が塞がってる」



「あ、素材回収しよ。ユリ、血を採取してくれ。パイロンの血なんて変な物作れそう」




 何か、似た者祖父と孫だよね。

 マシロさんは神咲さんが餡子から出て行って?からまた普通にスコーンを食べ始めたよ。

 他は誰も何もツッコミを言えないまま、暫く2人の血の回収作業を眺めていた。





マシロ服選び


神咲「さぁ、選べ」


マシロ じーーー


神咲「気に入らないか?」


つばめ「多分悩んでるんだと思います。買い物する時も結構毎回吟味して自分で選んでますから」


神咲「へ〜」



他4名(洋服サイズがバラバラの謎)



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