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321話



 第7長官室の仕事を早めに終わらせて、お昼には鈴木邸に到着。

 お昼ごはんをいただき、昼寝である。


 そう、昼寝…多分相当時間がかかると言われた。


 朝から各国要人や文官が集まり食事休憩挟みながら会議みたいのをしてるらしくて、夜に偉い人だけで集まって密談と言う名の食事会やるらしいよ。


 金銭が発生するので、私は夜勤みたいな扱いだ。一応途中休憩時間が2時間はあるが……密談参加者はぶっ続けらしい。偉い人に労働基準法とか無いのかな?


 健介さん曰く「かしこまった席じゃ無い」との事らしいけど、果たして本当かどうかは分からない。



 最近、前にも増して柔らかくなったマシロさんとモニュモニュ戯れながら、お風呂に入ってお昼寝。夜ぐっすり寝た気がするけど、多分今寝ないと最悪朝までかかるからベッドに横になる。



 睡魔がやって来て……いつの間にか起きる時間だった。



 身支度して、肉厨房の方に挨拶してから私は野菜厨房に向かう。

 副料理長が料理の飾り付けをしていたので、私は何をすればいいのか聞いてみた。



「味見…ですかね?はい、コレどうぞ」



「ありがとうございます。もぐもぐ」



 野菜スティクに味見いるかな?と、思ったらディップソースがわんさかあった。

 多分、後でめちゃめちゃ料理させられるだろうから、腹ごしらえしといてと言われたので、代わる代わる持って来られた料理を厨房の隅っこで色々食べているよ。



「結局、何人参加されるんですかね?」



「健介皇子、オリバー様、カール様、マティアス国王様…ロジャー様皐月様が見学。後はレオン国王様が間に合えば参加されるとの事です。召し上がれない物と確認出来た方は好きな物など纏めて書いておきました。良ければ役立てて下さい」



「わざわざありがとうございます。助かります」



 レオン国王ってどちらの偉い国王様?と、思ったけど消去法でベスティアもふもふの方だと思う。副料理長に聞いたら案の定そうだった。

 


 ロジャーさんが参加するのか。野菜系の大皿料理は結構用意してくれてるので、もう少し飲み物を用意しようかな。

 神聖帝国の神殿関係者であるオリバーさんって方も肉も酒も駄目らしいから。



 桃が沢山あったので、使っていいか聞いたら大丈夫らしい。味見してみたら、めちゃくちゃ香りが良くてジューシーで美味しかったよ。

 アイスティーを作ってから、切った果肉を入れて冷蔵庫で冷やす。



 後はピッチャーに大きめの氷と、皮ごとくし切りにしたオレンジやレモンを交互に入れて行き、最後にマスカットジュースを注ぎ入れてこれも冷蔵庫に仕舞い込んだ。



「………つばめ様、今日はいいですけど、今度料理だけじゃ無くて飲み物の方もちょっとお話しと言うか作りましょうか」



「切って入れるだけですよ?」



「切って入れる以外も絶対まだ色々知ってるでしょう」



 切って入れる以外……果物のシロップとかかな?アレ実は私の家から持って来たんだよね。

 小さめの瓶で作ったからあんまり数が無くて、見つかったら料理人さんに「味見したい」とか言われると、全部無くなりそうで怖いから内緒にしといたんだ。

 料理人さん達は新しいのとか、見たことない食べ物に対しての情熱凄いからね。


 カイザス国で売ってるジュース類やお茶は美味しいから後は見栄えだけな気もするな?いや、待てよ。

 前にコンスタンティンさんの居住区で生クリーム飲む時にアーモンド入りの紅茶作ったね。

 ロジャーさんがあったかいの飲みたくなったらアレ作ろうかな。



「すみません、素焼きアーモンド追加で用意お願いします」



「つばめ様の脳内で何がどうなってアーモンドに行き着いた知りませんが、承りました」



 飲み物もこれでひと安心なので、私はまた試食と言う名の夕ごはんを……手渡されたメモ書きを見ながら食べ進めた。











 2次会?密談?用の部屋に先に入らせてもらい、保管庫や厨房から持って来た下拵えした材料や冷やしといた方がいい料理を仕舞い込む。



 鈴木さんの息子さんの剛さんが、鈴木邸の部屋にアイランドキッチンを作ってしまったんだ。3部屋。

 料理長と副料理長用、私用、予備にもう1部屋で作ってある。


 キッチン台の高さを決める時に、料理長が頼むから私と別にしてくれと言って駄々っ子してた。使い辛いから無理だと。

 最初3人の中間辺りの高さにしようかって話も出たけど、嫌だったらしい。



 他の方が材料などを運び込んでる間に調理器具の確認と、後はもう一度メモ書きを見る。



 健介さんはチーズと辛いのがあれば大丈夫だからいいかな。

 皐月先生は果物と酒。ロジャーさんは柑橘系の果物と、私が前回作った果物シロップの炭酸割りを絶賛してくれてたが……ごめんなさい、まさか今日参加すると思わなくて用意が無いよ。

 その代わり、レモンケーキと先程作った飲み物で許して欲しい。


 後は…


 カール バナナ、豆類


 オリバー 好き嫌いはなし

 ※と、本人は言っていたが果物全般好きそう。後、辛い物苦手かもしれない。


 マティアス 酒、もやし


 レオン 肉類、特に牛肉



 辛いのは各自調整して貰おうかな。調味料は好きに使ってもらってーーー。



「考え中のところすみません、つばめ様」



「はいっ!!?あ、カールさんこんにちは……そろそろこんばんは」



「はい、こんばんは。今回料理を引き受けて下さった様でありがとうございます。これから準備出来次第入れますのでーーー」




 ちょっと昨日のアレコレで気まずいぞ私…と、思ったけどカールさんはいつものカールさんでした。大人な対応だね。見習おう。


 今回はカールさんが主催らしいので、この後の流れをザッとお互い確認する。


 レオンさんと言う方は到着はしたが、今は休憩、身支度と昼間の会議内容を確認中で、恐らく3時間後には着席予定。了解です。


 肉類の料理は肉厨房で主に行い、仕上げと、冷めた物をこちらで温め直す位で大丈夫。


 後は、オリバーさんに給仕の人が1人付くらしいのでそちらの方に料理の説明など求められたら答えて欲しいと言われた。



「給仕の方ですね。了解です」



「もし、粗相をしたら追い出しても構いませんので、何かあったら私に言って下さい」



「?わかりました」





 必要伝達事項を各自の厨房の方などにお願いして、全員部屋から一旦退出。

 参加者と私は扉に登録をして部屋の結界を作動させた。




 剛さんが頑張っちゃったらしくて、部屋全体に登録者限定で入れる様に盗聴防止の結界まで付けてくれたみたい。ユリエルさんいらずで助かるよね。






 参加者さん達と部屋に入って……いきなり土下座をされた私。




「『我が君』の養女様であらせられるつばめ様にご挨拶申し上げーーー」



「助けて下さいカールさん」



「神聖帝国流の最上級の挨拶ですね。つばめ様が困ってますから給仕は大人しく引っ込んでなさい。次に他の出席者より出しゃばったら追い出しますよ」



「それは困ります。失礼致しました。」






 給仕の人にしては服装豪華過ぎないかな?ま…まぁ、いっか。



 開始前から不安になったよ2次会と言う名の密談。果たして私無事に乗り切れるかな?




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