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つばめと学ぶ異世界生活事情  作者: とりあえずごはん(・ω・)
第四章 ゴブリンのスタンピード編
364/499

298話




 急に明日の天気が………。


 ああ、それで呼んでいたのか。




 よく分からない存在が、今日1日で随分と…ほんの片鱗分かる程度になった。


 私は、困った時の神頼みと言うよく分からない事をしてみた。




「『我が君』お願いを1つ聞いて下さい」




「え〜。ご飯中だよ?食事時はやめてよ」



「お待ちします。コンスタンティン様」




 急に目前に現れた……茶碗と箸片手に口をもぐもぐさせた神様は、不機嫌を隠しもしない。



 既に死にそうだが、更に死にそう。



 キンの様子を見てやりたいが今はそんな事構ってられない。死ぬ。




 このドス黒いまでの恐怖は、感情の揺れに任せた魔力の漏れだったか。とんでもないな神様。


 今なら神聖帝国が国を挙げて神様と崇め奉る気持ちが分かる。





 



 もぐもぐごっくんした神様は、茶碗と箸を消して私に願い事を聞いて来た。




「で、お願いって?」



「はい、この子を助けて欲しいんです。ハイルング国王太子の所に運んで下さい」




「そんな事でいいの?」




「少なすぎますか?」



「んー…いや、別にいいんだけど?謙虚だなって思っただけ」



 これで謙虚って………子ども1人をハイルング国からカイザス国まで運べって言ってるんだぞ?

 どんなお願い今までして来たんだ神聖帝国上層部。神様を困らせるなよ…そりゃ、コンスタンティン様も逃げたくなるわな。



 恐らく『我が君』と呼ぶのがトリガーで、コンスタンティン様から直接話しかけられるのが条件だ。


 簡単な様で、簡単じゃ無い。特にコンスタンティン様から話しかけられるなんて無理だろ。

 私はたまたま「ごはんたべる?」なんて、軽く話しかけられたがアレは運が良すぎたんだと思う。



 自力で『我が君』呼びの謎を解明して、コンスタンティン様に話しかけて貰うに値する存在にならなければ、このお願いは出来ない。


 願いの内容もコンスタンティン様が無理だと感じたら、恐らく叶えてもらえないと感じる。


 まさに困った時の神頼みだな。



「これはお願いでは無いが、キンは私がもらい受けますね」



 ここで、はじめて…恐らくコンスタンティン様はキンの方に意識を向けた。目線は私に向いているんで……本当多分としか言いようが無いが。



「キンは私の所有物って訳じゃ無いよ。本人の自由だからね?」



「あぁ…それを聞いて安心した。では、このまま連れて行きます。それでいいかキン?戻るなら今だぞ」




「…………」




 私は思わず、振り返ってキンに視線を向けた……マジか?


 絶対コンスタンティン様に着いて行くと思ったのに本気か?


 本気で私にどこまでも付き合う気か???





「ズームォ様に何処までも着いて行きます」




「お…おう」




 私は思わず、キンの頭をわしゃわしゃしたかったが今は無理だ。すまん。力も入らなくて呼吸もままならないんだろう。床に伏せ…と言うか、ベシャリと横になっている。



 私は片腕の中で眠る子どもを手渡して「よろしくお願いします」とお願いした。





 今の私は、もう明日の天気を拝む事は無い。

 朧げだった天気予報は、ミアを助けて欲しいと口にした時に分からなくなった。




 軍人の命は、子どもよりも遥かに軽いからな。



「『我が君』…今までお世話になりました……ありがとうございました」



「いや、世話されてたの私だからね?まぁ、キンの作る炊き込みご飯が最近の中で1番美味しかったよ」



「っ!!?」



 キンの頭をひと撫でして、コンスタンティン様は一瞬で消えて無くなった。




 私は、全ての力を使い尽くしてキン同様床に転がった。あー……死ぬかと思った。いや、これから死ぬんだけどな。



 キンからナデナデして欲しいと感じとったんで、頭を撫でてやる。




「よかったな、キン。お前の作った食事は美味しかったらしい」



「はい…はぃ……」

 


 涙でグチャグチャの顔を拭ってやりたいが、今の私はキンを撫でるのに忙しい。



 血溜まりの中、燃えゆく炎の中で、私は最後にキンの望む子守唄代わりの口笛を吹いた。ハイルング国流だな。



《『〜♪』》




 キンは瞼を閉じた。凄い嬉しそうな顔で。




 私は許可するまで死ぬなと言った。私より先に死ぬなよこの駄目犬。




 地獄で会う約束をした軍人達の顔を思い浮かべて、これまでの短い様で長い人生を振り返り…私も瞼を閉じた。








 もし遅れたら、すまん。



















 薄れ行く意識の中、私は魔法の言葉を口にしたーー。







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 アクセス 完了


 エラー 


 魔力が不足しています


 対価を選択して下さい




左脚?



 エラー


 魔力が不足しています


 対価を選択して下さい



両脚、左目、左耳。



 エラー


 魔力が不足しています


 対価を選択して下さい




両脚…左目……







死霊王バルバロッサの封印球?…!!?シャルル・ハイルング本人のグール腐肉、ゴブリン『ヌシ』メスのミール・ハイルング女王の焼けた死体、桃仙亜種の種無し、ダンジョン産マジックバッグ、水の出る魔道具、水スライム、弓、弓矢、床の血、炎、エデンハイルング国王都ハイルグ王宮の椅子、カイザス国軍第1部隊所属副隊長職前線指揮官水島ズームォ負傷兵の火の出る魔道具。







 



 該当項目検索中・・・






 認証完了






 発動条件を満たしました



 項目を選択して下さい


 

 ■■ 不在 選択不可

 

 ■■ 外出中 選択不可

 

 ■■■■ 封印中 選択不可

 

 邪神 拒否 選択不可 


 龍神 バルバロッサお仕置き希望


 魔神 拒否 


 蟲女神 許可


 大地神 やだよ?

 

 ■■■ スリープモード 選択不可


 暗黒竜 拒否


 お茶屋 ムリ


 カラス 許可(笑)


 化け狐 近くに人がいます


 クラーケン 許可

   ・

   ・

   ・

 父上様 死亡

   ・

   ・

   ・


 死神 該当者








龍神…選択……?



 龍神選択完了



 大地神介入中・・・



 対価の一部を削除



 大地神に強制変更



 魔法の言葉を唱えて下さい










 

  










《コンスタンティン召喚》





グールVSエデン連合軍編に続く





4章ゴブリンのスタンピード編終了です。


次回予告

5章内緒話編



 次回は3章の食事会が終わって、つばめが二次会の密談用の部屋に入るところからです。

 ごはん系のお話がお好きな方、長らくお待たせ致しました。次回は料理の話が入ります。(5章閑話含む91話予定)。


 ゴブリンのスタンピード編にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] スタンピード篇、読了。 ストーリーは重くて、口調は軽くて、面白い展開ではありましたが・・・色々と救いがない感じが・・・ つばめさんとましろさんのほのぼのが懐かしいです。
2022/04/26 20:26 退会済み
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