34話
「ユリエル長官とロジャー副長は甘い物はお好きですか?」
「あぁ」
「私も果物や焼き菓子はよく食べますよ」
2人にお茶のお代わりを注ぎながら話しの続きをする。
なるほど、果物か!引越し祝いのお返しが思い付いた。
二人に好きな果物を聞いたらユリエルさんは苺でロジャーさんは柑橘系が好きらしい。ふむふむ。
「お返しは手作りジャムにしよう」と、りんごを丸齧りしながら考えていた。
そうか、食べられない物があるのは何処の世界でも一緒なんだなぁ…私は基本何でも食べるので個人ではあまり気にした事は無いが、食事に制限がある人にとっては外食出来ないのって結構不便だよね。
日本でもアレルギー表示やベジタリアン、ヴィーガン向けの料理が提供され始めたのは最近な気がする…記憶が割と曖昧だが。
引越し祝いをもらった方々にはジャムを作る前にあらかじめ食べられない物や、好きな果物を聞いておこう。
さて、リンゴを食べ終わった所でごちそうさまでした。部屋の洗面所で手を洗って食事は終了だ。
2人はりんごを齧り始めた時点で仕事に戻っていた。
昼休みの時間はまだあるので、私は早速お手紙を書く。
コンスタンティンさんとカールさん、皐月先生に…食堂の水島さんは直接聞こうかな。
手紙は奏君に出してもらっていたけど、今度からはウルスラさんに出してもらった方がいいのかな?
廊下にいるウルスラさんに聞いてみよう。
私はドアを開けて廊下を覗いた………
「あれ?クマさん?」
「違うよクマさんじゃないよ」
「…シュルェルウェルエルカ「クマさんって呼んで」
目の前にキラキラ金髪碧眼の長身獣耳付き男性がいた。
着てる服は普通だが、何故か靴は黄色い長靴。クマさん冬眠は?