29話
ピピピピ、ピピピ…パチッ
ちょっとまだ眠いので、後5分寝たい。
だめだ、朝市が私を呼んでいる!気合いで起きた。
外はまだ暗いので電気をつけたらリビングの床に水まんじゅうが落ちてた………あ、マシロさんおはようございます。
顔を洗ったり朝の身支度をして、昨日の夜に切っておいたパンをトースターで焼く。
お湯を沸かしお茶を濃いめに入れて牛乳を足しミルクティーにして、いただきます。
つばめ朝ごはん
トースト
苺ジャム
ブロッコリーの温サラダ
ミルクティー
温サラダは沸騰したお湯に塩を入れて冷凍ブロッコリーを投入し、解凍したものだ。
あー…パンをトーストしただけなのに美味しい。ザクザク食感がたまらないね。
マシロさんは朝ごはんいらないらしいです。朝は食べない派かな?いや、もしかしたら一晩中家のホコリか何かを食べてお腹いっぱいとか?そんなに汚れてたのかな?
マシロさんに夜寝たか確認したら、ちゃんと寝てたみたいだ。よかった…早起きさんなんだね。
まぁ、昼間は私が仕事に出かけているのでお昼寝もし放題だから大丈夫かな?
食べ終わったら食器類の片付けをして、出かける支度をする。腕時計が無いので、苦肉の策で目覚まし時計を肩掛け鞄に入れて持ち歩く事にした。
「マシロさん、出かけても大丈夫ですか?」
こくり
一緒に玄関に向かうと、玄関先にかけてある緑色ローブのフードの中にマシロさんはピョーンっと入っていった。
昨日の仕事帰りもフードの中に入っていたので、定位置になりそう。
さて、それでは冒険に出発だ。
「さむーい」
知ってた。だってまだ日も登りきっていない早朝だ。
ローブに温度調節の魔法陣が組み込まれているらしいが限度はある。
私は早足で大通りへの道を歩いた。
大通りに出ると、馬車や人影もちらほら歩いている。あぁ〜…まだ慣れないなぁ…今二足歩行の犬?狼?みたいな人とすれ違った…思わず振り向いてしまったら、フッサフサの尻尾が目に入った……も……もっふもふ…………朝市行こう。
前に買いに来た魔道具店を通り過ぎ、更に歩く。
ここ、王都クリスタは南北に一本、東西に一本の大通りが十字に交差している。
王都全体はぐるっと円形の城壁で囲まれており、北大通りは王宮正面に繋がっていて王宮の後からまた道が続く。東西南北それぞれ門に続いている。
私の現在地は北大通りで、南に向かって歩いている所だ。
近くで見ると意外と時計塔大きい。
丁度大通りが交差する部分に時計塔があり、それを中心にロータリーの作りになってるみたいだ。ロータリー部分に馬車が出入りしている。
と、言うことはここを左に曲がれば東大通りに行ける。
時計塔で時間確認出来るから、目覚まし時計いらなかったな…ここまで家から早足で15分かからない位か。
私は北大通りを左に曲がり、東大通りに入った。
ー
尻尾もっふもふとエルフ様
狼(どうしよう!前からエルフ様が歩いてくるわ!?)
つばめ←まだ気づかず
狼(きゃーーー!!!目が一瞬合っちゃった!顔ほとんど見えないけど生エルフ様ヤバッ!!!)
つばめ←まだ気づかず
狼(鎮まれ私のしっぽ!ブンブンするな!?鎮ま…あ………めっちゃフローラルな匂い…エルフ様は匂いも美形)
つばめ(あれ?今二足歩行の犬?狼?とすれ違った?)チラッ
狼(くっ…背後に視線を感じる….……絶対エルフ様が見てる!エルフ様が見てるー!!うれし恥ずかし)
獣人族狼種 女性
マルシアちゃん17歳
早朝買い物帰りにエルフ(つばめ)と遭遇し家で悶絶。家族に心配される。