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211話




「………この間は旨い酒をありがとう。今日はよろしく頼む。これは私からの礼だ、受け取って欲しい」




「おぉっ!こっちこそありがとよ…いい酒だな早速昼に飲むな」




 ユリエルさん、ハルさんと一緒に『トマスの食事処』にやってきた。ご主人に挨拶とテーブルセッティングの確認だ。


 折角貸し切りなので、個室じゃ無くて店の真ん中をドドーンと広く使わせてもらう。


 テーブルを寄せて椅子を持って来てから席を作り、私が使いたいスペースもテーブルで作る。

 男子会開始1時間前にまた来る旨をご主人に伝えて店を後にした。








 そのまま角の肉屋さん…カンジさんのご実家に寄っていつもよりお高めの肉と、いつものウィンナー、ベーコンを購入。


 会計待ちしていると、レジ横の扉からカンジさんが出て来た。


 今日は子ども達をウルスラさんに任せて、カンジさんはお店の手伝いがてら、こちらに早めに来たそうだ。




「遅くなってすいません。食事会の席で渡そうかと思ったんですが、姿が見えたので先に渡して起きますね」




「こんなに沢山ありがとうございます」




「いえ、こちらも片付けが出来てよかったですよ。子どもの物は直ぐに買い替えで、ほっとくと物が溢れて行きますからね」




 手渡されたのは読まなくなった絵本。ウルスラさんに頼まれて、カンジさんが持って来てくれたみたい。お礼を言ってお肉屋さんを後にした。







 自宅に戻りマシロさんに絵本を渡すと、凄い喜んでくれていた。

 1冊取り出して、ユリエルさんにエルフ様が出て来る絵本を読んで欲しいとせがんでいる。



 私はキッチンに戻り、甘い物作成の後に唐揚げ用のお肉を味付けしてから冷蔵庫で寝かせる。


 作業を幾つかしていると、ユリエルさんがマシロさんの相手が終わって暇そうにしていたので、今日の料理の味見をお願いした。




「………コレをもっと食いたい」




「ユリエルさん、味見ですから」




 チーズケーキが乗っていた空の皿を差し出された私は苦笑いした。大丈夫、夜食べられるよ。


 もういま出来る事は無いので、一旦各自の部屋に解散。私は朝早かったので、ちょっとお昼寝させてもらった。








 15時ピッタリに第3陣の食材と、頼んでいた土鍋が到着したので、食材の確認と…海老と土鍋の説明を受ける。




「鮮度抜群」




 木箱を開けたら、おが屑まみれの海老が1匹ピョーンと飛び出して来たので、脱走した元気な海老をテーブルの上から救出して箱に戻し、再び蓋をした。

 箱の中に入れとけば、2週間は生きていられるらしい…凄いな海老。


 見た目スタイリッシュな土鍋は高性能で、空焚きしても割れない代物。助かります。





 第3陣の配達員さんにお礼を言って、2階キッチンに戻って鍋の支度をする。


 男子会より前に鍋パを始める3人と1匹がここに集結した。




「………なるほど。説明された時はスープや煮込み料理とどう違うのかピンと来なかったが、こうなるのか」




「ユリエルさんに行く請求金額が高くなりましたけど、やっぱり味見は大事ですよね」




「はふはふ…美味しいです」




 プルプルプルッ




 料理はハルさんと私で担当だが、ユリエルさんには無限の胃袋を活用してもらって、主に味見を担当してもらった。後、支払いもお願いします。




 男子会メインは鍋2種類。

 昆布で出汁を取った土鍋の和風鍋と、コンソメベースで普通の鍋を使ったトマト鍋。ベースの味も具材も違う。


 タレや薬味も用意したので。最悪どっちかの味なら食べられると予想。ダメだったら要相談。

 ユリエルさんとハルさんは両方食べられるみたいだ。




「ユリエルさん、鶏肉団子食べてますけど大丈夫ですか?」




「………これくらいなら食えると、この間のハンバーグでわかった。鶏肉も中々旨いな」




 ミンチ肉で、更に煮込んであるなら食べられる事が判明。焼いた普通の肉は自分で調理して試してみたけどダメだったらしい。


 鍋の肉団子はその後も自分で取って食べてるから、本当に大丈夫みたい。200歳越えでも嗜好って変わるのかな?


 ウィンナーは今食べて見たけど、肉汁が多くて好まないとおっしゃってます。残念。


 ひと口齧ったウィンナーを私の器に乗せられたので、もぐもぐしてやった。皮がパリッとしててジューシーで今日も美味しいね。



 話しをしながら鍋を突き合い、英気を養って夜に控えている男子会に備える事に。海老ウマイ。




鍋パ中の話し 3人と1匹



つばめ「この間調味料買った近くの精進料理の店、やっぱりユリエルさんが好きそうなメニューでしたよ」


ユリエル「……本当か?明日行く」


つばめ「ランチは大丈夫ですけど、夜は値段高くなるんで気をつけて下さい」


ユリエル「………金ならある」


つばめ(ユリエルさんの事、お金持ちだってちょいちょい忘れるんだよね。妙に所帯染みてて)


ハル(ユリエル長官の口からはみ出てる海老の尻尾が美味しそう)



マシロ バリゴリバリゴリッ

 ※海老の頭お食事中



ユリ、ハル「「…………」」


つばめ「マシロさん、海老の頭無理に食べなくて大丈夫だよ?美味しかったら食べてもいいけど…」



マシロ ……バリゴリガリッゴリッ



 ユリエルとハルは未知との遭遇に暫く動けなかった。




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